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臨床では痛みもなく、ROM制限も解消され、筋力も十分あるのにも関わらず、歩行時には立脚期に十分な荷重が行えず、単脚支持期が短く、跛行を生じるケースを見かけ「これは一体何だろう?」と考えていくことが良くあります。

そういった場合にまず考えるのは以下の項目です。

①立脚初期~中期で重心の上昇が不十分である

立脚初期~中期にかけては重心が上昇していくのが正常歩行となりますが、重心の上昇が十分にできない場合は、単脚支持期が短くなる事があります。自分でやってみると良く分かりますが、片方の膝や股関節を曲げたままで歩くと、荷重が上手くかけにくい感じがして、単脚支持期が短くなると思います。

歩行観察時に、立脚中期で重心が上昇した位置になっていない場合、治療としては立脚中期で重心が適切な位置での荷重練習が良いかと思われます。

この荷重練習の際には、以下の図のように、荷重側の股関節の屈曲や内転、膝関節の屈曲、体幹の側屈、足関節の底屈が生じないように注意していきます。

荷重練習 ブログ用

②ロッカー機能が低下しており、荷重の移行がスムーズに行えていない

歩行時には、ヒールロッカー、アンクルロッカー、フォアフットロッカーが機能していますが、これらが機能しない事で荷重の移行がスムーズに行えず、単脚支持期が短くなる事もあります。

例えばフォアフットロッカーが出ていない場合は、立位や臥位で前足部や足趾への荷重練習や、支持脚から対側の荷重への移行の練習などを繰り返し行う必要があると思われます。

前足部への荷重練習 ブログ用

③別の部分の機能不全を代償してできた動作パターンを学習した結果

ある場所の機能が低下し、それを代償するために単脚支持期が短くなる事もあります。例えば、対側の遊脚が上手く振り出せないために、意図的に支持側の立脚の時間を短くしていたりする事も考えられます。遊脚側やその他の機能や動作の関連性を評価して、何が原因かを考えていく必要があります。

この場合は機能障害に対して治療を行い、正常パターンに近い動作を反復して学習していきます。

以上の課題を行った後に、歩行練習を行う際には、「股関節を伸ばして」とか「お尻が後ろに引けているので前に出して」という運動学的な要素のコマンド入力によって歩容を改善するよりも、「つま先のほうで踏ん張るように力を入れて」など力の入れ方に意識を向けた方が行いやすい事が多いです。

以上の原因以外にも臨床では多くの原因が考えられますが、一つ一つ評価・検証していく必要があります。

(武富 由雄、市橋 則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際:文光堂:2009)

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臨床では、SLRを行う際に股関節に十分な可動域と筋力があるのにも関わらず、SLRができない方がおられます。

SLRを行うのに必要な要素としては、下肢挙上によって支持基底面の変化と重心移動と、外乱に対する骨盤・体幹の安定性、股関節屈筋群の協調性が重要となります。

SLRなどの四肢の運動を行う際には、運動の主動作筋に先行して体幹の安定筋(内腹斜筋・腹横筋など)が活動します。SLRの動きができない患者さんの病態としては、腹横筋などの固定筋の収縮のタイミングが遅延するという報告があり、エクササイズでもこの筋収縮順序を考慮していく必要があるという事です。

つまり、体幹がしっかり固定されていないと、四肢がしっかり動かせないという事ですね。

評価としてはまず、SLR時の動作観察を行います。動きはじめに骨盤が前傾したり、後傾したり、体幹の収縮がどのように行われているか確認します。その際に、支持基底面と重心移動の変化がどのようになっているか確認します。

観察するポイントとしては以下の図の通りです。

SLRが困難なケース ブログ用

体幹筋の収縮が不十分と感じた場合は、手で筋を軽く圧迫して、どの筋を圧迫し固定した状態で安定性が改善するのかを評価します。

それによって動作改善がみられる場合、その筋のエクササイズの必要性があると考え、理学療法の治療の実際として、体幹筋エクササイズを行います。機能低下している筋に対して収縮練習を行います。

その後、股関節屈筋と体幹筋が同時に収縮することが大切になるため、股関節屈筋群と体幹筋群の協調性エクササイズを行います。(下図)

股関節屈筋群と体幹筋群の協調性エクササイズ ブログ用

支持基底面の変化と重心移動が上手く行えていない場合は、ボールの上に足をのせ、軽くボールを転がすように動かし、頭部・体幹・反対側下肢での支持面の形成を学習してもらいます。(下図)

SLRに伴う支持基底面の変化と重心移動の練習 ブログ用

(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際;2009)

THAの術後や、γ-nail(ガンマネイル)の術後などの患者さんで、これといった疼痛や筋力低下がないのにも関わらず、患側への荷重が困難な方が臨床では多くおられます。

原因として考えられるのは、患側荷重への恐怖感や、ope前から健側優位の荷重習慣、あるいは股関節・膝関節周囲筋の機能低下や協調性低下、腰背部の過剰な緊張であることが多いです。

評価のポイントとしては、患側に荷重した時にどのような反応が身体に見られるのか観察します。

以下の図のポイントをチェックします。

患側下肢荷重のチェックポイント ブログ用

上記のような現象が見られる場合、治療戦略としては、膝関節と股関節、および体幹と股関節の協調性改善のエクササイズを行う事が重要だと考えられます。

具体的な内容としては・・・

膝関節をロッキングして立位保持している場合は、殿筋群に収縮が入りにくい傾向にある場合が多いため、殿筋群のエクササイズも行い、立位練習ではロッキングを外し、膝関節軽度屈曲位の状態のまま(大腿四頭筋と殿筋群を同時収縮させた状態のまま)ウエイトシフトを行ったり、荷重練習を行います。この時、徒手的に筋を圧迫し筋感覚を入力していくとよい場合もあります。

腰背部の過剰収縮が見られる場合は、バランスディスク上に座位で骨盤の前後傾の運動を行ったり、立位で骨盤の前後傾を行っていきます。

患側荷重の恐怖感がある場合は、全身の緊張が高くなり、前足部への優位な荷重になったりします。こういった場合は、「足の裏が床に吸いつくように・・・足の裏の力を緩めてみてください・・・」などの運動のイメージができるコマンドで工夫していくことが有効となる場合が多いです。

(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際;2009)

ブリッジ ブログ用

理学療法の臨床の場面で、ブリッジ運動をされる方は多いと思われます。大殿筋の収縮をねらってブリッジングすることは多いですが、動作時に背筋優位となり、骨盤前傾となってしまうと、大殿筋の収縮が不十分となってしまいます。また、ブリッジングできても、ハムストリングスが優位となり、大殿筋の収縮が不十分となる場合もあります。

原因としては・・・

・股関節屈曲位では股関節伸展としてハムストリングスが優位に働いてしまいやすいからです。

このため選択的に大殿筋の収縮を促すポイントとしては

大殿筋は股関節伸展位で働きやすくなるため、足をベッドから下げた位置に置き、できるだけ股関節伸展位でブリッジングします。

膝関節屈曲位では大殿筋、膝関節伸展位でハムストリングスが働くため、膝関節は屈曲位でブリッジングします。

③ブリッジ動作時に頸部屈曲し、腹筋を収縮させることで背筋群の活動を抑制し、大殿筋を優位に収縮させることができる。また、上肢の位置も床に置くと広背筋の収縮を促してしまうので、両手は胸で組んでブリッジングを行います。


(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン〈2〉ケース別アプローチのポイントと実際;2012)

股関節 前面痛 ブログ用

股関節の屈曲の運動時に鼠径部に痛みが生じる現象は、変形性股関節症、臼蓋形成不全、前捻角の異常がある場合や、股関節術後の患者さんにも見られます。

病態としては・・・

・臼蓋-骨頭の不安定性の存在
・股関節周囲の動員される筋群の筋バランス不均衡


まず、これらが起こっているかを確認するため、大転子を手で押さえながら骨頭を誘導し、痛みが軽減する方向を探します。
また、自動運動を確認し、股関節屈曲に伴って回旋変位が生じていないか評価をします。⇒筋バランスの不均衡で内旋変位があると臼蓋前方部との接触を生じやすく、痛みの原因となるためです。
そして、屈曲運動時に鼠径部を触診し、過剰な筋・腱の収縮がないかを確認します。(特に、縫工筋や大腿筋膜張筋などの2関節筋)

○臼蓋-骨頭のの不安定性がある場合
★臼蓋-骨頭の安定化エクササイズ


○股関節屈筋に筋バランスの不均衡がある場合
★股関節屈筋の筋バランス修正エクササイズ

・・・①まず、過剰な収縮をしている筋のストレッチを行う。
・・・②股関節自動可動域の最終域付近で低負荷の等尺性収縮を行う。

(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際;2009)

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