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感覚障害に対する運動療法の進め方

 04, 2014 14:18
脳卒中などにより、感覚の知覚と認知に関わる部位に病変がある場合では、現状では感覚障害の回復は困難であると言われています。

神経再生の視点から考えた運動療法を行う事は、適切ではないと考えられています。

ただし、一部の感覚種が選択的に障害されている場合は、他の感覚種からの求心性入力で起こる知覚を現実の状況と対照させ、認知する身体状況(座標、関節角度など)を再度基準化する意味においては、感覚障害の改善が期待できます。

どういう事かというと、例えば、脳卒中により下肢の表在感覚が障害され歩行・立位保持が困難な患者さんが、残存している運動覚や位置覚からの情報をもとに下肢の位置情報を把握して、歩行や立位保持を獲得していくという事です。

そのためにどのような要素が必要かというと、次のようになります。

①運動療法を行うための基本的な原則

 不安定版やエアマット、バランスボールなどを使用し、能動的な運動を努力量を調整しながら、身体位置や関節角度を調節しながら課題を行い、関節位置・努力感・運動のタイミング(速度・方向の転換タイミング)・全身の姿勢などの要素に注意を向けながら能動的に運動を行います。

 金子らは、平衡運動保持法を行った所、運動覚や位置覚も改善され、能動的に運動感覚を知覚する運動課題の運動感覚の精度に対する有効性が確認されています。

②注意の付与

 患者さんには訓練内容を十分に把握し、自分の運動に注意を向けてもらうようにし、断続的かつ反復または継続的に行っていただきます。

③結果の知識:knowledge of results(KR)

 「自分がどのように運動したかを話させるのでよく注意して運動してください」などという声掛けを行い、自分の運動を認知させた上で、視覚的な情報や数値の提示などで結果の知識を付与します。練習の回数が同じである場合、KRの頻度は少ない方が学習の成績はよいと言われています。

④局所の運動感覚を意識した運動課題

 例としては、以下のような関節肢位の制御に注意を払いながら行えるような課題です。

運動感覚に注意を向けたエクササイズ ブログ用

⑤感覚再教育

1)感覚障害を自覚させる:感覚消失の程度と範囲を、患者さん本人に確認します。

2)課題の難易度
 課題は患者さんが十分に行えるものとし、興味を引く課題で、学習を促進させるために、失敗と成功が程度にあるレベルのものが好ましいとされます。

3)認識の方法を教えるため、視覚のみではなく健側の手からの入力も知覚するための方策として利用します

4)集中力の維持
 集中力を最大限に持続させるには休憩をとったり、課題を変えたりします。

5)感覚テストとトレーニングに使用する課題や物体は、異なるものとします

6)教示する課題の具体例
 ・書字覚課題
 ・身体図式課題:目隠しをした状態で麻痺側の中指を探しなさいというような課題です。
 ・物体認知課題:手で持ち、日常使う物品の形状や質量、質感を識別します。
 ・他動的スケッチ課題:患者さんは手元を見ないまま鉛筆をもち、その手をセラピストが握り図形を描きます。

(市橋 則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際:2014)

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