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末梢動脈疾患(PAD)は手足などの末梢の動脈に何らかの原因(糖尿病、高血圧、高脂血症など)によって動脈内の血行不良が生じる病態です。

PADの内で、動脈硬化を基盤とした閉塞性動脈硬化症(ASO)という概念があります。現在では下肢の詰まりとしては動脈硬化症がほとんどを占めているので、PADとASOはほぼ同義の概念と捉える事が多いです。

臨床においても、高齢者を中心に下肢の血行不良を呈する患者さんは多いと思われます。初期には無症候性の場合が多いですが、動脈の詰まりが進行してくると痺れや歩行時の足の痛みなど、動作障害につながることもあります。足に傷ができた時は、足の傷が治りにくくなるため、注意が必要です。

そもそも、バージャー体操というのは、アメリカの内科医バージャー(Buerger)により、末梢循環障害に対する運動療法の1方法として考案されました。下肢の挙上と下垂を繰り返して反射性充血を促し、側副血行路形成の目的の体操です。

昔からこのバージャー体操は知られていますが、臨床の現場においてこの体操を実施されている方はどのくらいおられるのでしょうか?

教科書では以前から記載されており、国家試験にも出題されるこの体操ですが、臨床的な効果は実際にどれくらいのものなのでしょうか?適応の方には試してみて、効果を再検証してみても良いのではないでしょうか?

以下の図の3つの種類の体操を繰り返します。

バージャー体操 ブログ用

バージャー体操の手順

①背臥位にて下肢を1~3分間、60~90°の高さに挙上させ静脈血を下降させる。
⇒障害が重度であれば足部が蒼白になる事が多いようです。

②座位で下肢を下垂して3~5分間、反射的充血・発赤が十分に生じるまで待つ。
⇒端座位のままじっと待っても良いですが、この時に足関節の底屈・背屈の運動など(バージャー-アレン体操)を行っても良いそうです。

③背臥位(水平位)で3~5分間保持する。
⇒この状態で、下肢をホットパックなどで温めると良いそうです。

①~③を1セットとして行い、1回に10セット、1日に数回行うと良いとされています。

結構、やっていると時間がかかりますが、これだけやると下肢の血流が良くなりそうな感じはありますね。

エビデンスに関しては以下の通りです。

○末梢循環改善因子

・1884年にThomaが側副血行路の形成とその発達、成熟の存在を証明した。

・Abransonらは、健常者の場合には自動運動、抵抗運動は使用筋の血流を増加させ、運動後もしばらく増加し続けていると報告しています。

○バージャー体操の効果

・Wishamらは、健常者でも末梢循環障害のある患者でも、バージャー体操を行っている間および運動後の筋血流の増加は見られなかったものの、患者によっては、一連の肢位の違いによる血流の違いが血管反応性を高めるために、バージャー体操が有効だったという報告がある。

効果として明確な作用機序については確定はしていないため、断定はできませんが、患者さんによってはいい方向に転じる可能性がありますね。実際に試してみる価値はありそうです。

(植松 光俊、大川 祐行:運動療法学テキスト (シンプル理学療法学シリーズ):南江堂:2015)


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大殿筋 1

大殿筋は臨床上、非常に重要な役割を果たし、抗重力筋として姿勢保持にも作用するとともに、萎縮の起こりやすい筋の一つでもあります。今一度、大殿筋の機能とその促通方法まで記したいと思います。

起始:仙骨後面側方、腸骨翼後殿筋線の後方、胸腰筋膜と仙結節靱帯

停止:殿筋粗面、腸脛靱帯

神経支配:下殿神経

作用:股関節伸展と外旋、上部筋束は股関節外転、下部筋束は股関節内転に作用する

と教科書的には記されています。

実際に超音波にて大殿筋の収縮動態を確認すると、次の様な事が分かりました。

○大殿筋上部線維は、股関節伸展・外転運動に伴い、内側に移動する。

○大殿筋中部線維は、股関節伸展運動に伴い外側へ移動する。

○大殿筋下部線維は、股関節伸展・内転運動に伴い、上方に移動する。

では、この収縮動態をもとに、運動療法はどのようにしていくのが良いかというと・・・

大殿筋全体的に賦活したい場合は、単純に股関節伸展運動で良いかとは思いますが、特に大殿筋上部線維の場合は、股関節伸展・外転運動を行い、それに伴い徒手的に筋腹を内側にアシストすることで、さらに収縮を強調できます。また、大殿筋下部線維の場合は、股関節伸展・内転運動に加え、徒手的に筋腹を上方にアシストすることでさらに収縮を強調することができます。

(工藤 慎太郎:運動療法の「なぜ?」がわかる超音波解剖 [Web動画付]:2014)


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キッキング ブログ用

臨床では誰もが行ったこのあると思われるキッキングですが、メインとしては下肢の粗大筋力向上のために行っている方が多いかと思います。

ただ、キッキング動作においてキッキングの方向によって筋活動は変化します。

上図において、AとCは蹴る方向のラインと股関節の距離で、BとDは蹴る方向のラインと膝関節の距離ですが、

距離が、A>Bの場合、膝関節のモーメントアームが小さく、股関節のモーメントアームが大きくなるため、股関節伸展筋が有意に活動するキッキングとなります。

逆に、D>Cの場合、膝関節のモーメントアームが股関節のモーメントアームより大きくなるために、膝関節伸展筋が有意に活動するキッキングとなります。

臨床ではキッキングする方向に注意して、獲得したい動作につなげていくために、目的の筋を活動させる訓練をセラピストが判断していく必要があります。

(市橋 則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際:2014)


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リハビリテーションやスポーツでのエクササイズはCKC(閉鎖性運動連鎖)OKC(開放性運動連鎖)に分けられます。

われわれが日常生活で行っている動作としては、両方の構成要素を組み合わせたものになります。

 CKCとOKCを使い分けてエクササイズを行う目的としては、運動様式や筋骨格系への力や負荷のかかり方が違ってくるからであり、損傷部位への負担や、強化したい部位へ適切なエクササイズ行う為に使い分ける必要があります。

下肢のリハビリテーション、特にACL損傷後のトレーニングにおいてCKCとOKCの比較検討がされています。

○CKCとは

 CKC(closed kinetic chain)は、四肢の末端(遠位端)が固定された状態で、自重による抵抗運動を行う事です。多関節運動の動きに対応しています。例としては立位でのスクワットやプッシュアップの動作、歩行時のstance phaseなどになります。

○CKCの特徴

 CKCでは運動時に共同的な筋収縮が起こることで、関節の動きを安定させます。ただし、目的とする筋に対して選択的に介入調整をすることは難しいです。

 CKCでは、特有の関節の圧迫力・筋の共同収縮によって、求心性受容器の活動が増加して、神経系の効果が期待できます。

CKCではOKCよりも脛骨の前方移動が少ないことが分かっています。要因としては同時収縮によって関節が固定されるためです。

 健常者においてはOKCよりもCKCの方が筋力増強効果に関連性があると言われています。しかし、脳卒中片麻痺患者では比較検討された報告は少ないです。

○OKCとは

 OKC(open kinetic chain)は、四肢の末端(遠位端)は固定されておらず、末端が自由に動く運動の事です。単関節運動の動きに対応しています。例としては、座位での膝伸展の運動、歩行時のswing phaseの状態となります。

○OKCの特徴

 同時収縮が乏しく、日常生活動作で見られるパターンが少ないですが、目的の筋を選択的に収縮させることができます。ただし、日常生活において上肢の動作はほとんどOKCです。

○ACL再建術後の初期のリハビリテーション

 OKCよりもACLに負担の少ないCKCでの介入が多いですが、必要に応じて大腿四頭筋の刺激を行う為にOKCで選択的に介入することもあります。CKCでは代償動作が起こりやすく、誤った使用方法での学習をしてしまう可能性があるので注意しなければいけません。正確な動作方法の獲得をしなければ、再受傷の可能性があるからです。


OKCとCKCトレーニング ブログ用

(嶋田 智明:よくわかる理学療法評価・診断のしかた―エビデンスから考える:2012)



また、他書では以下のように述べられています。

○OKCの特徴

・身体の遠位が動く
・単独の関節が動く
・動くのは関節の遠位の肢節である
・主動作筋が主に活性化される
・免荷肢位で行われる
・動く肢節遠位に抵抗がかかる
・回転モーメントは筋への伸張負荷となる
・外力を使った安定化が必要
・筋肥大を目的に行う

○CKCの特徴

・遠位部は支持面と接している
・相互依存型の関節運動である
・遠位部・近位部の両方または単独で動く
・多数の筋群が活性化される
・一般的には荷重肢位で行われる
・抵抗は他部位に同時にかかる
・軸負荷を利用する
・筋活動、関節圧迫による内部安定化が生じる
・協調性を高める目的で行う

(中山 孝:理学療法基礎治療学I 運動療法 (ビジュアルレクチャー):医歯薬出版:2012)



○開放運動連鎖(OKC)

・神経的因子の強化よりも筋肥大が得られる
・目的の筋をピンポイントで鍛える事ができる
・荷重制限のある時期にも行える
・ADLやスポーツ動作など、実際の動作とは異なる筋の使い方でのトレーニングとなるため、特異性の原理に基づかない事がほとんどである。

○閉鎖運動連鎖(CKC)

・特異性の原理に基づいて行う
・実際の動作と近い関節運動となり、筋の協調的運動が必要となる
・同時に複数の筋が使われるので、強化したい筋が上手く使われない可能性があり、その場合、目的外の筋が代償的に強化されてしまうという欠点がある

(解良 武士:運動療法学 (15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト):中山書店:2014)


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近年リハビリテーションの分野においても、コアスタビリティ、スタビライゼーショントレーニング、スタビリティなどの言葉をよく耳にします。

スタビリティ(スタビライゼーション)とは安定化や固定と訳されます。

トレーニングの用語としてスタビライゼーションとは3つの必要な要素があり、日常生活動作におけるパフォーマンスアップ・けがの予防に重要です。

①関節の回転軸の安定
②関節の固定
③動作の安定

上記の固定を獲得するために、体幹を固定する感覚を養成するためのエクササイズを以下に記します。

Ⅰ:ドローイン
ドローイン ブログ用

ドローインは腹横筋に自分で力を入れることができるようにする筋再教育エクササイズです。基本的な運動になります。

Ⅱ:ドローイン クアドラプト
ドローイン クアドラプト ブログ用

ドローインと同じく腹横筋の収縮を促すエクササイズになります。ドローインをさまざまな姿勢で行えるように、四つ這いやうつ伏せで行います。この方法は、内臓の重さが腹横筋への負荷になります。

Ⅲ:ドローイン アームバイブレーション
ドローイン アームバイブレーション ブログ用

ドローイン アームバイブレーションは腕を動かしながら腹横筋を促通するエクササイズです。

Ⅳ:バックブリッジ
バックブリッジ ブログ用

バックブリッジは、体幹背面の脊柱起立筋や大殿筋メインで働かせて、体幹を固定するエクササイズです。
この時にお尻の上げすぎで腰椎前弯が強くなりすぎると、腰痛の原因になるので注意します。
応用のエクササイズとして、バックブリッジ レッグブリッジがあります。バックブリッジが十分に行えたらこのエクササイズも行うと良いと思われます。

Ⅴ:サイドブリッジ
サイドブリッジ ブログ用

サイドブリッジは体幹側面の腹斜筋群や腰方形筋、脊柱起立筋、中殿筋が働くことで体幹固定を行うエクササイズです。

Ⅵ:フロントブリッジ
フロントブリッジ ブログ用

フロントブリッジは体幹前面の腹直筋や、腸腰筋、大腿直筋が働くエクササイズになります。

また、Ⅳ~Ⅵのトレーニングは安定して行えるようになれば、ドローインした状態で行うと、腹横筋を働かせたままのエクササイズとして行えます。

(石井直方:体幹トレーニング・メソッド コア 本当の鍛え方。:2011)


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