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臨床では術後の炎症や、神経の損傷により痛みが長引き、通常よりも痛みの訴えがかなり強くなっている患者さんを目にすることがあると思われます。

「痛い!痛い!なにすんねん!!」「そんなに痛いですか?触ってるだけですけど?」

こういった痛みには大きく2つに分けられ、普通に触っただけでも痛い「アロディニア」と、軽い痛み刺激でもものすごく痛みを感じる「痛覚過敏」があります。

こういった強い痛みの訴えは、臨床においてリハビリテーションの進行の妨げとなり、難治性の疼痛となる場合があります。今回はこの痛みのメカニズムにクローズアップしていきます。

○アロディニア

アロディニアとは正常なレベルの触刺激、圧刺激あるいは温冷刺激においても「痛い!!」と感じてしまう状態の事であり、時には自分の着ている服や、布団やクッションが当たるだけでも痛く、風が当たっただけでも痛いと感じてしまう事もあります。こういった痛みは日常生活に大きな支障をもたらすことになります。

アロディニアのメカニズム ブログ用

アロディニアがなぜ発生するかというメカニズムについては2つあります。

・侵害受容器の閾値低下(末梢性感作)
・WDRニューロンの閾値低下(中枢性感作)

このいずれか、あるいはどちらもが生じる事によって、通常痛みとならないはずの刺激が痛みとして生じます。

○痛覚過敏

痛覚過敏は、軽い侵害刺激を非常に強い痛みとして感じる状態です。痛覚過敏はアロディニアとともに生じる事が多く、刺激と反応の様式はアロディニアと同一です。

痛覚過敏には一次痛覚過敏二次痛覚過敏があります。

一次痛覚過敏障害の局所(障害部位)で生じます。⇒侵害受容器の過敏化(末梢性感作)

二次痛覚過敏障害部位の周囲⇒脊髄後角の侵害受容ニューロンの過敏化(中枢性感作)

以上のメカニズムで痛みが生じています。

痛みを軽減させるアプローチは様々あると思います。痛みの原因に対しての治療(薬剤など)なのか、鎮痛系の賦活(運動療法、電気刺激、心理的アプローチ、生活環境整備など)なのか、目的をはっきりさせてアプローチしていく必要があります。

セラピストはこういったメカニズムを認識し、どのようにする事で痛みが増強したり、痛みが軽減したりするのかを個別的に把握していく必要があります。

(松原 貴子、沖田 実、森岡 周:ペインリハビリテーション:三輪書店:2011)


(伊藤 和憲:図解入門よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book):秀和システム:2011)


※関連記事
関連:天候と痛みの関係
関連:ゲートコントロールにより軽減する痛み
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皆さんは今までにお腹が痛くなった時、無意識にお腹をさすっていて、痛いのが少しまぎれて、軽減した経験はありませんか?これはゲートコントロールによるものです。

痛いところの周辺を「さする」事で痛みが軽減する現象は、実際には脳の中の注意がそれるとかそういう事ではなくて、脊髄レベルでの痛みの抑制システムが働いてるという事なのです。

そもそもこのゲートコントロール説は、1965年にMelzackとWallが最初に発表しました。

ゲートコントロール 昔 ブログ用

上図がそのモデルですが、脊髄後角には痛みの門番としてゲートを守る膠様質細胞(SG)と中枢に情報を伝えるT細胞があります。

痛みを伝えるAδ線維C線維などの細い神経線維が興奮すると、門番であるSG細胞が抑制されるためにゲートが開き、T細胞を介して痛みがダイレクトに脳に伝わります。

しかし、触覚などを伝える太い神経線維であるAβ線維が興奮すると、門番であるSG細胞を興奮させてゲートを閉じ、T細胞に情報が伝わらないようにする仕組みが発動します。これによって痛みを脳に伝えなくさせるというのが当時のゲートコントロール説でした。

現在の考え方は、下図のようにSG細胞の抑制を行う場所がシナプス前抑制ではなく、T細胞そのものを抑制する事が分かってきました。

ゲートコントロール ブログ用

以上のメカニズムにより、脊髄レベルでの鎮痛が生じているのです。実際に痛いところの周囲をさする患者さんは多いですが、気持ちの問題とかではなく、ちゃんと意味のある事なんですね。

(伊藤 和憲:図解入門 よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book):秀和システム:2011)

天気と痛み ブログ用

臨床の現場で良く耳にする訴えとして、「天気が悪くなると痛みが強くなる」という訴えや、「雨が降るとなんとなく調子が悪い」という訴えがあります。

実際には、雨が降っている最中よりも、雨が降る前に、特に調子が悪くなる傾向にあります。

これには気圧の変化が影響しているのです。

低気圧が近づくと、気圧が徐々に下がってきて、雨が降ります。この時に気圧が下がった際に、耳の中にある内耳のセンサーがそれを感知し、視床下部を通じて交感神経活動が亢進します。

交感神経の活動の亢進によって、神経末端からノルアドレナリンと呼ばれる物質が血中に放出され、痛みを感じる神経や、一部の侵害受容器を刺激します。

さらに、ノルアドレナリンは血管収縮に関わったり、血液中のマクロファージや肥満細胞を活性化させ、ヒスタミンやTNFαと呼ばれる物質を放出し、痛みを感じる神経を刺激します。

また、副腎皮質の活動を亢進させ、アドレナリンを分泌することによって痛みを感じる神経を刺激します。

こういった以上のメカニズムによって、天気が悪くなる時に痛みの程度が強くなる方がおられます。

(伊藤 和憲:図解入門 よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book):2011)

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