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病棟内で転倒をされる方、在宅・施設において転倒を起こしてしまう方おられますが、「薬剤」が転倒を引き起こす重大なリスクファクターであるように思います。
服薬している薬剤を考慮して病棟内移動や、環境整備の工夫などの早急な対応がかなり重要となってくるかと思います。

Rubensteinらは抗うつ薬を服薬している者では、していない者よりも2.4倍転倒しやすいとしている。


○薬剤の組み合わせと転倒の関係
NSAIDS+安定剤/睡眠薬(抗不安定薬を含む)・・・8.3(オッズ比)
抗うつ薬+安定剤/睡眠薬・・・6.9
抗うつ薬+心疾患薬(強心薬、抗不整脈薬)・・・5.7
抗うつ薬+血管拡張薬・・・5.2
NSAIDS+血管拡張薬・・・5.2
抗うつ薬+利尿薬・・・4.3
心疾患薬+NSAIDS・・・3.4
利尿薬+NSAIDS・・・3.0
心疾患薬+安定剤/睡眠薬・・・2.7
安定剤/睡眠薬+利尿薬・・・2.4

利尿薬+NSAIDS+安定剤/睡眠薬・・・17.8
心疾患薬+NSAIDS+安定剤/睡眠薬・・・13.4
心疾患薬+NSAIDS+血管拡張薬・・・13.4
抗うつ薬+心疾患薬+利尿薬・・・10.5
利尿薬+NSAIDS+血管拡張薬・・・8.3

(Granec E et al:Medications and diagnoses in relation to fall in a lon-term care facility,1987)



以上の報告から、2剤よりも3剤の組み合わせで転倒リスクが増大しており、特に「利尿薬+NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)+安定剤もしくは睡眠薬」の組み合わせで最も転倒リスクが高くなったとしています。
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end feel ブログ用

学生時代、授業で関節可動域制限についてこんな制限ありますよとざっくり教えられていましたが、実際良く分からないまま臨床に出て、なんとなくの判断で行っている人も少なくないのではないかと思います。

やはり、触れた時の感覚は文章で表そうと思うと難しく、患者さんによって制限因子の問題が複合的な要素になっている事も多いため、判断の難しい所かと思います。

臨床に出てからは、エンドフィールを感じて、これが何の制限因子なのか判断していかなくてはいけません。

○最終域感

正常

・軟部組織性・・・やわらかな抵抗感(例:膝関節の屈曲など)
・筋性・・・ゴムを引っ張るような弾力のある抵抗感(股関節伸展位での膝関節屈曲など)
・関節包性・・・ 皮を引っ張るようなじわっとした遊びのある抵抗感(手指のMP関節の伸展など)
・靱帯性・・・関節包性と同様、遊びの幅が関節包性より縮小している(前腕の回外など)
・骨性・・・弾力性がなく、突然起こり、その後は不動となる(肘関節の伸展など)


異常

・軟部組織性・・・何かが介在している感じがする(原因:浮腫・骨膜炎)
・筋性・・・弾性の増大(筋の短縮)、運動が突然停止するような硬い痙攣終末感で痛みを伴う(筋スパズム)
・関節包性・・・通常制限されない角度でのゆっくりした伸張で少し延長する(関節包の短縮)
・靱帯性・・・関節包性と同様、ゆっくりとした伸張で若干延長する感じがある(靱帯の短縮)
・骨性・・・骨の軋轢や制動で痛みを伴う(骨折、遊離体、変形など)
・虚性・・・疼痛により終末位に至る前に無抵抗に運動が妨げられる(関節包外の原因)


(柳澤健:運動療法学 (理学療法学 ゴールド・マスター・テキスト 2).2010)

 
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脳卒中は発症後は基本的には予後が良好な疾患とは言い難く、経過中には様々な合併症を生じます。

直接的に合併症が生命予後に影響するだけでなく、impairmentレベルで悪影響を与えるため、合併症に対する予防策を病棟内で考える必要があると思います。

○合併症を生じる頻度(N=279:急性期脳卒中症例) 
 ・95%の症例で少なくとも1回の合併症を発生している。
 ・32%では重大な合併症を発生している。
 ・3カ月の時点で死亡していた症例は14%であった。

(Johnston KC,et al:Stroke29,1998)



○脳卒中症例に生じやすい合併症
脳に生じる合併症 
 ・脳卒中再発
 ・出血性梗塞
 ・脳血管攣縮(SHA後)
 ・水頭症
 ・意識障害
 ・痙攣
 ・うつ傾向
脳以外の臓器の合併症 
 ・深部静脈血栓症
 ・肺塞栓
 ・虚血性心疾患
 ・不整脈
 ・感染症
 ・発熱
 ・肩手症候群
 ・起立性低血圧
 ・消化管出血
 ・悪心・嘔吐
 ・便秘
 ・脱水
 ・電解質異常
併存疾患による合併症 
 ・不整脈
 ・心不全
 ・糖尿病
 ・腎不全
 ・変形性膝関節症
 ・肩関節周囲炎
 ・変形性脊椎症


病棟でも脳卒中の再発も起こりうることであり病棟内でも水分摂取を十分に行っているかリハサイドも確認していく必要があると思います。

頸動脈雑音の聴取によって動脈硬化の有無や程度などをある程度知ることができます。頸動脈雑音を予測因子とし、心筋梗塞や心原性脳梗塞の症状があればすぐ報告できる体制を整えておくことも重要になってくるかと考えます。

脳卒中後の肺炎も多く見られており、肺炎は死亡の原因となることもあり、非常に注意が必要であると思われます。


○脳卒中症例において肺炎を予測する因子
・65歳以上・・・1点
・構音障害もしくは失語症・・・1点
・mRSが4点以上・・・1点
・AMTスコアが8点未満・・・1点
・水飲みテストでの異常・・・1点
※合計点にて肺炎のリスクを予測する。5点満点であり、高得点ほど肺炎のリスクが高い。2点以上を肺炎のリスクありとしてスクリーニングすると、感度90.9 特異度75.6であったとしている。
※AMT:Abbreviated Mental Test

(Sellars C,Bowwie L,Bagg J,et al:Risk factor for chest infection in acute stroke,2007)



肺炎が予測される方においては嚥下評価に基づいた食事形態の調整や摂食指導を行い、誤嚥性肺炎の発症を予防する必要があると考えます。リハ中も、SpO2のモニタリングなど行い、注意してリハ行う事が重要だと思われます。

痙攣に関して、リハ中に生じるものは死に至るものは事態になるものは少ないが、転倒・転落の危険につながるため、注意が必要かと思われます。


 
脳卒中治療ガイドライン2009において脳卒中予後予測の必要性が述べられ、比較的高い推奨レベル(グレードBとなっています。

予後予測


患者さんのリハビリテーションを行う上で、病棟スタッフ内でカンファレンスを行い、チーム内でゴール設定をされると思いますが、科学的根拠に基づいたゴール設定をすることが大切という事になってきます。

患者さんや家族さんに情報提供する場合においても適切な予後予測が必要となります。

「どこまで良くなるのか」「後遺症はどこまで残るのか」「1人でトイレに行けるようになるのか」「歩けるようになるのか」

さまざまな不安の中で、今後の生活スタイルを提案していく上で納得のできるインフォームドコンセントが必要となってくると思われます。

ざっくりとした脳卒中の大まかな帰結では

○退院時の歩行・移動の状況 
 ・58%が杖なし歩行可能
 ・11%が杖歩行
 ・15%が車椅子
 ・8%が寝たきり

(山口武典:脳梗塞急性期治療の実態に関する研究.厚生省健康科学総合研究事業研究報告書;2001)



運動予後 ブログ用

脳血管障害の方のCTやMRIの画像を見て今後のリハビリテーションの方向性や、プログラムを考えたりしますが、画像所見からどのような情報を読み取ることができるのでしょうか?

画像所見からどの程度まで皆さんは予後を判断しますか?

以下に示されている通り、病巣の部位によって運動予後が左右する事が言われています。

1.小さい病巣でも運動予後が不良な部位
 
 放線冠(中大脳動脈穿通枝領域)の梗塞
 内包後脚
 脳幹(中脳・橋・延髄前方病巣)
 視床(後外側の病巣で深部関節位置覚脱失のもの)


2.病巣の大きさと比例して運動予後がおおよそ決まるもの 

 被殻出血
 視床出血
 前頭葉皮質下出血
 中大脳動脈前方枝を含む梗塞
 前大脳動脈領域の梗塞


3.大きい病巣でも運動予後が良好なもの 
 
 前頭葉前方の梗塞・皮質下出血
 中大脳動脈後方の梗塞
 後大脳動脈領域の梗塞
 頭頂葉後方~後頭葉、側頭葉の皮質下出血
 小脳半球に限局した片側性の梗塞・出血


(前田真治:我々が用いている脳卒中の予後予測Ⅳ.臨床リハ10、2001)




予後予測に当たっては脳の損傷の大きさではなく、損傷された部位が与える影響が大きい事が予想されます。

以上から、放線冠・内包後脚などの錐体路を含む病巣では小さい病巣でも運動予後が不良であることが多いです。

また、後頭葉や側頭葉下部を栄養する後大脳動脈領域の梗塞では、視覚的認知の障害や記憶障害は生じるが、運動予後が良いものが多いようです。

運動機能の予後を予測するためには、病巣の錐体路障害の有無が重要な情報となってきます。

※関連記事
関連:10分でわかる脳の構造と機能-畿央大学
歩行の考え方 ブログ用

学生時代は歩行動作の筋活動や、運動学に基づいて必要な筋力を発揮できるように運動プログラムを考えたりすると思いますが、そもそも歩行時には求心性に関節を動かしているのは約20%程度しかありません。

一生懸命、治療プログラムの中に求心性収縮の筋トレを組み込んでも、それが歩行動作に反映するとは言えないのです。

では、人間はそもそもどのように前に進む力を得ているかというと、「重力環境下の中で、位置エネルギーを運動エネルギーに変換する」という事をすることによって、前へ進んでいるのです。

一般的によく言われていることですが、例えて言うと「ジェットコースター」です。

ジェットコースターは高い位置から下に向かって滑り落ちてきて、その勢いでまた上に上がっていきます。そしてまた高い位置から滑り落ちるという、これこそが位置エネルギーと運動エネルギーの変換となるわけです。

人間の2足歩行も重心の上下動を繰り返しながら、これと同じように前への推進力を得ているのです。

このエネルギー変換を行いながら歩行しているという事が「効率的な歩行」といえるのです。

仮に、歩行をすべて求心性の筋活動で行おうと思うと、疲れてしまって長距離歩行は難しくなってしまいます。

例えばロボットのアシモの歩行です。両膝を曲げたまま重心の上下動を最小限にして、数キロ歩いたら足がくたくたになってしまいますね。

とてもじゃないですが、こんな歩行では歩いた後に大腿四頭筋を始め、求心性に働く筋が疲れきってしまいます。

また、プールの中での歩行でも言える事ですが、プールの中では、飛び跳ねるようにして動かないと前に進みません。これは陸上での歩行はプールの中とは違い、重力を使って制御して上手く歩いているという事を意味しています。

つまり我々は、陸上では遠心性に筋をコントロールしながら制御しているのであって、プールの中のように求心性の力で前に進んでいるのでは無いという事です。

治療プログラムにおいて、歩行動作につなげる筋活動として遠心性の制御がいかにできるかという事が重要になってきます。 高齢者や脳卒中片麻痺の患者さんにおいては、遠心性の筋のコントロールが十分に行えない方が非常に多いです。

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今日からブログ始めました。 ブログ用

今日からブログ始めました。


日々の臨床の中で、ベストな治療とはなんだろうと疑問に思いながら、なにかのきっかけになればと始めてみました。


そして、少しでも多くの人に還元できるようなブログになればと思います。

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