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身体図式(body schema・ボディースキーマ)と身体イメージ(body image・ボディーイメージ)

 03, 2014 00:26
姿勢鏡

身体図式(body schema)身体イメージ(body image)について、耳にされた事があるかと思います。いわゆるボディースキーマボディーイメージですね。

臨床において、体幹や頸部の側屈を修正した際に患者さんが、「ここがまっすぐですか?分からんもんですねぇ。自分はもっとこっちがまっすぐだと思っていました。」などという発言を聞いたことありませんか?

この状態は、例えば長年の不良姿勢の蓄積によって、筋・筋膜の長さや歪みとして体幹側屈などの変化が生じ、身体図式も同じように歪んできてしまっている状態です。一方、身体イメージは意識的なものなので、客観的に体幹側屈している人でも、本人は体幹がまっすぐ伸びていると思い込んでいる状態です。

①身体図式

身体図式という概念は1911年にイギリスの神経学者のSir Henry HeadとGordon Holnesによって提唱されています。

Headによると、身体図式は「自分の身体の姿勢や動きを制御する際にダイナミックに働く無意識のプロセス」と定義しています。

普段我々は日常生活を行う時に、関節の角度や筋出力、床反力や位置関係を意識することはありません。これらを意識して動作をしようとすると我々の脳はパンクしてしまいます。このような身体に関するフィードバック情報は頭頂葉にて統合されてできたものが身体図式です。

この機能があるために、普段の動作にてその時々の身体の状況を意識しなくても、無意識的に動作が滑らかに遂行できるのです。

身体図式の機能局在は前頭-頭頂連間にあるとされています。

詳しく言うと、身体図式の生成は、体性感覚情報背側経路からの視覚情報運動野からの遠心性コピー(※ちなみに、運動制御において運動の指令は運動野に送られるだけでなく、その信号のコピーが感覚野にかえってくると考えられています。これを運動野からの遠心性コピーと言います。)などの情報が集まり、それらが統合される頭頂間溝で行われます。

身体図式はヒトの成長に合わせて変化し続け、成人になってからもケガや関節変形にて変化する感覚情報にてリアルタイムに更新し続けています。

つまり、臨床において我々セラピストが患者さんに触れること、つまり感覚入力を促し、身体図式を経由して運動を変化させていくことが必要になります。

例えば、動作時に固定部位がある部分に存在すると、動作時はそこは動かない部位になるので、身体図式も「動かないものだ」とそのようになってしまいます。つまり、歩行時に二―ブレイスを膝に巻いた状態で歩こうとすると、足が振り出せないので、体幹を側屈させたり、骨盤を挙上させてあるこうとすると思います。これが続くと、膝が曲がらないという身体図式になってしまうのです。

②身体イメージ

身体イメージは、オーストラリア系アメリカ人の神経学者Paull Schilderが1935年に導入した用語です。

身体イメージは、「自分自身の身体について意識的にもつ表象」と定義されています。

つまり、「自分はこうあるはずだ」という印象をつくりだしていて、それは何かの情報を得る時の予測になります。

脳卒中の方においては、「自分はこうあるはずだ」という予測と思い込みによって、新たな視点で物事を見ることができなくなってしまい、片麻痺患者さんが感じている現実は、実際の現実とかけ離れている可能性があります。

例えば、脳卒中の初期に麻痺側の異常な重量感や、麻痺側を動かす際によりどころのなさなど今まで経験したことのないような感じのことです。この時、非麻痺側は正常と感じ、非麻痺側に依存した非対称的な姿勢をとりやすくなるのです。

患者さんの非対称的な状態をセラピストが他動的に修正しても、感覚情報に対して身体イメージが感覚入力を歪めてしまっているので、患者さんは「これはおかしい。まっすぐではない。」という感じを受けてしまうのです。

このような状態にしないためにも、臨床においてセラピストは急性期の段階から麻痺側からの体性感覚や前庭感覚や視覚からの入力を十分に行い、身体図式にアクセスしながら、正しい身体イメージに導いていく必要があります。

身体イメージの機能局在は左側頭葉にあると言われていますが、いろいろな考えがあります。

脳卒中の方だけでなく、摂食障害の方も身体イメージが歪んでおり、鏡に映った自分は実際には痩せているのに、身体イメージによる視覚情報の歪みにより自分はまだ太っているように感じるという方もおられます。

(舟波 真一、山岸 茂則:運動の成り立ちとは何か―理学療法・作業療法のためのBiNI Approach:2014)


※関連記事
関連:10分でわかる脳の構造と機能-畿央大学

COMMENT - 5

Mon
2014.11.10
17:47

新米PT #-

URL

はじめまして

 面白く読ませていただきました。

 BiNIアプローチの書籍に触れる方がいるとは思いませんでした。

 またたまに来ますね。

Edit | Reply | 
Tue
2014.11.11
00:20

FC2USER443754VEG #-

URL

Re: はじめまして

ご覧いただき有難うございました。

様々な視点で臨床が見れたらと考えております。

著者の方は、バイオメカニクスの観点や神経科学の観点を統合的に見ておられており、参考にさせていただいております。

Edit | Reply | 
Wed
2014.12.03
12:04

ななし #JalddpaA

URL

非常に参考になりました。私も、学会でその本を購入しましたが、ちゃんと読んでみます; いかに臨床に引き込みあって落とし込むかですね。

Edit | Reply | 
Thu
2014.12.04
01:35

FC2USER443754VEG #-

URL

Re:

コメント有難うございます。その通りだと思います。様々な文献からいかにして、臨床につなげていくか自分も努力していきたいと思っています。

Edit | Reply | 
Tue
2017.05.16
12:50

masu.t #-

URL

はじめまして。

最近あらためて中枢神経システムについて勉強しており、かつての自分の解釈の誤りに気付くことがあります。
そんな中で、とても分かりやすく解説してくださるサイトに出会いました。
また参考にさせていただきます。

Edit | Reply | 

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