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認知症患者に必要な睡眠 ブログ用

認知症のある患者さんで、夜間に睡眠がとれず日中の活動性が低下し、リハビリテーションの時間に十分なパフォーマンスが得られず、身体機能の回復を阻害する要因になったりという場面が良く見られます。

睡眠には、心身の疲労回復や、成長・発達を促したり免疫機能を高めたりという役割があります。

夜間に十分な睡眠がとれない事によって、集中力の低下や食欲不振、パフォーマンスの低下などが生じ、さらにそれが廃用症候群や認知症の悪化につながる可能性があります。

そうなると、日中に今度は寝てしまうようになり、夜間に目が覚めてしまう「昼夜逆転」現象が起きてしまい、食生活などの生活リズムが乱れて悪循環となってしまいます。

では、眠れない原因は何でしょうか?

①身体的な原因

②心理的な原因

③生活環境からの原因

では、具体的に睡眠を導くためにどのような事ができるでしょうか?

○睡眠を導くためのケア

①睡眠中の身体が安全に確保される
・誰かがすぐ駆け付けられるよう、コールの位置を適切な場所に置きます。
・ベッド周囲の整備をします。(手が伸ばせる所にティッシュや、飲み水など必需品を置いておきます。)
・ベッド上で体動が激しい人や掛け布団を落とす人は、ベッド柵をします。
・点滴やカテーテルなどが安全に確保されているか確認します。

②身体の安楽を確保する
・身体の苦痛の症状に対して、適切な処置をし、症状に合わせた対症療法を行います。
・夜間に心地よく寝るために、日中に少し疲れる程度の運動を行います。
・適度な食事をとり、夕食後は刺激の強い飲み物は避けます。
・水分の出納バランスに注意し、寝る前に水分を取らなくてもいいように、日中に十分水分を取っておきます。
・適切な歯磨き、洗面、結髪を行います。
・枕の高さなども考慮し、リラックスできる姿勢に整えます。
・就寝前にマッサージや、指圧なども試みます。
・就寝前に排泄は済ませて置き、清潔に保ちます。

③心を満たす
・寝る前は読み物や、テレビなどは避け、心を落ち着かせ穏やかな音楽を聴いたり、香をたくのも効果があります。
・無理に寝る努力を強いたりしない。
・会話を望む場合はその場を設けます。
・不安で眠れない人は、その場に一緒にいて不安を解消するようにします。

④環境を整える
・室温、湿度、風向きの程度を季節に合わせて考慮します。
・排泄物や、食べ物は素早く処理し、臭いの強い物などはそばに置かない。
・常夜灯など取り入れたり、照明のスイッチにすぐ手が届くように工夫します。
・足音、ドアの開閉、話し声などが大きくならないように注意します。
・寝巻や寝具なども好みに合ったものにします。
・布団も重たい物ではなく、軽い物にし、シーツのしわは伸ばしておきます。

⑤睡眠薬の使用
・睡眠薬は神経症、不隠にて入眠が困難な場合の最後の手段です。
・服用については指示された時間を守り、起床後も足がもつれたり、ふらふらしたり、ぼんやりしたりしていないか確認します。
・寝付きの悪い人は服用を早めて、日中に残らないようにします。

(六角 僚子:認知症ケアの考え方と技術 第2版:医学書院:2015)


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相反神経支配という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「相反神経支配」はイギリスのSherringtonによってつくられた言葉です。

Sherringtonは主動作筋の興奮と拮抗筋の抑制が、脊髄レベルでの機序で四肢に同時に起こる事を相反神経支配と定義しました。

相反神経支配には「相反抑制:Ⅰa抑制」、「反回抑制:レンショウ抑制」、「自原性抑制:Ⅰb抑制」の3つの抑制作用があります。

この脊髄レベルで生じるシナプス抑制機構は、リハビリテーションの臨床を考える上での基礎知識であり、治療を考える上では必ず知っておかなければならない内容です。

有名な中部学院大学の林典雄先生が、「このシナプス抑制機構を知らないPTは、PTをするな!!」というくらい非常に大切なメカニズムです。確かにこのメカニズムを知らなければ、どうやって筋緊張を落としているかが説明ができませんもんね・・・。

シナプス抑制 ブログ用

①Ⅰa抑制:相反抑制

まずは相反抑制ですが、これは主動作筋を収縮させると、拮抗筋には抑制的に作用する神経機構の事をいいます。

主動作筋が収縮する事によって筋紡錘からのⅠa群線維が、抑制性介在ニューロンを介して、拮抗筋の運動ニューロンに抑制的に働く作用をさせます。

例えば、臥位でSLRにて大腿直筋や大腿四頭筋の収縮により、ハムストリングスには抑制的に働くというものです。

②反回抑制:レンショウ抑制

反回抑制は、主動作筋が作用する際には、主動作筋および同じ神経で支配される筋には抑制として働き、拮抗筋へは促通に働く神経機構です。

レンショウ細胞が障害され、反回抑制が不十分だと、関節の選択運動を困難にするとされています。

反回抑制は緊張と弛緩を伴う円滑な運動を可能にし、諸関節の複合運動による巧緻運動の選択性の再獲得に重要です。

③Ⅰb抑制:自原性抑制

自原性抑制とは、静止時に筋腱移行部のゴルジ腱器官の伸張刺激によって、求心性のⅠb線維が抑制的に作用する機構です。

代表的な例としては、スタティックなストレッチです。

(古澤 正道:脳卒中後遺症者へのボバースアプローチ〜基礎編〜 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)運動と医学の出版社:2015)


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臨床にて過剰な筋緊張を見つけた時、その筋緊張の亢進はある筋の機能が低下したために、代償的に筋の張力を増加させている場合があります。

外傷や手術侵襲などの筋力低下や、運動麻痺によって特定の筋張力が低下した場合、代償的に他の筋が働きやすくなります。

歩行時の立脚期において、生じやすい代償の筋を以下に列挙します。

立脚期における代償 ブログ用

この表を見ていると、確かに代償的に過剰収縮が生じ、痛みを発生させている原因はこれだなあと臨床的にもよく感じます。

理学療法士は原因を一つ一つ追究し、低下している機能を上げていく必要があります。

(樋口 貴広、建内 宏重:姿勢と歩行 協調からひも解く:三輪書店:2015)


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「stiff-knee gait」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?直訳すると「硬い膝の歩行」です。

「stiff-knee gait」は脳血管障害や脳性麻痺、膝関節疾患患者などによく見られる特徴的な歩行です。立脚期・遊脚期ともに膝関節の屈曲の運動が減少している状態です。

stiff knee gait


※イメージとしてはこんな感じです。(極端かもしれませんが・・・)

運動学的な特徴として以下の通りです。

①立脚終期から前遊脚期において股関節の伸展が少ない。
②立脚期を通して膝関節の屈曲がほとんど認められない。
③遊脚期の膝関節屈曲が少ない。
④立脚終期の足関節背屈が大きいが、前遊脚期の底屈が少なく、前遊脚期に入ると背屈が早期に起こる。

立脚終期~前遊脚期において、股関節伸展足関節底屈が少ないと、前方への推進力が低下してしまいます。

通常歩行では、前遊脚期の際には足関節が十分に底屈し、床をしっかり蹴る事で床反力を利用し、前への推進力につなげていきますが、「stiff-knee gait」においては、前遊脚期において十分に足関節底屈せず前足部荷重が不十分なまま、下肢の振り出しに移行し、上に引き上げる様な形で下肢を振り出すような歩行様式となってしまいます。合わせて、立脚側において前足部への荷重が不足しているため、十分なステップ長が確保できずに股関節伸展の減少となってしまいます。

つまり蹴り出しと、ステップ長の減少により、非効率的な歩行となってしまいます。

この「stiff-knee gait」を改善させるためには何が必要なのでしょうか?

改善のためには立脚終期で足関節が十分に底屈し、前方への推進力を得る事が重要です。

ただ、股関節伸展が不足している状態での足関節底屈では、床反力ベクトルは上を向いてしまい、前への推進力としては乏しいため、股関節が十分伸展した状態での足関節底屈によって、床反力ベクトルを前方に向かわせ、推進力につなげていく必要があります。

以上より、立脚終期において股関節・膝関節伸展位で、足関節底屈の動きが必要となります。

このための治療介入について紹介します。

≪方法1≫足関節底屈運動を正確に行う事を感じる

まずは、平行棒内立位において正確にヒールライズを行う事から始めていきます。この時に膝関節・骨盤・体幹の代償運動に注意しながら動作学習していきます。

両側ヒールライズから、片脚ヒールライズへと移行し十分に腓腹筋に収縮を入れる感覚を獲得します。

≪方法2≫歩行時の母趾球・小趾球への荷重を感じる

歩行時の母趾球・小趾球への荷重を感じるために、踵上げをしながら歩行し、前足部での荷重感覚を感じてもらいます。この時にも代償動作に注意します。

≪方法3≫1歩踏み出した位置での、足関節底屈運動を正確に感じる

荷重の受け継ぎの肢位で、足関節底屈運動を行います。これによって前方へ蹴り出す感覚を獲得します。この時も体幹の代償などに気をつけます。

≪方法4≫立脚終期から前遊脚期の膝関節屈曲速度を増加させる

1歩踏み出した肢位にて後足の踵上げを行います。体幹の回旋の代償に気をつけます。

(福井 勉:ブラッシュアップ理学療法―88の知が生み出す臨床技術:三輪書店:2012)



また、stiff-knee gaitの原因の一つとして、前遊脚期から遊脚期にかけて、大腿直筋の過剰な筋張力の発揮が生じたり、活動開始のタイミングが早期化してしまいます。

これに対して、大腿直筋の過剰な収縮を抑制し、股関節屈筋である腸腰筋の活動を相対的に高め、腓腹筋と腸腰筋の協調的な活動により、下肢の振り出しができるようにしていく必要があります。

(樋口 貴広、建内 宏重:姿勢と歩行 協調からひも解く:三輪書店:2015)


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