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廃用症候群は高齢者や脳血管障害後や、術後などによる安静臥床によって生じる機能低下の状態であり、臨床でもよく遭遇します。

われわれ理学療法士は現場において、急性期の段階から早期に離床を促し、廃用症候群を予防していかなければいけません。

廃用症候群の発生はADL予後や、リハビリテーションに大きな影響を与え、発生したままにしておくと、悪影響が広がり、さらに状態が悪くなってしまうという悪循環に陥ります。

廃用症候群は以下のような症候を呈し、機能低下を生じています。

廃用症候群の症候 ブログ用

リハビリテーションで何をするのかという事に関しては、このような症候に対し、原因を明らかにして、その原因に対しアプローチして機能向上を目指していくことになります。

○関節拘縮

①皮膚性拘縮
 皮膚性拘縮の場合は熱傷後や、皮膚壊死後に発生する拘縮がほとんどです。
②結合組織性・関節外軟部組織性拘縮
 この状態は、皮下組織・靱帯・腱・腱膜など主に結合組織によって構成される組織が、なんらかの外傷、炎症、感染、不動などによってコラーゲン線維の増生や組織の短縮が引き起こされた状態です。
③筋性拘縮
 これは骨格筋の筋内に原因を生じている場合です。筋内の線維が、外傷、炎症、変性、不動による虚血が原因で起こります。関節がある肢位で、長期間固定されて生じた拘縮がこの状態です。例としては、フォルクマン拘縮や、イントリンシックプラス拘縮などがあります。
④神経性拘縮
 これは神経疾患が原因で生じるものです。 痛みが強い患者さんで、痛みの少ない逃避肢位を長時間とることによって生じる反射性拘縮や、筋緊張のアンバランスによって生じる拘縮もあります。
⑤関節性拘縮
 関節性拘縮は、関節内の炎症、外傷、変性、感染症、長期不動によって関節構成体(滑膜・関節包・関節内靱帯)に可動域制限をきたすものです。

○筋の廃用性萎縮

 長期の安静臥床や、関節の固定、不動によって筋の萎縮が進行し、最大筋力が低下します。この状態を筋の廃用性萎縮と言います。

 そもそも筋肉は、タンパク質からなる筋原線維で構成されています。筋力を十分に発揮するためには代謝によって、タンパク質合成を高め、筋原線維を太く保つことが重要になります。

 廃用症候群に陥る方は、寝たきりや不動によって、代謝が低下し、タンパク質の分解のみが進み、タンパク質合成より分解の方が多くなることで、筋の容量が少なくなり、筋委縮が生じて筋力低下を起こしてしまうのです。
 
 ちなみに筋の廃用性萎縮では、筋力よりも持久力の低下が目立ちます。また、寝たきりの状態になるので、抗重力位で無意識に活動していた、脊柱起立筋や下腿三頭筋、大腿四頭筋などの抗重力筋が他の筋よりも優位に筋力低下を起こします。

○骨粗鬆症

 骨の強度については、重力によって自分の体重により、骨に荷重がかかることによって外力刺激が生じ、骨の強度が保たれています。適切な荷重刺激が行われる事と、骨破壊と骨新生のリモデリング機構の働きによって骨は強度を保っていると考えられています。

 しかし、長期臥床の患者さんは抗重力肢位をとらないことにより、リモデリング機構が働かなくなり、骨代謝が低下し、骨が脆弱化します。これが骨萎縮・骨粗鬆症の原因となります。

○起立性低血圧

 臥位から座位に姿勢を変えた時に、血液は下肢や骨盤帯の移動して、静脈環流量が減少し、1回心拍出量が減少します。正常な自律神経反射を持つ人であれば圧受容体の反応で交感神経が働き、心拍数の増加と末梢血管抵抗の上昇、下肢の筋ポンプ作用によって静脈還流が抑えられて血圧が維持されます。

 今度は、逆に立位や座位から臥位へ姿勢が変化すると、それまで下肢にあった血液や体液が上半身に移動し、圧受容器が働いて、体は体液が過剰になったと勘違いし、交感神経が抑制されて利尿が促進されます。そのままの状態が続くと、体内の水分バランスが崩れ、脱水と似た状態となります。この脱水の状態のままで、座位や立位などの姿勢に変換すると血液や体液は下半身へ移動して、血圧が急激に低下して起立性低血圧の状態になります。

 また、安静臥床期間が長くなると、圧受容器反射そのものが低下してしまい、下肢の筋力も低下することで、筋ポンプ作用は低下してさらに起立性低血圧の状態は悪化してしまいます。

 このように様々な原因が絡み合い、起立性低血圧の症状をきたしてしまうのです。

○呼吸器系の低下

 背臥位をとることによって胸郭の運動が制限され、特に背後部の換気を減少させます。これは横隔膜の運動低下によるものです。立位では、腹腔内の臓器は重力による影響で下方に下がりますが、背臥位では、腹腔内のこれらの臓器が胸腔方向へ移動して横隔膜の運動を妨げてしまいます。さらに、背臥位では床に接した後背部の胸郭の運動は制限されてしまい、呼吸筋を十分に活動させない状況をつくってしまいます。

 この状態が長く続くことで胸郭関節の可動性の低下、不動による横隔膜・呼吸筋の筋力低下、軟部組織の柔軟性低下、全肺気量の減少、残気量の増加、そして肺活量の低下が生じてきます。

 以上の主要な現象・症候に対し、廃用症候群の悪循環にならないために、機能向上のためのリハビリテーションが必要であり、早期から離床を促し、機能低下に対して関節可動域訓練・筋力訓練・立位、歩行訓練などを実施することにより、廃用症候群を予防していかなければなりません。

(柳澤 健:運動療法学 改訂第2版:2011)

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