腹内側系と背外側系のシステム

 12, 2014 00:06
脳

しばらく更新が途絶えていましたが、また復活していきたいと思います。

今回は、特に脳卒中の後遺症の方ですが、神経伝導路についての事について書きたいと思います。

脳卒中患者さんは、姿勢コントロール(postural control)運動コントロール(motor control)ができなくなるために、動作の遂行が困難となってしまいます。

このためにセラピストは機能的な運動の再構築のために、神経伝導路のシステムについて理解しておく必要があります。

まず、姿勢・運動のための下行性システムには「背外側系」「腹内側系」の2つに分類されます。

・「腹内側系」のシステムは、姿勢の緊張の調整、体幹筋や肩甲帯やなどの四肢の筋群の特に近位部を制御しています。→主に姿勢を調節して安定性に関わるシステムです。

・「背外側系」のシステムは、四肢の筋群が協調的に働いて、リーチ動作をしたり、手指の巧緻動作に重要な役割を持ちます。→人間の上下肢の運動に関わるシステムです。

以下に主な経路を紹介します。

★腹内側系の運動性伝導路

①橋網様体脊髄路
 ・骨盤・体幹・肩甲帯の立ち直り運動など姿勢調整
 ・歩行時のバランス調整
 ・呼吸のパターンジェネレーターの修飾
 ・コアコントロール(上肢使用時)

②延髄網様体脊髄路
 ・脊髄レベルの歩行パターンジェネレーター
 ・上肢のリーチ

③内側前庭脊髄路
 ・頭頚部や上部胸郭の平衡に関与している

④外側前庭脊髄路
 ・同側の上下肢の平衡に関与している
 ・歩行や立位時のウエイトシフトで同側の伸筋群の賦活

⑤視蓋脊髄路
 ・視覚性の追跡運動中の頸部の運動と眼球運動の協調のために働く

⑥間質脊髄路
 ・頭頚部のコントロール(速い眼球運動に伴う)

⑦青斑核脊髄路
 ・四肢伸筋群の興奮性上昇させる→筋緊張増強

⑧前皮質脊髄路
 ・四肢近位筋、体軸の筋の調整

★背外側系の運動性伝導路

①外側皮質脊髄路
 ・上肢のリーチ運動
 ・プレシェイピング
 ・足部の随意運動

②赤核脊髄路
 ・上肢手の選択運動の一部を調整

(古澤 正道:電子ジャーナル プロフェッショナルリハビリテーション 脳血管障害を見るための運動性伝導路の基礎知識:2013)


※関連記事
関連:10分でわかる脳の構造と機能-畿央大学

COMMENT 2

Fri
2014.08.22
00:13

いなみ #-

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質問

大阪の回復期病院でPTをしているものです。
当ブログは分かりやすくまとめられていて、よく臨床のヒントにさせて頂いております。

質問があります。右側脳幹梗塞の患者で立位において右側へふらつきが多く(重心も右側へ偏移しています)、外側前庭脊髄路の障害が影響していると考えております。しかし意識的に片脚立位をとると右側の方が安定しています。この場合は意識的に行うために背外側系が優位とるためなのでしょうか?ご意見をよろしくお願いします。

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Mon
2014.08.25
22:32

FC2USER443754VEG #-

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Re:質問

ご質問有難うございます。いつもブログを見ていただき有難うございます。臨床に少しでもヒントになるような内容であることを願って更新しております。

遅くなりましたが、ご質問の内容ですが、立位で右側へのふらつきが多く、片脚立位になると右へのふらつきが減少することが、神経系の制御だけで説明できるかどうかという所に関しては難しい所だと思われます。

片脚立位になること自体は、そもそも支持基底面が狭くなり、ふらつける幅が狭くなるので、そういう姿勢制御に自然となることも考えられますし、あるいは荷重によって腹内側系の活性化が行われたとも考えられるし、そのほかにも色んな要素が考えられるのかとも思われます。

その患者さんによって何が良かったのかを考察するには様々なデータから吟味していく必要があるのではないかと考えます。

ここまでしか答えることができませんが、よろしくお願いいたします。

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