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駆動軸調整 ブログ用

モジュール型の車椅子は駆動輪が調節できるようになったものが多いです。

安定した座位の調節が行えたら、そのあとに調節したりしますが、駆動輪の軸位置は何を意味するのでしょうか?

たいてい重心の位置はホイールベースの中心に近い所にありますが、駆動輪の軸と重心を近づけることで、車椅子は軽い力で操作できるようになります。

これは、小さい車輪より、大きい車輪の方が走行時の抵抗が少ないためです。つまり、大きい車輪の駆動軸の方に荷重を大きくすることで、走行時の抵抗を軽減し、よって軽く動くとということです。

ただ、その分車椅子の後方への転倒のリスクが伴いますので、転倒防止の車輪をつけるなどの対処が必要となります。

(光野 有次,吉川 和徳:シーティング入門―座位姿勢評価から車いす適合調整まで:2007)


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ROM(関節可動域)制限がある方は車椅子の座位保持が困難になる場合があります。

臨床の場面ではROMを十分に評価し、適切なシーティングを行う事によって不適切な姿勢保持による二次障害を防いでいくことが大切であると思われます。

例えば、座位保持で過度な円背の状態でいると、胸郭の動きを制限して呼吸機能を低下させたり(呼吸器疾患の人は特に要注意ですね)頚椎の過伸展をしたままだと、食事の時などに誤嚥を引き起こしたり体幹の過度の側屈や回旋など左右非対称の状態のままだと、変形や異常筋緊張の促通を引き起こしたり足関節の内反尖足があるのにも関わらず、無理やりフットサポートにのせることでクローヌスを誘発させたり仙骨座りを長時間続けることで坐骨結節部の褥瘡を発生させたり・・・

関節可動域の制限を無視したシーティングは様々な弊害を生み出すことになりますので、注意が必要です。

今回は、特に代表的な股関節の屈曲制限と、ハムストリングスの短縮による仙骨座りの発生要因について記したいと思います。

まず、股関節の屈曲制限についてですが、これは股関節疾患が有る・無いに関わらず、寝たきりの方は、股関節が骨盤の代償なしに90°以上屈曲しない人が結構多いです。

股関節90°以前で骨盤の後傾が起こる方は、座位をとった時には骨盤後傾し、仙骨座りになってしまうため、骨盤の後傾が始まる直前の股関節屈曲角度を測定し、それにあわせた分だけ、バックサポート角をつける(リクライニングをする)必要があります。

どういう事かというと、仮に後傾が始まるのが80°からであった場合、バックサポート角は100°にするという事です。

ROM制限による仙骨座り ブログ版

ただ、バックサポート角をつけただけで、シート角が水平のままだと、坐骨結節部には座面前方への剪断力が作用しているため、仙骨座りになってしまいます。

そこで、ティルトをかけて座面を後方に傾けて仙骨座りを予防しなければいけません。


次に、ハムストリングスの短縮についてですが、特に寝たきりの方で、ハムストリングスの短縮や過緊張が多い印象がありあす。

こういう方は、車椅子で座位保持を行い、膝を伸展させると、股関節屈曲によって、ハムストリングスの起始・停止が伸張してしまい、坐骨結節が前に引きだされ、仙骨座りとなってしまうケースです。

ハムストリングスの短縮 ブログ版

対処としては、レッグサポート角を調整し、膝の屈曲角度を多くしたり、リクライニングでバックサポート角を多くとったり、それによってシート角(ティルト)をかけたりして調整していく必要があります。

ハムストリングスが伸張されている時は痛みや不快感が出ている場合が多いので、患者さん本人の訴えも聞きながら、注意して調整していく必要があります。

(光野 有次,吉川 和徳:シーティング入門―座位姿勢評価から車いす適合調整まで:2007)


臨床の場面では患者さんに、端座位保持を行っていただいて、大まかにこのタイプの方にはこの種類のタイプの車椅子が合っているだろうと判断していきます。

もちろん、併存疾患や変形の程度により、例外もありますが、おおよそこのような判断ができます。

まず、患者さんをプラットホームマットなどの沈み込みの少ない台の上に端座位をとっていただきます。

この時、足底面はしっかり床面を支持できている位置に置きます。

これにより・・・

①手の支持なしに座位保持可能
②自分の手で支えれれば座位保持が可能
③体幹の支持がなければ座位保持ができない

のいずれかに分類されます。

①手の支持なしに座位保持可能

この場合は、瞬間的に両上肢を上げて座位保持が部分的に可能という事ではなく、端座位姿勢のままある程度の時間、安定して座位保持ができている状態を指します。つまり、体幹の抗重力伸展活動が十分に行えているかどうかを評価するという事がポイントになってきます。

この状態で座位保持が可能な方は、身体寸法と用具の寸法に適合していることと、座面の圧力分散が適切にされていれば、標準型の車椅子で十分であるという事になってきます。

②自分の手で支えれれば座位保持が可能

この場合は、片手あるいは両手を座面につくことで安定して座れている状態を指します。また、これも手の支持があれば瞬間的に座位保持ができるというものではなく、ある程度の時間安定して座れていることが条件になります。

この場合の患者さんは、食事などの上肢活動を要求する場面で困難となっている場合が多いです。

この分類の対象者の方が座位保持をとるために、バックサポートやクッションの装着、適切に抗重力伸展活動を促すためにシート角や、バックサポート角の調整ができるモジュール型の車椅子などが必要になってくると思われます。

③体幹の支持がなければ座位保持ができない

この状態は、体幹や頭部の支えがなければ、座れない状態です。こういう方は、起居動作に関して全介助に当たることが多いと思われますが、できるだけ、体幹・頭頚部の支持力を引き出しつつ、保持がしっかり行える状態にしていくことが大切になってきます。

車椅子のタイプとしてはティルト機構や、リクライニング機構を活用していく状態であると考えられます。


(光野 有次,吉川 和徳:シーティング入門―座位姿勢評価から車いす適合調整まで:2007)


ティルト・リクライニング

ティルトとは座面と背面の角度が一定で重力に対して、角度が変わることを指します。
リクライニングとは座面と背面の角度の変化を指しています。


◎リクライニング

角度調節の目的として、起立性低血圧の防止や、座位などでの疲労を軽減する目的で使用されていました。ただ、座背角度の回転中心と、搭乗者の股関節の回転中心と一致しないために、背部にずれが生じ、褥瘡になりやすく、角度を変えるたびに姿勢が崩れやすいのです。

また、殿部の除圧機能はリクライニングにはもっていません。

しかし、近年リクライニング時のズレをなくす目的で、回転中心を一致させる機構、背支持が身体の動きに合わせて動く機構をもつ車椅子が出てきています。

臨床の現場で処方する際には背フレームに対して背支持位置が深すぎると上肢操作を妨げたり、褥瘡のリスクもあるので注意します。

◎ティルト

目的としては障害児の姿勢保持や高位頚髄損傷者の除圧や、高齢者の車椅子からのずり落ちを防止するために使用され始めました。

座角度を上げることは、車椅子からのずり落ちを防止するためには有効な手段となる。ただ、後方に倒れすぎると頭部支持が必要となり、食事や机上動作に困難さが生じる可能性がある。また、ティルトの状態のままだと立ち上がりや移乗もしにくくなります。

ティルトを使用することで、座部から背部に荷重を分散でき、除圧機能を持つことができます。

臨床の現場でティルトの適応になる場合としては、座位保持が困難で、体幹の支持力がない方や、垂直な座位で変形が強くなるリスクがある方、長時間の座位保持で軟部組織の損傷・褥瘡の発生の危険性がある方、姿勢に関係した低血圧や、心不全などの循環不全、座位耐久性が低い方、呼吸機能が低下した方に適応があると思われます。

(廣瀬秀行、木之瀬隆:高齢者のシーティング 第2版;2006)

車椅子 セッティング

車椅子は単に良い姿勢をとればよいというものではなく、移動や介護、生活動作などそれぞれの目的に合わせていくため、各寸法が大きい場合と小さい場合で、利点と欠点を述べていきます。

①バックサポートの高さ
高い場合
・ハンドリム操作時のバックサポートによって肩甲骨や背フレームによって上肢の動きが阻害される。
・背の安定性が増加する。
・車椅子が高く、重くなり、収納・持ち上げに影響してきます。
・介護者が介助する場合に、前方が見えにくくなる場合がある。

低い場合
・背の後方安定が低下する。円背を起こす可能性をもつ。
・車椅子が低くなり収納が容易になる。
・ハンドリムの操作時に肩甲骨の動きが容易にできる。

②座シートとフットサポートの距離
短い場合
・大腿が上がり、坐骨部への荷重が増加。坐骨部の褥瘡のリスクは増加する。
・大腿が外旋または、内旋を起こしやすく、それに伴い足部が内反または、外反を起こす。
・足部の負担は増加する。

長い場合
・大腿下部後面の圧迫↑
・体全体の前方すべり(仙骨座り)が起きやすい。
・尖足になりやすくなる。

③座幅
広い場合
・ハンドリムの操作が困難
・車椅子の全体の幅が大きくなり、通路幅の広さが必要となる。
・安定を得ようと骨盤が傾きやすい。
・皮膚への剪断力が増加する。

狭い場合
・殿部や大腿部が接触し、褥瘡や不快感を起こす。
・クッションの性能が低下する可能性がある。
・車椅子の全体幅も小さくなり、狭い幅も通過できる。

④バックサポートの角度
大きい場合
・視線が上を向いた状態となり、正面を向く時は、頭頚部を屈曲しなければならない。
・食事や机上の動作が困難となる。
・頭部支持が困難となる。

小さい場合
・腹部、そして呼吸の圧迫

⑤アームサポートの高さ
高い場合
・ハンドリムの操作を困難とする。
・肩が上がり、不快感を感じる。

低い場合
・米国では前腕支持がない。大腿上に手を置く場合もある。

⑥座奥行き
長い場合
・長時間の座位で仙骨座りになりやすい。
・シートの前縁が下腿に接触し、不快感を発生させ、膝後部への圧迫や神経圧迫の原因となる。

短い場合
・坐骨部に圧が集中し、褥瘡のリスクが増大。
・安定性の低下

⑦座角度
大きい場合
・大腿が屈曲し、体幹が後方に倒れ、座が安定する。
・体幹が後方に倒れ、頭を直立位にするため、背が円背になる。

小さい場合
・滑り落ちやすい
・足が床につきやすいと同時に、足での操作効率を上げる。

⑧座面高
高い場合
・重心が高くなり、車椅子全体の転倒リスク↑
・机へのアプローチ困難
・立ち上がりしやすい。

低い場合
・床へのアプローチがやりやすくなる。
・机に入りやすい。

以上の点を考慮し、臨床の現場では車椅子をチェックし、人それぞれに合わせた選定を行う必要があります。

(廣瀬秀行、木之瀬隆:高齢者のシーティング;2006)


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