Photo Gallery

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
心臓

狭心症に対するリハビリテーションは、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012)」で、狭心症状を改善させるとして推奨されています。

さらに心臓リハは、心筋梗塞に限らず、不安定狭心症や安定狭心症、冠動脈インターベンション後、 冠動脈バイパス術(CABG)後や心不全など様々な心臓疾患において有用で効果的であるとされています。

しかし、狭心症の心臓リハに関しては、明確な運動プログラムはないというのが現状です。

理学療法の現場でも、狭心症を合併し、そのために運動後に「つかれました。」とか「胸のあたりが苦しいです。」など胸部症状がでて、なかなかリハビリが進まないという事がよくあると思います。

運動療法を適切に行う為に、何のために運動療法を行うのかをはっきりさせ、狭心症の状態を評価し、運動プログラムを組んでいくことが臨床では大切になると思います。

狭心症に対する心臓リハの効果としては、以下の項目が挙げられます。

①運動耐容能の改善
 狭心症患者に対して運動療法を行う事で、狭心症発作回数が減少すると言われています。運動療法によって、末梢の骨格筋が強化されることによって、虚血閾値が高まり、狭心症発作を軽減させます。また、血管拡張能の反応改善によって冠動脈灌流が良くなり、運動耐容能を改善させると考えられています。

②不安定プラークの安定化
 動脈硬化には炎症反応が影響を及ぼしている事が報告されています。運動療法によるメタボリックシンドロームやインスリン抵抗性の改善が炎症反応の抑制に働き、冠動脈硬化病巣を安定化させ、プラーク破綻を防止し、急性冠症候群を防止することが考えられています。

③血管拡張能の改善

以上の心臓リハの効果を理解し、狭心症の運動療法プログラムを立てていきますが、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012)」に基づいて設定していきます。

運動強度は、虚血所見が出現する80%程度を上限とし、ATレベル、Karvonenの式、自覚的運動強度:Borg指数11~13を目標とします。

Borg指数 ブログ用

運動内容としては、持久運動をメインに行い、ストレッチング、レジスタンストレーニングなども含め、運動耐容能の60%以下で虚血徴候が出現しない強度であれば、他の運動や軽いスポーツなども良いとされています。

ただ、不安定狭心症は運動療法を禁忌とすべきです。特に、悪化型で48時間以内に安静時狭心症が頻発するものについては、心筋梗塞へ移行する確率が高いため、必ず薬物、あるいは冠動脈インターベンション(PCI)などを施行して安定化を待ってから運動療法に入らなければなりません。

(上月正博:心臓リハビリテーション:2013)


※関連記事
関連:慢性心不全の方のリハビリテーション
関連:高齢者に激しい筋トレをさせるのは危険?
スポンサーサイト
臨床では心不全をもつ患者さんは多く、心不全があることで運動負荷がかけられなかったり、十分な訓練ができず、動作獲得が困難になったりと、非常に難しい疾患の一つだと思います。

昔は、心不全患者さんの薬物治療の中心はジギリタス薬利尿薬でしたが、現代ではレニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬β遮断薬を中心とした薬物治療の時代となり、心不全の予後は大きく改善してきました。

ただ、これらの薬物治療があっても心不全の方の予後は悪く、薬物治療のみでは心不全の治療と予防には限界があります。

昔は、心不全患者の治療原則は安静である!と言われていましたが、最近は多くの臨床研究から心不全患者であっても、運動療法を行う事により運動耐容能予後が改善することが報告され始めているのです。

心不全に対する運動療法の効果 ブログ用

これらから、代償された安定期にある慢性心不全に対して運動療法を実施することで、多くの良い効果が得られることが報告されてきました。

心不全の方は、運動後に「息が苦しい感じがします」とか、「ちょっと歩いたら疲れました」など、労作時の呼吸困難や易疲労性があり、これらの症状は心不全の運動耐容能の低下を示す特徴的な症状です。

しかし、運動耐容能と左室収縮機能との相関は低く、運動耐容能は骨格筋の筋肉量の減少や血管拡張能の低下および、代謝異常などの末梢因子の影響が大きいと考えられています。

つまり、心不全の患者さんへの運動療法は障害された心臓に「もっと働け!」と促すものではなく、自律神経機能や体液性因子の改善、骨格筋の血流や代謝の改善、換気パターンを含む呼吸状態の改善がされることによって、全身状態が良くなっていくというメカニズムになっているのです。

実際に、心不全の方に運動療法を開始する前には、適応と禁忌を評価しなければなりません。

初期の運動強度の決定に際しては、自覚症状・左室機能・血中BNP濃度・運動耐容能をメインで考慮して慎重に開始していきます。

特に、血液データから、BNPが200~400pg/ml以上にある症例では、ごく低強度による運動療法から開始して、心不全の増悪がないか症状を注意深く観察しながら行っていきます。

「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012)」による運動処方によると、運動強度の決定には、

①心拍数予備能を用いる方法
②最高酸素摂取量や嫌気性代謝閾値を用いる方法
③自覚的運動強度を求める方法
④安静時心拍数をもとにした簡便法

などがあります。

運動開始初期は、5~10分間の運動を15~30分の休憩をはさんで、2回繰り返す程度にとどめることが望ましいとされています。

また、初期の1カ月は毎週、自覚症状や体重の増減などの経過を比較していき、可能な限り胸部X線、血中BNP、できれば心肺運動負荷試験や、心エコー検査などで評価していくことが望ましいと思われます。

(上月正博:心臓リハビリテーション:2013)

入浴

心不全などの心血管系の疾患がある方は多く、そういった方はどのようにして入浴動作を行っていくかが重要なポイントとなります。入浴は清潔を保つだけでなく、リラックスをもたらす生活の楽しみとしても日常生活で必要な動作であります。

入浴動作は心血管系に負担のかかる動作でありますが、病態によりどこまでできるかはやってみないと分からない事もあるので、入浴動作指導を始め、家族指導をどうしていくかはリハビリテーションの臨床の現場でも非常に難しい事となります。

①温熱の影響
温熱により血管は拡張します。動脈が拡張して末梢血管抵抗は低下し、血圧は下がります。
左室後負荷が軽減して左室駆出率は上昇し、心拍出量は増加します。また、末梢血管抵抗低下による血圧低下のため、圧受容体反射を介して頻脈となり、さらに心拍出量が増加します。

②静水圧の影響
静水圧は、体表面積1㎠、深さ1㎝で1gの圧力となり、入浴すれば深さに応じて静水圧が体表面にかかることになります。
深い入浴であればあるほど、静水圧によって血管が圧迫され、末梢血管抵抗が増加し、心臓への静脈還流量の増加で左右心内圧が上昇し心負荷が増大します。

静水圧によって胸郭や、腹部も圧迫されてしまう為、心不全や呼吸器不全のある患者さんは半身浴からはじめ、肩や背中はかけ湯をするか、タオルをかけるようにする方が安全と考えられます。

③入浴の運動量
入浴動作は浴槽につかることの他に、着替え・体を洗う・浴槽の出入りなどの一連の動作が含まれます。

41℃のお風呂に10分間入浴して深部体温が1.0~1.2℃上昇した時のエネルギー消費量は1.3~1.5METSと言われていますが、着替え・体を洗う・浴槽の出入りなども含めた一連の入浴動作では4~5METSと早めの歩行(時速5km)と同程度の運動強度となりますシャワー浴では3~4METS程度で普通の歩行(時速4km)と同じと言われています。

以上のことをふまえて心血管系に負担のかからない入浴方法としては・・・

1.適温:39~41℃(42℃以上及び34℃以下は不可)
2.時間:40~41℃の場合で10分を限度
3.深さ:胸下までの半身浴や半座位での入浴が心負荷は少ない。
4.入浴時の労作:更衣や浴槽の出入りはゆっくり行う。重症度によっては介助が必要となる。
5.その他
・出浴時の起立性低血圧に注意してゆっくり立ち上がります。
・入浴後にコップ1~2杯の水分を摂取する。
・高齢者の場合は転倒防止の滑り止めマットの設置や、安全確認のための声掛けなどしていく必要がある。
・入浴時は皮膚刺激を少なくするためにかけ湯をしてから入浴する方がよい。
・脱衣所が寒くならないように暖房を入れておくなどの工夫が必要。


(上月正博:心臓リハビリテーション:2013)

<症例>
85歳
男性
労作時息切れなどあり
心臓カテーテル検査を実施。
冠動脈重症3枝に対して心拍動下冠動脈バイパス手術を施行。
ope翌日には人工呼吸器から離脱し、PT開始となります。
Dr.の指示のもと早期の理学療法開始となり、離床を進めていきます。

<PT前の確認事項>
・昨日までの全身状態(看護記録、Drからの情報)
・ドレーン、ルート、人工呼吸器など付属類
・呼吸循環動脈(血圧・脈拍・心拍数・SpO2・心電図など)

<ベッドサイドでのPT前の手順>
・高齢で脳梗塞のリスクも高いために、ope中は血圧低下に十分注意を払っている。
 ope後は神経症状なども見られず、予定通り人工呼吸器からの離脱も行えている。
 積極的なリハの実施をDrより指示あり。
 胸部X線上、心胸郭比の増加、胸水の貯留が認められます。
・中心静脈カテーテル
 スワン・ガンツカテーテル
 末梢動脈カテーテル
 左右の胸腔ドレーン
 心嚢ドレーン
 心電図モニター
 酸素投与
 膀胱留置カテーテル
 などの付属品類が挿入されています。
 カテコールアミンなどの薬剤投与量を座位耐久性練習前に確認します。
 ちなみに、本症例は、ドパミン塩酸塩(DOA)、ドプタミン塩酸塩(DOB)ともに4ml/時
・BP 146/68、P 86、心電図上は心室性期外収縮の散発が認められています。
 SpO2 100(酸素60%、10L、マスク)
 心係数3.3L/分/㎡
 肺動脈楔入圧9mmHg
 尿量も確保されている状態です。


さぁ、この状態の患者さんを起こしていきます!



この記事は続きます・・・後日へ

(嶋田 智明,斉藤 秀之,有馬 慶美:ベッドサイド理学療法の基本技術・技能 (臨床思考を踏まえる理学療法プラクティス) :2013)


WHAT'S NEW?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。