CKCとOKCのトレーニングの考え方

 09, 2014 22:08
リハビリテーションやスポーツでのエクササイズはCKC(閉鎖性運動連鎖)OKC(開放性運動連鎖)に分けられます。

われわれが日常生活で行っている動作としては、両方の構成要素を組み合わせたものになります。

 CKCとOKCを使い分けてエクササイズを行う目的としては、運動様式や筋骨格系への力や負荷のかかり方が違ってくるからであり、損傷部位への負担や、強化したい部位へ適切なエクササイズ行う為に使い分ける必要があります。

下肢のリハビリテーション、特にACL損傷後のトレーニングにおいてCKCとOKCの比較検討がされています。

○CKCとは

 CKC(closed kinetic chain)は、四肢の末端(遠位端)が固定された状態で、自重による抵抗運動を行う事です。多関節運動の動きに対応しています。例としては立位でのスクワットやプッシュアップの動作、歩行時のstance phaseなどになります。

○CKCの特徴

 CKCでは運動時に共同的な筋収縮が起こることで、関節の動きを安定させます。ただし、目的とする筋に対して選択的に介入調整をすることは難しいです。

 CKCでは、特有の関節の圧迫力・筋の共同収縮によって、求心性受容器の活動が増加して、神経系の効果が期待できます。

CKCではOKCよりも脛骨の前方移動が少ないことが分かっています。要因としては同時収縮によって関節が固定されるためです。

 健常者においてはOKCよりもCKCの方が筋力増強効果に関連性があると言われています。しかし、脳卒中片麻痺患者では比較検討された報告は少ないです。

○OKCとは

 OKC(open kinetic chain)は、四肢の末端(遠位端)は固定されておらず、末端が自由に動く運動の事です。単関節運動の動きに対応しています。例としては、座位での膝伸展の運動、歩行時のswing phaseの状態となります。

○OKCの特徴

 同時収縮が乏しく、日常生活動作で見られるパターンが少ないですが、目的の筋を選択的に収縮させることができます。ただし、日常生活において上肢の動作はほとんどOKCです。

○ACL再建術後の初期のリハビリテーション

 OKCよりもACLに負担の少ないCKCでの介入が多いですが、必要に応じて大腿四頭筋の刺激を行う為にOKCで選択的に介入することもあります。CKCでは代償動作が起こりやすく、誤った使用方法での学習をしてしまう可能性があるので注意しなければいけません。正確な動作方法の獲得をしなければ、再受傷の可能性があるからです。


OKCとCKCトレーニング ブログ用

(嶋田 智明:よくわかる理学療法評価・診断のしかた―エビデンスから考える:2012)



また、他書では以下のように述べられています。

○OKCの特徴

・身体の遠位が動く
・単独の関節が動く
・動くのは関節の遠位の肢節である
・主動作筋が主に活性化される
・免荷肢位で行われる
・動く肢節遠位に抵抗がかかる
・回転モーメントは筋への伸張負荷となる
・外力を使った安定化が必要
・筋肥大を目的に行う

○CKCの特徴

・遠位部は支持面と接している
・相互依存型の関節運動である
・遠位部・近位部の両方または単独で動く
・多数の筋群が活性化される
・一般的には荷重肢位で行われる
・抵抗は他部位に同時にかかる
・軸負荷を利用する
・筋活動、関節圧迫による内部安定化が生じる
・協調性を高める目的で行う

(中山 孝:理学療法基礎治療学I 運動療法 (ビジュアルレクチャー):医歯薬出版:2012)



○開放運動連鎖(OKC)

・神経的因子の強化よりも筋肥大が得られる
・目的の筋をピンポイントで鍛える事ができる
・荷重制限のある時期にも行える
・ADLやスポーツ動作など、実際の動作とは異なる筋の使い方でのトレーニングとなるため、特異性の原理に基づかない事がほとんどである。

○閉鎖運動連鎖(CKC)

・特異性の原理に基づいて行う
・実際の動作と近い関節運動となり、筋の協調的運動が必要となる
・同時に複数の筋が使われるので、強化したい筋が上手く使われない可能性があり、その場合、目的外の筋が代償的に強化されてしまうという欠点がある

(解良 武士:運動療法学 (15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト):中山書店:2014)


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