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立ち上がりの重心の前方移動を促すアプローチ

 31, 2014 15:01
立ち上がり時に、重心の前方移動が難しく、離殿で失敗している方は脳血管障害や股関節術後に限らず、臨床ではよく見られます。

立ち上がり時の重心前方移動においては、骨盤・体幹の前傾、下腿の前傾が重要になります。

つまり、股関節と足関節の動かし方が十分に行えるようになると、重心の前方移動はもっとスムーズに行えるようになってきます。

立ち上がりには2つの戦略(ストラテジー)があるとされます。

力(ちから)ストラテジー:重心を支持基底面の中にとどめ続けながら、下肢の筋力で主に立ち上がるやり方です。(高齢者の方や、立ち上がりに失敗している方が良くやる立ち上がりの戦略です。)この戦略を選択した場合、重心の前方への移動量は多く要求される事となり、②に比べて重心の前方移動が不十分になりやすくなります。

運動量ストラテジー:骨盤・体幹前傾の勢いを股関節伸展筋でブレーキをかけることで、膝関節伸展のモーメントに変えていくという慣性力を利用します。(われわれ健常人が良く用いる立ち上がりの戦略です)

つまり、立ち上がり動作で重心の前方移動を十分に行う様にしていくには、②の立ち上がりのやり方が選択される必要があります。

まず、評価としては矢状面で動作時の上半身重心(Th7~9)がどのように移動しているかを確認しながら、体幹の屈曲の程度と、骨盤の前後傾の有無を見て、離殿のタイミングで下腿の前傾が適度に行えているかを評価します。この時に立ち上がりのスピードや、骨盤・体幹の前傾の停止するタイミングで殿部離床・膝関節伸展が起きているかを確認して、運動量ストラテジーの戦略にて動作が行えているかを評価します。

以上の評価を踏まえ、ROMやMMTで、ある程度問題ないレベルにはあるが、立ち上がり時に重心の前方移動ができていない方に対しては、動作の学習が必要になってきます。

○骨盤・体幹前傾が不足している場合

骨盤前傾の誘導アプローチ ブログ用

上図の左は、三角ウェッジにより座面を傾斜させることで、座面より上の質量中心位置を前方に移動しやすくすることが可能になります。

中央は、椅子での端座位の状態から椅子の後脚を持ち上げるようにすることで、座面より上の重心を前に移動することが可能となり、骨盤前傾が誘導できます。

右は、端座位にて膝を深く屈曲することによって、ハムストリングスの短縮位・大腿直筋の伸張位を生じさせて、それにより骨盤前傾を誘導できます。

骨盤前傾の誘導 ブログ用

上図は、セラピストが患者さんの大腿前面の皮膚を両側同時に遠位方向に移動させている状態ですが、そうすることで骨盤前傾を誘導することができます。

○下腿の前傾が不足している場合

下腿前傾の誘導 ブログ用

キャスター付きの椅子に腰かけ、足底接地の状態で、下腿の前傾により椅子を前方に移動していきます。この際に、バランスボールを下腿前方と床との間に挟み込み、上図のようにバランスボールを潰していくような意識で下腿前傾を促していくのもよいでしょう。

この時注意する点としては、踵部が床から離れてしまうと足関節底屈を促してしまうので注意が必要です。

○立ち上がりのスピードが遅く、慣性力を利用して殿部離床ができない場合

慣性力を用いた立ち上がりが重要となりますが、離殿時に下腿の前傾と同時に、骨盤の前傾に股関節伸展筋がブレーキをかけていくことを学習していきます。このタイミングを習得していくまで繰り返し練習していきます。

まず、端座位で大腿上に上肢を置き、そのまま膝蓋骨の方に手掌を滑らせながら、一定の速度で体幹前傾していきながら殿部離床までもっていきます。殿部離床後は立ち上がらずに、すぐに着座してこれを繰り返していきます。

注意する点としては、上肢の力でpushしないようにしていきます。

(福井 勉:ブラッシュアップ理学療法―88の知が生み出す臨床技術:2012)


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