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高齢者を始め若い方でも、脳卒中後遺症や整形疾患など、さまざまな障害により、自宅内移動時にバランスを崩したり、転倒のリスクが生じる場合があります。

特に、階段昇降時や敷居を跨ぐ際、前にかがんだり車椅子への移乗の時などにつかまる物が必要となりやすいです。

そういう場合に「手すり」の設置は動作を安定して行え、安全に生活ができる住環境整備の一つの手段です。

◎手すりの形状

基本は円形の手すりですが、手指に障害のある方や、関節リウマチの方の場合、手すりを握りこむ事が困難になるために上部が平坦な面の平手すりを使用するのが良いとされています。この平手すりは肘や上腕部をのせて使用します。

◎手すりの直径

階段や廊下で使う手すりの場合は、直径は36~40mm程度が望ましいとされます。これは、手すりに手を滑らせながら軽く握りながら移動する使用方法であるため、ある程度の太さがある方が、安心感があるためです。

トイレや浴室で使用する手すりの場合は、直径は28~33mm程度が望ましいとされます。これは、使用する際にしっかりと握りこんで、親指と中指が軽く重なる程度の細さの方が安心感があるためです。

◎手すりの材質

廊下や階段、トイレで使用する際の手すりの材質は、握りこんだときに冷感を感じさせない、木製あるいは合成樹脂製のものが望ましいとされます。

浴室で使用する手すりの場合は、耐水性が求められるために、合成樹脂製のものが基本となります。

また、屋外で使用する手すりは、様々な天候に耐えられる素材である必要がありますが、金属製の場合は夏季の日照りによって熱くなりやすいため、表面を樹脂被覆した製品を選択する必要があります。

◎手すりの色

手すりの色は周囲の壁の色と上手く調和させながらも、簡単に見分けがつく色にしなければいけません。バランスを崩した時にとっさに目で見て確認して把持しやすい物でないといけないからです。

手すりの取り付けの位置 ブログ用

◎手すりの取り付けの位置

手すりを取り付ける際の基本の高さは、床面から上端までが750~800mmとなりますが、もちろん患者さんの身長や、身体状況の応じて高さは設定していきます。

リウマチの方などの場合の平手すりの時は、肘や上腕部をのせて使用していくため、基本は床から平手すりの上端までが850~900mmの高さとなります。

また、手すりの壁からの出幅は、手すりを握った時に手掌が壁に当たらないよう、30~50mmあけるのが基本です。

さらに、階段の手すり取り付けにおいて、建築基準法上750mm以上の幅員が必要で、手すり全体の幅が100mm超えないよう、通行の妨げにならないよう気をつけなければいけません。

◎手すりの取り付けの実際

壁下地がせっこうボードの場合、その上から直接手すりを取り付ける事は、強度上不可能です。

通常の住宅で、浴室以外の壁下地はほとんどせっこうボードであるため、方法としては、柱や間柱を利用して補強板を取り付け、その上から手すりを取り付ける必要があります。

(野村 歡,橋本 美芽:OT・PTのための住環境整備論:2012)


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階段の整備 ブログ用

実際の階段自体を整備することは少ないですが、階段を新しく設置していく場合には昇降しやすい階段に整備する必要があります。

つまり、対象者が安定して連続昇降が行えるような蹴上げ(階段一段ごとの高さ)、踏面(階段一段ごとの奥行き)、幅員を確認して、整備案を検討します。

①蹴上げ
 蹴上げの高さは安全に昇降できるように、高さは均一とし、屋外階段の蹴上げは110~160mm程度が望ましいとされています。蹴上げの高さを低くすると、階段の段数が増加するために、このことを考慮して整備を進めていかなければいけません。

②踏面
 踏面は靴を十分にのせることができる奥行き以上のものとします。高齢者が利用しやすい一般的な踏面の寸法は300~330mm程度です。踏面は各段とも均一な幅となるのがよく、階段が曲がる部分は踊り場を設置し、三角形の形状の踊り場は避けた方がよいとされています。

③幅員
 幅員の目安は800~900mm程度とし、階段の幅員は均一にした方が良いです。狭すぎる幅員は昇降においての安全面が低く、避難の際に支障となります。

(野村 歡,橋本 美芽:OT・PTのための住環境整備論:2012)

PT・OTが実際に自宅に伺い、家屋改修の提案を行い、環境整備をしていくことが臨床ではよくあります。

浴室内に関しては、病院からの退院後にシャワーチェアを使い、浴室で洗体を行う事がよくあります。また、家族の方の介助のもとに入浴を行う場合もあり、そのために浴室内の扉が開閉できないという問題が、臨床の場面では非常に多いです。

浴室の扉の改修 ブログ用

浴室の扉は、脱衣所側に水や水滴が漏れたりするのを防ぐために、内側に開くようになっています。外側に開く扉はありません。

基本的に外側に開くように改修はしません。(例外はありますが、お勧めはできません)

なぜ、脱衣所の床が濡れるといけないかというと、水分が床下にしみ込んで建物を傷める危険性があるからです。

浴室内の折れ戸への改修 ブログ用

そのために引き戸を折れ戸に変更することで、扉の開閉時に浴室側の出っ張りが少なくなります。

ただ、状況によっては折れ戸にできない場合もあるので、同席している建築業者に相談します。

折れ戸でも十分な場所が確保できない場合、引き戸への改修を行う事で十分な浴室の広さも確保できます。

また、折れ戸では引き戸に比べてやや大がかりな工事が必要になる場合が多く、ユニットバスではユニットバスごと交換しないといけない場合もあります。

そのほか、最も簡単な方法として、浴室の戸を外して浴室の内側にシャワーカーテンをつけるという方法もあります。公営住宅や賃貸マンションに住んでおられる方で、改修工事ができない場合で、やむを得ずこの方法を行うケースもあります。ただ、公営住宅でも交渉次第で改修工事ができる事もあるので、相談も必要かと思われます。

しかし、自宅改修を行う上ではこの方法をとるケースはほぼないと思われます。扉がなくなることに抵抗感が強い方も多く、脱衣所が濡れやすくなるためです。

家屋改修を行う上では、まず本人・家族の承認が必要であり、そのうえで提案をしていき、両者が納得できる環境調整を行う必要があります。

(岡村 英樹:OT・PT・ケアマネにおくる建築知識なんかなくても住宅改修を成功させる本:2007)


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