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理学療法士が臨床上、良く遭遇する「関節可動域制限」ですが、制限を確認した際に、その後どうのようなアプローチをしていけば良いのでしょうか?

関節可動域制限を確認した際に、どのように評価・治療を行っていくのかは下図の通りになります。

関節可動域制限の評価と治療

関節可動域の分類として、Cyriaxは「収縮要素」「非収縮要素」に分けられるとしています。

「収縮要素」としては、筋、腱、それらの骨への付着部が制限となっている場合です。収縮要素が原因となっている場合は、マッサージやストレッチング、筋筋膜リリース、神経系モビライゼーションを実施します。

また、併用して温熱療法、電気刺激療法、超音波療法、光線療法などの物理療法を行うと効果的です。

「非収縮要素」としては、関節包、靱帯、滑液包、筋膜、硬膜、神経根などが制限を生じている場合です。非収縮要素が原因となっている場合は、関節モビライゼーションや関節マニピュレーションを実施します。

軟部組織モビライゼーションや関節モビライゼーションを行い、その後獲得できた可動域を筋でコントロールできるよう、十分にエクササイズを行います。

(高橋 哲也:“臨床思考”が身につく 運動療法Q&A (理学療法NAVI):医学書院:2016)


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ゆるみの位置としまりの位置

「ゆるみの位置(ゆるみの肢位)」と、「しまりの位置(しまりの肢位)」という言葉を聞いたことがありますか?

ゆるみの位置とは、Loose-packed position(LPP)といい、関節面が最も離開している位置であり、関節に生じるストレスが最小になる肢位(関節角度)です。

しまりの位置とは、Close-packed position(CPP)といい、靱帯や関節包が緊張し、関節面が密着して固定されている位置です。最も関節が安定している肢位でもあります。

それぞれ、関節の密着度により分けられています。なぜ、こういった肢位を考えなければならないのでしょうか?

関節モビライゼーションの手技を行う上で、離開法・滑り法はゆるみの位置で行う必要があります。なぜなら、しまりの位置では関節包・靱帯の緊張が高いため、関節がロックした状態となりモビライゼーションを行っても効果がありません。なので、十分関節の動きを出していくためにはゆるみの位置でモビライゼーションを行う必要があるのです。

そのほか、しまりの肢位では関節は機能的に安定しているので、肢位を保つために必要な筋力は最小限ですみますが、ゆるみの肢位では関節の適合性が悪いために、肢位を保持するために筋力が必要となります。

どういう事かというと、膝関節は完全伸展位(しまりの位置)では内側・外側側副靱帯により側方安定性が保たれていますが、軽度屈曲位では大腿筋膜張筋などによる緊張を高めておかないと、膝が立脚で動揺してしまいます。高齢者の軽度膝屈曲位のおばあちゃんなんかは大抵、大腿筋膜張筋の緊張が高いですよね。

(市橋 則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際:文光堂:2014)


(中山 孝:ビジュアルレクチャー理学療法基礎治療学I 運動療法:医歯薬出版:2012)


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理学療法を実施する上で、関節可動域訓練は動作障害、ADLの低下に対してのアプローチに必要になります。

我々は関節可動域制限の制限因子を考察し、それに対してアプローチしていかなければいけません。

関節可動域制限 ブログ用

関節可動域の制限因子

≪理学療法による介入が可能な制限因子≫
○皮膚の癒着・瘢痕

皮膚による制限の場合、主に手術の術創部周囲、外傷での傷、熱傷などの後では、皮膚に瘢痕が形成されて肥厚して硬くなったり、筋膜などの周辺組織とくっつきやすくなり、癒着が生じやすくなります。

こういった制限の場合、ROM最終域では皮膚の表面が突っ張ったような感触を感じ取ることができ、患者さんも「皮膚が突っ張って痛いです」というような痛みの訴えが多いです。皮膚が見た目にもぱつんと張っています。評価の際には感染による危険性に注意しなければなりません。

○関節包や靱帯の癒着・短縮

関節周辺部の手術後や、外傷、また、関節を長期間動かさなかった事(不動)による原因が多いです。患部の固定や臥床による不動によって関節包や靱帯が癒着したり、短縮したりします。

この場合のエンドフィールは最終域にて非常に硬いエンドフィールで、可動域全般では抵抗を感じず、最終域にて急に抵抗感を感じます。患者さんは最終可動域で、痛みを感じる事は少ないです。

○筋・腱の短縮

術後の安静や外傷、患部の固定や長期臥床などによる不動によって生じる組織学的な変化であり、骨格筋内のコラーゲン線維の形態や性質、リモデリングが影響すると考えられます。

最終域に関節が向かうほど患者さんは徐々に伸張感を感じ、弾力のある軟部組織伸張性のエンドフィールとなります。患者さんは最終域において比較的痛みの訴えは強くありません。

臨床において、関節可動域制限の制限因子の中で、最も割合が高いとされています。

○筋緊張の亢進

中枢神経系の問題による痙縮や固縮など、末梢神経性の制御機構の問題、筋スパズムなどの持続的な筋緊張の亢進状態がある事によって、ROM制限となります。

筋スパズムとは?こちら⇒筋スパズム(spasm)とは?

こういった制限の場合は、コラーゲン線維架橋などの構造的な短縮は無いとされています。可動域全般で何らかの抵抗感が生じる事が多く、筋スパズム性の場合であれば、可動域初期から患者さんは伸張痛などの強い痛みを訴える事が多いです。

○腫脹や浮腫などによる制限

関節内外の炎症や手術侵襲によって、生じる浮腫や腫脹によってROM制限が生じます。浮腫や腫脹が強い状態では、最終域において弾力のある軟部組織性の制限となります。

浮腫などの浸出液は、線維素が多量に含まれる事で、周辺組織の線維化を促進し、拘縮を発生させやすくなってしまいます。二次的な可動域制限を予防していくためにも、浮腫の軽減を目的に介入する必要があります。(寒冷療法、弾性包帯による圧迫、ハドマー、患部の挙上、筋ポンプ作用を促すための運動など)

炎症による浮腫や腫脹である場合、関節を動かす際には痛みを生じる場合が多く、動かす際は痛みによる防御性収縮が生じて可動域制限の増悪にならないように注意して動かさなければなりません。

○関節包内運動の障害

関節内外の様々な因子によって、関節内の構成運動や関節の遊び運動(joint play)が障害される事によるROM制限です。最終域では患者さんの痛みの訴えは少ないです。エンドフィールの抵抗性は様々です。

≪理学療法による介入が不可能な制限因子≫
○骨性の制限・骨の衝突

関節取り巻く構成体の変形(リウマチによる骨変形など)や、関節面の適合が不整な場合、骨棘の形成などに見られます。最終域まで他動的に動かすと、コツっと突然ぶつかったようにロッキングを起こします。

こういった場合には、関節可動域訓練は禁忌となります。理学療法の対象外となるため、治療方針として代償動作の獲得とADL指導が中心となります。

レントゲンなどを併用しながら確認していくと良いでしょう。

○関節内の損傷(半月板・関節内遊離体など)による制限

膝の半月板損傷、野球肘などによる関節内遊離体(関節鼠)などの場合においては、他動的に最終域まで動かすと、跳ね返るような抵抗感を感じます。

こういった場合も、可動域を徒手的に改善する事はできません。無理に行うと痛みや炎症を引き起こし、逆効果となってしまいます。Dr.と相談の上、外科的な処置が必要な場合があります。理学療法の対象外です。

○炎症症状による痛み

(中山 孝:理学療法基礎治療学I 運動療法 (ビジュアルレクチャー):医歯薬出版:2012)


(市橋 則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際:文光堂:2014)


(解良 武士:運動療法学 (15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト):中山書店:2014)


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現場において、ストレッチを実施される方は多いと思います。

しかし、実際にはただ漫然とストレッチを行っていませんか?とりあえず、患者さんをプラットホームに横にならせて、何も考えずにストレッチされている方はいませんか?

何のためにストレッチを行っているのですか?

理学療法士は、必ず施行する際には適応を考え、何に対して行うべきなのかを考えなければいけません。

まず、どういった病態に対してストレッチが適応となるのかを記していきます。

ストレッチ

○関節可動域制限

まずはこれですね。我々は関節可動域制限があると、それが何性の制限かを考察します。関節拘縮の場合、病変部位によって皮膚性拘縮、筋性拘縮、靱帯性拘縮、腱性拘縮、関節性拘縮に分類されます。この中でストレッチングの適応となる関節拘縮は筋性拘縮です。

また、筋性拘縮の他に筋スパズムもストレッチングの対象となります。筋スパズムは不動・不活動によって慢性的に筋収縮が生じている状態であり、こういった筋に伸張性を出していくことが大切になってきます。

以上の事から、関節可動域制限に対するストレッチングのターゲットは即時的な効果として過剰な筋収縮の抑制、長期的な効果として、筋・筋膜の器質性変化の改善であり、これらが総じて骨格筋の伸張性の向上やスティフネスの低下、関節可動域の改善をもたらすと考えられます。

○疼痛

疼痛が生じている場合も、ストレッチングの適応になる場合があります。

そもそも、疼痛には急性痛と慢性痛がありますが、ストレッチングの適応となるのは筋・筋膜に由来する慢性痛であり、筋が器質的・機能的に変化して慢性化した筋・筋膜痛症候群が対象となります。

疼痛に対するストレッチングのターゲットは、過剰な筋収縮の抑制と、それに伴う局所循環の改善であり、これらが総合して疼痛の緩和をもたらすと考えられています。

○筋損傷

筋損傷の予防としての場合にも適応となります。

筋損傷とは、筋組織が耐えられる限界を超えた負荷(強さ・量)を受けた時に生じます。その他、打撲や骨折、虚血や薬剤投与、火傷や凍傷、除神経などでも筋損傷は生じます。代表的な例としては、肉離れや遠心性収縮によって生じる遅発性筋痛(DOMS)が挙げられます。

筋損傷に対するストレッチングの目的として、遠心性の収縮による運動で生じる筋の張力や、急激な筋長の変化に対して、事前に骨格筋の伸張性を向上させスティフネスを低下させる事で、筋損傷を発生率を下げる予防的な役割を果たします。

○筋萎縮

筋萎縮とは、一度正常に発育した骨格筋の容積が、何らかの原因で縮小した状態と定義されます。

臨床においても、ベッド上の安静期間が長期にわたる方や、ギプス固定が長かった方などは、筋萎縮が生じて筋力が低下する方をよく見かけます。

筋萎縮に対するストレッチングの目的として、骨格筋に対してメカニカルストレスを加える事で、筋構成タンパク質の合成能を促進し、分解能を抑制する事で筋萎縮の進行を抑制する事ができます。

(鈴木 重行:ストレッチングの科学:三輪書店:2013)



では、実際にストレッチングをする際には、何に気をつけていく必要があるのでしょうか?

●ストレッチングの時間に対する考え方

スタティック・ストレッチの場合、ストレッチングの効果が出現するのにどのくらいの時間伸張しなければいけないのでしょうか?現在、一定した結論は出ていませんが、IDストレッチングでは約10~20秒間の持続伸張で、Ⅰb抑制によって筋の伸張性が高まるとしています。

●どの筋から始めていくのか

ストレッチングを行う際には順序があります。例えば、表層筋の筋緊張が亢進している状態で、深層筋のストレッチングを行おうとすると、表層筋に痛みや伸張反射を助長する事になり、逆効果となります。原則として表層筋から始め、深層筋へと進めていきます。また、一般的に近位筋は遠位筋による運動を固定する役割があり、緊張しやすいのでストレッチングは近位筋から遠位筋へと進めていきます。

●どのくらいの力で伸ばしていけば良いのか

ストレッチングはゆっくりとした速度で行い、過度に伸張しないように注意します。過度な身長は筋腱移行部の微細な断裂を伴い、痛みとともに伸張反射が亢進し、余計に筋緊張が高まってしまいます。ストレッチングの強度は、個人のその日の筋緊張に応じて判断していかなければいけません。

(鈴木 重行:IDストレッチング:三輪書店:2006)


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体幹 回旋 ブログ用

臨床では、関節可動域制限が生活活動の主な阻害因子になりえたりします。われわれ理学療法士は関節可動域制限に対してアプローチしていくことも大切ですが、なぜ可動域制限を生じたのかを考える必要もあります。それを踏まえて可動域制限が生じないように考えていく必要もあります。

今回は、どのような影響によって関節可動域制限が生じるのかについて考えていきます。

○年齢の影響

臨床においては高齢になるほど、関節可動域制限が多く発生している事を経験します。加齢によってどのような器質的な変化があるのかというと、関節周囲の結合組織の中の主要構成成分であるコラーゲンが変化する事が、主な原因と考えられています。

また、結合組織だけでなく、加齢により筋量そのものが減少したり、筋力発揮をつかさどる運動単位数が減少する事により筋力低下が生じ、この事が関節の不動状態を作り出し、二次的要因として可動域制限をつくりだします。

○罹患期間の影響

脳血管疾患の患者さんで、急性期と回復期において、急性期では4割の方が関節可動域制限が認められたのに対し、回復期では9割の方に関節可動域制限が認められ、この事から罹患期間が長いほど関節可動域制限が生じる事が認められています。

これは脳血管疾患の場合、痙性や痛みによる筋スパズムによって関節の不動が惹起される事に加え、健康な状態よりも身体活動が低下し、関節の不動化が長期化する事によって可動域制限が生じるものと考えられます。

○日常生活活動能力の影響

先行研究において、日常生活活動能力が低いほど関節可動域制限の発生やその程度が著しくなる事が示されています。

○麻痺ならびに痙縮の影響

Shimadaらの調査結果において、痙縮の存在が関節可動域制限の発生に関連する事が示されており、痙縮の発生してそれが継続する事により、関節の不動状態が長期化し、関節可動域制限を生じさせる事が考えられています。

○痛みの影響

急性痛にしても慢性痛にしても、脊髄後角は感作状態にあり、この影響で運動神経が刺激され、筋スパズムという状態をつくってしまいます。この状況が持続すると関節の不動状態となり、関節可動域制限の発生や進行を招いてしまいます。

痛みの増強によってさらなる可動域制限を生じる事もあるでしょう。

○浮腫の影響

関節可動域制限の発生に関しては、浮腫の影響があります。

外傷後の炎症期においては、末梢血管の透過性の亢進により、損害部周囲は組織液が貯留して、同時に好中球やマクロファージ、線維芽細胞などの細胞湿潤も見られこれらにより結合組織の増生が惹起されます。このような状態が継続すると、その周囲の軟部組織は低栄養、低酸素状態に強いられ、壊死を生じこれを貪食する目的で細胞湿潤も活発となります。特に、筋線維はこの影響を受けやすく、再生が困難な場合には消化された筋線維を置換するように結合組織の増生が見られます。つまり、浮腫の発生によって関節可動域の制限につながります。

また、炎症期にはほぼ必ず痛みを伴いますが、マクロファージなどから産生される炎症性サイトカインは痛みの増強を生みます。浮腫のみにより関節の不動を生むというよりも、痛みと併存する事で関節の不動状態が生じ、それが関節可動域制限につながります。

(沖田 実:関節可動域制限―病態の理解と治療の考え方:三輪書店:2013)



以上の影響を踏まえ、関節運動の制限因子は何かを詳しく考察していきます。

○関節内因子

・関節面の変化(軟骨損傷、退行性変性、関節破壊など)
・骨片や軟部組織(半月板、滑膜ひだなど)の嵌頓
・関節線維症
・関節血腫や水腫による内圧亢進
・関節包や関節嚢、脂肪体、靱帯の癒着・短縮

○関節外因子

・皮膚、脂肪体、筋、靱帯、腱などの癒着・短縮
・異所性骨化
・骨の変形(アライメント異常)

○力学的因子

・痙性、固縮、筋スパズムなど

○その他

・疼痛、精神的影響など

(奈良 勲:骨関節理学療法学 (標準理学療法学 専門分野):医学書院:2013)


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