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筋痛

「なぜ筋肉痛になるのですか?」と聞かれた時には皆さんはなんと答えていますか?

今回はなぜ筋肉痛になるのかを考えていきます。

まず筋肉痛には「即発性筋痛」「遅発性筋痛」の2種類があります。

○即発性筋痛

即発性筋痛は運動後のすぐに生じるものです。

原因は2つ考えられます。筋膜の断裂の様な障害の時と、疲労物質が溜まる事によっておこる障害がありますが、ほとんどが後者の疲労物質によるものです。


疲労物質は何かというと、乳酸と一緒に作られる水素イオンです。水素イオンが多くなり、筋肉が極度に酸性になると「痛い」「重い」「だるい」という感覚が生じるのです。

ここで誤解しないようにしないといけないのですが、乳酸そのものは疲労物質ではありません。疲労物質が作られる際に一緒にできてしまう物なのです。

○遅発性筋痛

遅発性筋痛は、運動した翌日や翌々日に痛くなるというもので、一般的に良く言われる筋肉痛はこれに当たります。

どうして痛くなるのかというと、運動によって筋細胞の中にミクロの傷がつき、そこで炎症反応が起きます。炎症が生じると、外傷や毒素などで活性化するヒスタミンなどがたくさん作られます。その中に痛みやかゆみを引き起こす物質があるので、炎症とともに筋肉が腫れ、熱っぽくなったり、力を入れると痛くなったりという状態になるのです。

筋肉痛が生じやすい運動は、筋に負担がかかる遠心性収縮です。

筋の傷つきやすさも筋の状態に依存しており、普段運動習慣のない人が運動するとすぐ筋は傷ついてしまいます。高齢の方が筋肉痛が起こりやすいのも、普段の運動レベルが低い事が原因と思われます。

筋肉痛が生じると、白血球が集まって活性酸素を作り、細菌などの病原体を殺したり、傷ついた所をクリーニングしたりします。その際にオーバーリアクションとなり、必要以上になると筋肉痛がひどくなったり、長引いたりするのです。若い時は活性酸素に対する抵抗力は強いですが、年をとると抵抗力は次第に落ちてきます。これが、高齢になるほど筋肉痛が長引きやすくなる原因です。

(石井 直方:石井直方の筋肉まるわかり大事典:ベースボール・マガジン社:2008)


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疲労 ブログ用

運動した後に、患者さんから「疲れました」という訴えは、臨床上よく聞かれる訴えの一つです。

ただ単に疲労といっても、原因の違いから、中枢性疲労末梢性疲労に分類されます。

セラピストは疲労の起こしている原因を把握し、何が問題であるかを理解しておく必要があります。

○中枢性疲労
運動単位の動員数が低下した状態

○末梢性疲労
酸素不足・筋のエネルギー源(グリコーゲン)の消耗・乳酸や代謝産物の蓄積した状態

以上のように定義されます。

(柳澤 健:運動療法学 改訂第2版:金原出版:2011)



また、以下のようにも定義されています。

○中枢性疲労
・神経駆動の減弱(運動意識実行力の減弱)

○末梢性疲労
・筋張力発生の減弱(神経-筋伝達機能低下)
1.ATP供給速度の減少
2.筋線維膜へのエネルギー供給不足
a)張力低下と筋線維膜活動電位の伝導減少
b)筋小胞体のCa2+ポンプ機能低下
3.蓄積物質
a)細胞内H+
 PFKとリン酸酵素発生の抑制
 Ca2+活性アクトミオシンの機能減少
b)細胞外K+
 筋小胞体の活動電位と伝導減少
 興奮-収縮連関の効率低下
 T管系の活動電位の減少

(眞野 行生:筋疲労について:リハビリテーション医学 Vol.31 No.9:1994)



○中枢性疲労
≪誘因≫
テンポが遅い長時間の運動
大脳の機能低下
シナプス神経接合部の疲労
・神経インパルスの頻度不全
・運動単位の動員不全

≪イメージ≫
精神的疲労

○末梢性疲労
≪誘因≫
高強度運動
筋内でのエネルギー源の枯渇
・ATP再合成の低下
神経筋接合部のアセチルコリン減少
筋小胞体でのCa2+の取り込み低下

≪イメージ≫
肉体的疲労

(斉藤 秀之、加藤 浩:筋緊張に挑む―筋緊張を深く理解し、治療技術をアップする! (臨床思考を踏まえる理学療法プラクティス):文光堂:2015)

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