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相反神経支配という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「相反神経支配」はイギリスのSherringtonによってつくられた言葉です。

Sherringtonは主動作筋の興奮と拮抗筋の抑制が、脊髄レベルでの機序で四肢に同時に起こる事を相反神経支配と定義しました。

相反神経支配には「相反抑制:Ⅰa抑制」、「反回抑制:レンショウ抑制」、「自原性抑制:Ⅰb抑制」の3つの抑制作用があります。

この脊髄レベルで生じるシナプス抑制機構は、リハビリテーションの臨床を考える上での基礎知識であり、治療を考える上では必ず知っておかなければならない内容です。

有名な中部学院大学の林典雄先生が、「このシナプス抑制機構を知らないPTは、PTをするな!!」というくらい非常に大切なメカニズムです。確かにこのメカニズムを知らなければ、どうやって筋緊張を落としているかが説明ができませんもんね・・・。

シナプス抑制 ブログ用

①Ⅰa抑制:相反抑制

まずは相反抑制ですが、これは主動作筋を収縮させると、拮抗筋には抑制的に作用する神経機構の事をいいます。

主動作筋が収縮する事によって筋紡錘からのⅠa群線維が、抑制性介在ニューロンを介して、拮抗筋の運動ニューロンに抑制的に働く作用をさせます。

例えば、臥位でSLRにて大腿直筋や大腿四頭筋の収縮により、ハムストリングスには抑制的に働くというものです。

②反回抑制:レンショウ抑制

反回抑制は、主動作筋が作用する際には、主動作筋および同じ神経で支配される筋には抑制として働き、拮抗筋へは促通に働く神経機構です。

レンショウ細胞が障害され、反回抑制が不十分だと、関節の選択運動を困難にするとされています。

反回抑制は緊張と弛緩を伴う円滑な運動を可能にし、諸関節の複合運動による巧緻運動の選択性の再獲得に重要です。

③Ⅰb抑制:自原性抑制

自原性抑制とは、静止時に筋腱移行部のゴルジ腱器官の伸張刺激によって、求心性のⅠb線維が抑制的に作用する機構です。

代表的な例としては、スタティックなストレッチです。

(古澤 正道:脳卒中後遺症者へのボバースアプローチ〜基礎編〜 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)運動と医学の出版社:2015)


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筋緊張の因子 ブログ用

我々はこの地球上で、「重力」という力に抗して直立二足で立って歩いたり、手を伸ばしたり、様々な動きをします。そのためには、人間は中枢神経系にて姿勢・動作時の筋緊張をコントロールしながら、動作を円滑に安定して行う事ができているのです。

座った姿勢で手を伸ばして物をとる時も、体幹の筋活動を上げて体幹が崩れないように反応しながら手を伸ばし、それでも目標物に手が届かない場合は、体幹の筋活動をもっと上げてさらに遠くへ手を伸ばすための安定性を得るために、体幹筋の筋緊張をコントロールしているのです。

こういった筋活動はMMTでは表現できませんが、臨床においては、姿勢時・動作時の筋緊張は適切に評価していかなければいけません。

中枢神経系における筋緊張のコントロールは、大脳皮質、基底核、小脳、脳幹、脊髄などのそれぞれのレベルが働いており、状況や環境に応じてコントロールされています。

臨床においては、「あれ、この患者さん先週より、筋緊張が上がってきてしまっているぞ。」とか、「先日より、低緊張が増してきているな、何故だろう。」あるいは、「こういう風にすると筋緊張が落ちてくるな」などという場合があります。セラピストは筋緊張に影響を与えている因子について検討していかなくてはいけません。

○筋緊張に影響を与える因子

①固有感覚制御
②覚醒・注意・意識
③フィードバック・フィードフォワード
④視覚刺激・聴覚刺激
⑤味覚・嗅覚
⑥知覚・認知
⑦精神症状(認知症)・記憶(想起)
⑧温度覚(体温・室温など)、痛覚
⑨自律神経症状
⑩支持面の状況
⑪筋の粘弾性・速筋・遅筋
⑫軟部組織の短縮(廃用・不動)
⑬バイオメカニクス
⑭加齢・成長・体重
⑮性差
⑯表現型
⑰既往症
⑱感情・情緒

以上の因子が考えられます。

②覚醒・注意・意識についてですが、特に、脳幹網様体にある上行性賦活系の働きにより、筋緊張はコントロールされています。

③フィードバック・フィードフォワードについてですが、反応的動きをフィードバックコントロールと言い、予測的動きをフィードフォワードコントロールと言い、環境や課題に応じて準備的に筋緊張を変化させます。また、末梢からの感覚情報を元に筋緊張を変更していきます。例えば、目の前に物があり、それに対してリーチして持ち上げるという課題があるとすると、準備的に下肢・体幹・肩甲帯の筋緊張を物の重さに対して活動を上げていきます。どのような課題(task)を与えるかによって筋緊張は変化するため、効率よく予測的なフィードフォワードコントロールを促すには、その患者さんの職業で行っていた動作や記憶にある課題を行う事が良いと思われます。

⑩支持面の状況についてですが、支持面とは人と外部環境との接触面の外縁を結んだ面の事です。支持面が広ければ広いほど筋緊張の働きはわずかでよく、支持面が狭いと筋緊張が高まりやすくなります。つまり、支持面を変化させることにより、筋緊張を変化させることができるのです。

⑯表現型についてですが、姿勢・動作パターンは長年行ってきた職業や、生活習慣、環境に影響されてきます。その人が取りやすい姿勢や、行いやすい動作によって、高まりやすい筋群が筋緊張の高くなる部位となります。脳血管障害となると高まりやすい筋群の表現型がさらに強調され、筋緊張が高まりやすくなります。

⑰既往症についてですが、以前患った病気が現在の姿勢・動作パターンに影響している事です。例えば、足部の外傷などによって、足関節背屈制限が出現したとします。そうすると歩行パターンは立脚期で下腿を前に出すことができないので、股関節屈筋で振り出しを代償するようになりやすくなります。そういった既往を持つ方が、脳血管障害となり片麻痺となると、過剰努力となっていた股関節屈筋の要素が筋緊張として現れやすくなります。

⑱感情・情緒についてですが、大脳辺縁系が情動をつかさどっていますが、筋緊張との関連があります。学校の授業でもつまらない話し方の先生の授業は退屈で、姿勢も不良姿勢になりがちですが、自分の不得意な授業でも面白く、分かりやすく説明される先生の授業では、生徒の姿勢も良く、熱心に耳を傾ける傾向にあると思います。これと同じように、我々セラピストの声掛けや、基本的態度の程度が患者さんの筋緊張に影響する事があります。

(斉藤 秀之、加藤 浩:筋緊張に挑む―筋緊張を深く理解し、治療技術をアップする! (臨床思考を踏まえる理学療法プラクティス):文光堂:2015)


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筋スパズム(spasm)は筋攣縮とも言い、定義としては筋の痙攣が生じて筋内圧が上昇し、同時に血管のスパズムも生じて虚血が生じている状態の事を言います。

筋内圧の上昇により、筋内の血管が圧迫され虚血状態になると、そこから発痛物質が拡散し、痛みを生じてきます。

実際の臨床の場面でも、有る部分の筋がカチカチになっており、動かしたり、押さえたりすると「痛いです」という訴えを聞く事がよくあります。これは、脊髄反射によって、持続的な筋の痙攣が生じて、筋にグーッと力が入っている状態の事の場合が多いです。

筋スパズムは筋の痙攣が生じている事ですが、一般的に痙攣というと筋がピクピクなっている状態を想像しますが、脊髄反射によって持続的な筋緊張の増加なので、ずっと力が入っている様な状態です。

今回は、筋スパズム(spasm)のメカニズムについて記していきます。

まず、関節周囲の組織に何らかの物理的刺激(手術侵襲などによる刺激)や、化学的刺激(炎症などによる刺激)が加わる事で、侵害受容器が反応し、その信号が脊髄内に入ります。その後は、脳に痛みとして伝達されるものと、脊髄反射を介して末梢へ伝達される経路に分かれます。

筋スパズムに関連するのはこの脊髄反射を介する方ですが、交感神経に関与する節前線維に作用して、血管の攣縮を引き起こし(上図)、前角細胞のα運動線維に作用して、筋の攣縮を引き起こすもの(下図)があります。

筋スパズムのメカニズム ブログ用

以上のようにして、血管と筋の攣縮を引き起こす事で、局所循環を停滞してしまう事により、筋細胞は虚血に伴い、組織が変性してしまいます。それによって、生じる発痛関連物質が感作する事で疼痛運動制限を引き起こしてしまいます。

筋の虚血状態 ブログ用

この筋スパズムをそのままにしておくと、脊髄反射が反復して起こる事となり、悪循環となり、関節拘縮をつくってしまう原因となりかねないのです。

では、これが筋スパズム(spasm)だとどうやって見分ければ良いのでしょうか?

筋スパズムだと確認するために3つの所見を評価します。

①圧痛所見の有無

筋スパズムの生じた筋は、まずこれが出現します。なぜかというと、筋細胞外に発痛関連物質が放散し、高域値機械受容器やポリモーダル受容器の閾値が低くなるために、圧迫も侵害刺激として受容してしまう為です。なので、ぐっと筋を押した時に痛みが生じていれば、筋スパズムの可能性が高いです。

②伸張位と弛緩位の緊張の程度

筋スパズムの生じている状態は、脊髄反射により持続的な痙攣が生じているので、関節肢位がどの肢位でも筋緊張は高くなっており、筋を弛緩させる肢位にしても筋緊張はグーッと高いままです。また、筋を伸張位にすると、緊張はさらに増加するため疼痛が生じやすいです。

筋スパズムとは逆に、筋の短縮であれば、伸張位で筋緊張は高くなり、弛緩する肢位にすると筋は弛緩します。

③筋力低下と等尺性収縮時痛の有無

筋スパズムが生じている筋は、筋萎縮は認めないものの、筋力の発揮が十分に行えず、筋力低下を認めます。

また、筋内圧の上昇している状態の所に、さらに強い等尺性収縮をかける事で、疼痛が出現します。

(赤羽根 良和、林 典雄:肩関節拘縮の評価と運動療法 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ):運動と医学の出版社:2013)


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臨床を見ていく上で、筋緊張が高くなる現象を多く目の当たりにすると思います。その原因とメカニズムについての知識はセラピストは常に念頭に置く必要があります。

これまで、脳血管障害後の片麻痺による筋緊張亢進(痙性)はγ系の機能亢進によるγ固縮が主な原因と考えられていましたが、近年はむしろγ固縮は少なく、脊髄レベルでの介在ニューロンの変性や、Ⅰa線維の側芽などが原因だと考えられています。

筋緊張亢進の原因 ブログ用

◎筋緊張亢進の原因

<反射性要因>

①γ機能亢進(γ固縮)

通常は、γ線維の中枢部を錐体路が抑制している状態ですが、脳血管障害が生じることによって、錐体路の抑制が取れると解放現象としてγ線維の機能が亢進し、Ⅰa線維を介して筋を緊張させます。

②α機能亢進(α運動ニューロンへの興奮性入力の増大)

γ運動神経を選択的に遮断しても筋緊張が低下しない状態で、上位中枢からα運動線維に対して直接的に促通性の信号を出しているために筋緊張が亢進します。

③筋紡錘受容器の感受性上昇(閾値低下)

固有受容器である筋紡錘そのものの感受性が何らかの原因で異常が生じることで、Ⅰa線維を介して筋緊張を亢進させます。

④Ⅰa終末に対するシナプス前抑制の減少

Ⅰa線維の終末には抑制性の介在ニューロンがシナプスを形成していますが、その抑制が減少することによって筋緊張が亢進します。

⑤Ⅰa線維の発芽現象

Ⅰa線維は前角細胞に対して促通性にシナプスを形成していますが、その終末部から側芽線維が発芽し、さらに前角細胞を促通するため筋緊張が亢進します。

⑥シナプス後膜の感受性増大

α運動ニューロンの起始部の膜が興奮しやすい状態になっています。

⑦介在ニューロンの協調性低下(機能亢進)

介在ニューロンの促通性のものが優位になり、α運動ニューロンを興奮させ、筋緊張が亢進します。

⑧α運動ニューロンへの抑制性入力の減少

<非反射性要因>

筋の構成要素

①アクチンとミオシンによる収縮要素

②筋・筋膜・腱などの弾性要素
⇒直列弾性要素(SEC)
⇒並列弾性要素(PEC)

(丸山 仁司:PT、OTなら知っておきたい病気のこと:2010)


(潮見 泰蔵:脳卒中に対する標準的理学療法介入―何を考え、どう進めるか?:2007)

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