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脳卒中後の高次脳機能障害に対するリハビリテーション

 22, 2014 00:11
記憶障害

脳卒中後の高次脳機能障害を呈した患者さんは臨床上多いです。身体機能は自立レベルであるが、高次脳機能の問題で自宅退院が困難になっているケースも多いです。

高次脳機能障害に直接アプローチすることは、病院・施設によっては作業療法士、言語聴覚士が配置されている場合、理学療法士が介入することは少ないのが現状ではないでしょうか?

しかし、注意障害記憶障害半側空間無視によって円滑な理学療法が阻害されたり、病棟内移動時の転倒・転落の原因になることもあるために、介入の必要性としては非常に高いのではないかと考えます。

高次脳機能障害に対する訓練の方略としては、失われた機能に対して直接的にアプローチする方略と、他の機能を活用して代償的にアプローチする方略に分けられます。

どちらの方略でリハビリテーションを進めていくかは明確にしておく必要があります。

今回とりわけ、高次脳機能障害の中で問題となることの多い注意障害記憶障害半側空間無視について記します。

①注意障害

 注意障害の実際の臨床症状としては、注意散漫で集中力に欠けており、椅子に座っていてもキョロキョロして落ち着きがない状態だったり、またはボーっとして、会話や行動にまとまりがない状態だったりします。
 また、一つの課題にしか注意を向けることができず、同時に複数の課題を行う事が難しい状態の方もおられます。

 注意障害に対する訓練としては、attention process training(ATP)、数字や文字の抹消課題、計算問題、文章の書きうつし、トランプ分類(数字やマークごとに分ける)、絵や図形の間違い探しなどの課題が行われます。

 注意の持続が困難な方は静かな部屋で訓練を行うなどの環境への配慮も必要となります。
 
 臨床では、車椅子レベルの患者さんで、車椅子移乗を行う時にブレーキをかける動作や、フットプレートを上げる動作を忘れて、転倒のリスクのある方も多くおられます。そういった方には、動作手順を言語で書いた張り紙を目につく所に貼って、注意を促す方法もありますし、カラーテープをブレーキの部分に貼ったりと、目立つようにマーキングするのも良い場合もあると思われます。

②記憶障害

 記憶には覚えこむ段階の記銘、記憶をためておく把持、検索して思い出す想起という3つのプロセスに分かれており、臨床ではどの段階に問題があるのかを明確にしておく必要があります。

 臨床の場面では、担当セラピストの名前を覚えることができなかったり、訓練時間などのスケジュールを覚えれなかったり、トイレの場所が分からなかったり、自分の病室が分からず迷ったり、会話内容を覚えていなかったりと症状としては個人差があります。

 このような状態では、訓練そのものを円滑に行う事ができないだけでなく、退院先の生活において支障が出てしまいます。

 対応としては、訓練時間やセラピストの名前を書いたスケジュール表を渡して確認してもらったり、病棟内を記した地図をもって歩行していただいたり、所々の廊下や部屋の前に目印を置くのもよいかと思われます。このほかメモリーノートやボイスレコーダーなどを用いて日課管理をしていくことが重要と思われます。

③半側空間無視

 半側空間無視(USN)は中枢神経疾患の患者に生じる失認のなかの症状の一つです。半側空間無視は左片麻痺の方に多く、右脳損傷者の20%~50%に出現すると言われています。臨床の場面ではよく遭遇し、リハビリテーションの阻害因子となることも多いです。

 責任病巣としては頭頂葉後部が多いですが、前頭葉や視床、被殻でも起こる場合があります。

 臨床での症状としては、ご飯のときに左側のおかずが残ってしまったり、左側の壁や家具に足や体をぶつけてしまう状態や、左側から話しかけられても気付かない事もあります。

 机上のテストでは、線分二等分線検査、アルバートの線分末梢検査、ダブルデイジーがよく使用されています。ただし、このような机上のテストは日常生活の観察の結果と違う事もあるために、それも含めた評価をしていく必要があります。

 半側空間無視の実際の訓練としては、手で机や箱の縁を無視側の方へ向ってなぞって、その手を追視させるようにします。また、テーブルの上にお手玉などをのせ、お手玉を無視側の箱の中に数えながら入れていく作業を行ったりします。方略としては視覚以外の知覚を用いて無視側への探索をしていく課題をしていくと良いと思われます。

(細田多穂:中枢神経障害理学療法学テキスト (シンプル理学療法学シリーズ):2014)


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