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Timed Up and Go test(TUG)は、立位や歩行における動的バランスを評価する指標として、簡易的に行える評価の一つです。

TUGは1986年にMathias et alによって、高齢者のバランス能力評価用に開発された「Get up and Go test」に、Podsiadlo et alが改良し定量的な評価に修正したものです。

もともとは高齢者のバランス能力の評価として開発されましたが、整形疾患や内部疾患、中枢神経疾患の対象者の動的バランスの検査として広く受け入れられています。

方法としては、肘かけ付き椅子から立ち上がり、3mの歩行を行い方向転換して椅子に戻るまでの一連の動作に要する時間を計測します。歩行速度は原法では快適速度と規定されています。

原法では快適速度となっていますが、Shumway-Cook et alは最大速度にて報告しています。これは、快適速度の説明がうまく伝わらない場合や、快適速度のとらえ方にばらつきがあるためとしています。

計測したタイムも重要となりますが、一連の動作の中での動的バランスを評価するので、下肢や体幹の筋力や協調性、方向転換に必要な立ち直り反応など総合的な評価が重要となります。

ここで、準備する椅子ですが肘掛け付き椅子とされていますが、肘掛けが無い椅子ではタイムが遅くなると言われているので計測の際は注意が必要です。また、椅子の座面の高さは44~47cmが適当とされています。

また、計測を行う際に履物や床面の状況によりTUGの時間が変化すると報告されているので検査条件の統一を図る必要があります。

基準値ですが、神経学的に問題がない健常高齢者においては10秒以内に可能であり、20秒以内であれば屋外外出可能、30秒以上であれば起居動作やADLに介助を要するとされています。

Shumway-Cook et alは転倒リスクの予測の感度や特異度が87%と高く、転倒予測のカットオフ値として13.5秒と報告しています。

実際に、このTUGの評価を行う対象者はテスト内に歩行や立ち上がりを含んでいるため、歩行が自立レベルに近い方でないと評価するのは難しいと考えられます。

(内山 靖、小林 武、潮見 泰蔵:臨床評価指標入門―適用と解釈のポイント:協同医書出版社:2003)


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関連:転倒予防のエビデンス
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APAという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

APAとは「先行随伴性姿勢調節」の事で、来るべき運動に伴って生じるであろう身体動揺・外乱を見越して、それらを最小限に抑える運動に先行する姿勢調節のための筋活動の事です。

例えば、リカちゃん人形を立たせたまま腕を上げようとすると、上肢の重みでリカちゃん人形は前に倒れてしまいます。これは上肢の重みを体幹や下肢で支える事ができないので前に転倒してしまいますが、我々はそうはなりません。

上の写真の女の子は、上肢を前方にリーチしていますが、上肢を挙上するほんの少し前に体幹などの姿勢保持に関わる筋の活動が生じます。

つまり、「上肢を挙上する」という課題に対して、上肢を挙上する外乱においてどのくらいの姿勢調節のための活動が必要なのかを無意識的に見積もり、運動による不安定性に備えているのです。このフィードフォワード・システムこそがAPAです。

APAには、pAPAaAPAの2つの構成要素からなります。

pAPAは、主運動から0.1秒以上も前から活動を開始して、運動にて生じる不安定性に備えるAPAです。

aAPAは、主運動開始0.1秒前から0.05秒後の間のAPAです。このAPAは運動自体からのフィードバックを受けません。

こういったシステムが我々の日常生活で無意識に機能しているのですが、APAはある要件を満たしてしまうとその機能が減弱して、運動パフォーマンスが低下してしまいます。

APAのシステムを減弱させてしまう要素は以下の4つです。

①外部の固定されたバーを握ったりした堅固な姿勢

手すりなどにしっかりつかまって運動する場合、その手すりが安定性の拠点となってしまいます。こうなると外乱を補償するフィードフォワード・システムは必要なくなるため、APAは減弱します。

これは、平行棒やベッド柵、車椅子のアームレストをつかんで運動する事でも同じことが言えます。

②細い梁の上など、極めて不安定な状態で運動した場合

不安定な状態で運動する、すなわちCOGの真下にCOPを入れ込むという作業です。運動というより姿勢保持がその主目的となりますが、COGとCOPの一致感覚がAPAのダウン・レギュレーションの感覚になると考えられています。

③上肢活動を伴わない、静的座位

車椅子の背もたれに寄りかかった姿勢や、椅子の背もたれによりかかった姿勢では、体幹の筋活動はほとんど生じず、APAシステムは減弱してしまいます。ただ、そのような姿勢の中でも上肢を動かした場合はそれが外乱となるので、補償的にAPAは賦活します。

つまり、背もたれに寄りかかり上肢を動かさないでいると、APAが減弱してしまいます。

④身体内部において、努力的過剰筋活動による固定部位がある場合

グローバル筋や末梢部位を過剰に使う事によって、相反的にローカル筋が抑制される事になってしまいます。この状態では腹内側系のシステムが抑制されている状態であり、APAも抑制されている事を示します。

APAを賦活するためにも上記の①~④にならないように、課題設定や環境設定をしていく必要がありますね。

(丹波 真一、山岸 茂則:運動の成り立ちとは何か―理学療法・作業療法のためのBiNI Approach:文光堂:2014)


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関連:身体図式(body schema・ボディースキーマ)と身体イメージ(body image・ボディーイメージ)
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われわれセラピストは、短い治療時間の間に適切に評価し、この患者さんが一人で歩けるのか?付き添いが無ければ歩けないのか?など判断していかなくてはいけません。

今回は、立位保持能力がどれだけできるかによって、歩行がどこまでできるかを大まかに判断する基準を考えていきます。

立位保持能力と歩行能力との関連 ブログ用

以上の表から・・・

○片脚立位が保持できれば、概ね屋外歩行自立レベル

○継ぎ足位が保持できれば、屋外歩行自立の下限・概ね屋内歩行自立レベル

○閉脚位保持可能であれば、屋内歩行自立の下限のレベル

以上のように大まかなスクリーニングが可能です。ただ、この結果は立位保持能力からみた一側面でしかないので、歩行能力がどの程度あるかはこれを元に、詳しく評価していく必要があります。

(奈良 勲:姿勢調節障害の理学療法 第2版:医歯薬出版:2012)

Functional Reach(FR):機能的上肢到達検査は、現在臨床の場面で多用されていると思われます。バランスを計測するパフォーマンスに基づく検査として開発されました。

Functional Reachの基準値については以下の通りです。

年齢:20~40   男性:42.4±4.8cm、女性:37.1±5.6cm
年齢:41~69   男性:37.8±5.6cm、女性:35.1±5.6cm
年齢:70~97   男性:33.5±4.1cm、女性:26.7±8.9cm

以上のように報告されています。

また、カットオフ値として、到達距離が15.3cm未満で転倒の危険が高くなるとされています。

(内山 靖:臨床評価指標入門―適用と解釈のポイント:2003)



また、Functional Reachの測定結果と歩行能力の関連として以下の報告もあります。

functional+reachと歩行能力 ブログ用

(望月 久:Functional Reach Testと前後方向重心移動能力および歩行能力との関連性:東京都衛星局学会誌:2000)



FRTの年齢別の基準値としては、以下のように言われています。

年齢:20~40歳  基準値:35~43cm
年齢:41~69歳  基準値:33~40cm
年齢:70~87歳  基準値:25~33cm

(田口 孝行:理学療法 (Vol.29 No.4) 特集 バランス障害の理学療法 2012 年 4 月号:メディカルプレス:2012)

バランス 玉乗り
実際の臨床の場面において、バランス能力の評価を行うに当たっては、みなさんセラピストはどのような評価項目を行っておられるでしょうか。

もちろんすべての方が画一的な方法で評価を行っている事はなく、動作からその方に必要な項目を行っておられると思います。

今回は、近年取り上げられる機会の多い以下の3種類のパフォーマンステストに着目し、検討を行います。

①Functional Reach(FR)
②Timed Up and Go Test(TUG)
③Fanctional Balance Scale(FBS)


①Functional Reach(FR)

FRは、高齢者のバランス測定のために、Duncanらにより提唱されたテストです。検査自体はとても簡単で、腰幅程度の開脚立位をとって上肢を90°挙上位とした後に、できるだけ前方にリーチ動作を行い、その時の最大移動距離を測定します。

一方で、バランスとは、静的バランスが「支持基底面が維持されて、質量中心のみがうごいているもの」で、動的バランスは「支持基底面および質量中心が、ともに移動・変化するもの」とされています。

このことから、FRは静的バランスの指標となるわけですが、動的バランスに基づく歩行との関連を示した報告も少なくありません。ただ、静的バランスは機能性は評価できても、日常的な動作の中での評価になっているかと言えば難しいと言わざるを得ません。日常的な生活の中では外乱負荷に対する応答、支持面が変わる中での随意運動など、さまざまな条件下でのバランスの推測が必要となり、FRだけでは難しいと思われます。

②Timed Up and Go Test(TUG)

TUGは、バランス障害をもつ高齢者の移動能力を評価するため、Podsiadloらにより提唱されたパフォーマンステストです。検査は、対象者が椅子から立ち上がり、3mの直線距離を歩行した後に方向転換してもとの椅子に戻り、着座するまでの時間を測定するものです。このテストによって、下肢・体幹の筋力、協調的な筋活動、立ち直り反応、下肢の支持性など複合的なパフォーマンスを評価できるとされています。しかし、このテストは動作に要した時間という特異的側面のみで判定されます。

日常生活においての歩行では確かに歩行スピードが求められる場面も出て着ると思いますが(例:横断歩道を渡る、自動ドアをすり抜けるなど)、もともとのADLで歩行スピードが低い患者さんは、自立判定にいつまでたってもならない、なんて事になるので、歩行の自立判定を行うにはこの場合は他の判断要素があるようです。

③Fanctional Balance Scale(FBS)

FBSは高齢者のバランス能力を把握するための指標として開発されたものです。日常生活に関連する14項目の動作課題を行い、その安全性、所要時間、距離の要素で5段階(0~4点、計56点満点)で判断するものです。

この評価は、座位・立位での静的な姿勢保持能力とともに、動作時のバランス能力の評価が可能とされています。歩行能力との関連を示した報告も多いです。ただ、臨床の現場においてはこの検査は14項目もあるので、要領よく行っても15~20分はかかるため、忙しい現場においては難しくなるでしょう。

それぞれの評価で、どのような情報を知ることができるのか把握しておく必要があると思われます。

(井上 和章:“ながら力”が歩行を決める 自立歩行能力を見きわめる臨床評価指標「F & S」:2011)


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関連:Timed Up and Go test(TUG)

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