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ポジショニングは皆さんどの様にされていますでしょうか?ただ単に「隙間にクッションを入れておけばいいや」ではいけません。

今回は、ポジショニングをする際に重要となるポイントを7つまとめます。

寝返り ブログ用

①アライメントを評価し、正しく整える

まずはこれですね。確かにベッド上臥位の時に、体幹が側屈していたり左右非対称の姿勢のままでは寝返りや、姿勢変換もやりにくくなるのはイメージがつきます。

仰臥位は安定しているように見えますが、実際は重力に抗して絶えずバランスをとっている肢位でもあり、常に身体のバランス調整をするための正常な姿勢反射機構が機能している必要があります。

仰臥位の姿勢で、体がよじれたり崩れがある場合は、筋緊張の高まりや関節の動きにくさが部分的に生じやすいため、正常姿勢反射機構が機能しにくくなります。こういった動きにくさが、さらに関節の不動や筋への血流不全を引き起こし、拘縮を悪化させるというサイクルに陥ってしまいます。

まず、ベッド上臥位のアライメントが正しい位置にあるのか、評価して整える事が大切です。

②頭部から足部に向けた介入をする

次にこれです。寝返りにしても起き上がりにしても、どんな動作もまず目で見てから、頭部が目的の場所を確認するために顔を向ける動作が必要ですね。どんな動作でも頭部の動きが先行します。

という事は、ポジショニングをするときにも、足から先に位置を直してから最後に頭部の位置を直すと、身体感覚と視覚とのズレが生じてしまい、患者さんに違和感や不安感を生じさせやすくなります。

体位変換をする際は、まず頭部から調整し、視覚を目指す体位へと促す事で、次に体を動かして体性感覚からの情報と統合した時に違和感が生じにくくなります。

なので、体位変換をする際にはまず頭部から動かし、上肢→体幹→下肢という風に順番に動かしていきます。

③点ではなく面で支える

ただ単に、クッションを入れておけばいいと言うのではないのがこれです。

「目指す体位を安定させる」には物体の重心線と基底面の関係が重要となります。重心線が支持基底面を外れていれば「不安定」となりますし、重心線が基底面に入れば「安定」となります。以下の図の通りです。

ポジショニングでの支持基底面と重心の関係

適当に隙間にクッションを入れただけでは、支持基底面内に重心線が入っておらず、筋緊張が高まりやすいポジショニングになっている可能性があるので、要注意です。

また、圧分散を図るために、できるだけ広い面で支える事が重要になります。そのために点ではなく面で支えるようにする必要があるのです。

つまり体位を安定させるためには、重心線が支持基底面内に入るようにポジショニングをする事と、ポジショニングピローなどを使う事によってできるだけ支持基底面を広くする事が重要です。

④物品の使用方法を考える

一見同じような場所にクッションやピローが挿入されているように見えても、ピローなどの挿入が深すぎたり、逆に浅すぎたりする事で不適切な圧分散や、筋緊張の高まりなどが生じてしまう事があります。

このような現象は実際に体験してみると良いと思われますが、使用するピローの素材や形状によっても支えられている感触がまた違います。

なので、実際に使用する物品の形状や素材について考慮する事に加え、物品の挿入の深さ・当て方などの使用方法を考慮する必要があります。

⑤摩擦力の軽減を図る

摩擦力は常にベッド上においては生じやすい力ですが、特に褥瘡のリスクの高い方には配慮していく必要があります。

リクライニングにより背上げ・背下げを行う際には特に「背抜き」を行い、身体にかかる摩擦力を軽減する必要があります。実際には、ポジショニング手袋などを使用し、実施する事がすすめられます。

⑥重力を利用する

なかなかこの要素を臨床で実践されている方は少ないのでは無いかと思いますが、大切な事です。

ピローの上に乗せた四肢などを、重力方向へゆっくり押し込むようにポジショニングをすると筋の緊張が軽減してきます。

重力を利用して、緊張を軽減させてピローの挿入方法や角度なども考慮しながら工夫していくと良いでしょう。

⑦筋緊張を緩和する

これはポジショニングをする前の段階で必要になりますが、筋緊張が高いままでいる事は良くないという事です。

筋緊張が高い状態でいるという事は、その周囲の関節は不動の状態になりやすく、関節拘縮を助長させてしまう原因になります。また、筋の緊張が高い状態は血液循環が悪い状態であり、結果として筋が酸素欠乏となり痛みや疲労などの症状がでて、それがまた筋の過緊張を生じさせるという悪循環につながってしまいます。

まず、自動運動などの軽い運動を行う事で、スパズム様の緊張を軽減し、不動の状態から解放する事が大切となります。また、体位変換を行う時も、不快な体位変換により筋緊張を増大させないように気をつけて行う必要があります。

(田中 マキ子:ポジショニング学ー体位管理の基礎と実践:中山書店:2013)


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