臨床における運動学習

 13, 2014 23:10
学習段階とそれに応じた介入の方法 ブログ用

一般的に運動学習の段階としては、

①認知段階(cognitive stage):「何をするのか」
②連合段階(associative stage):「どうやって行うか」
③自動化段階(autonomous stage):「いかにうまくやるか」

の3段階に分かれます。

患者さんが訓練を開始し、自分の運動がうまくいっているかどうかのより所とするものの1つに、フィードバックがあり、大きく2つに分けられます。

外在的フィードバック:患者さんの外部から与えられるフィードバック

内在的フィードバック:患者さん自身が運動して得られる視覚、聴覚、触覚、固有感覚などによるフィードバック

また、外在的フィードバックはさらに2つに分けられます。

結果の知識(KR:knowledge of results)
例:立ち上がりが成功したかどうかの結果の情報や、歩行のタイムを計測した時の結果の情報、また、起き上がりが介助なしでできた時、歩行が介助なしでできた時、「今、介助なしでできましたね。」という声掛けを患者さんにしたとすると、これもKRとなります。

パフォーマンスの知識(KP:knowledge of performance)
例:歩行時につま先が下がっている状態の時に、「つま先が下がっていますよ」という声掛けや、立ち上がりの時に「もう少しおじぎを深くして立ち上がりましょう」という指導はKPの情報です。また、自分の運動をビデオで撮影しておいて、後から見るというのもKPの一つです。

練習の組み方として、分散法集中法一定練習多様練習があります。

分散法:休憩を長くとる、もしくは頻回に休憩をとる事です。

集中法:訓練試行間の休憩をかなり短くする事です。

一定練習:1つの課題に関して単一のパターンで行う練習の事です。

多様練習:様々なバリエーションを含む練習の事です。

以上の事からまとめると、訓練中に行う運動課題の方向性としては、

①認知段階
この段階では、運動課題を十分に理解し、動機づけを持続させるように注意します。つまり、この段階では教示やハンドリングはすごく重要になってきます。また、身体を使わないで運動をイメージさせながら行うメンタル・プラクティスもこの時期には有効です。

②連合段階
この段階は認知段階で理解した運動課題を修正しながら、一貫したものに仕上げていく段階です。この段階はエラーもだんだん少なくなってきているので、安定して効率の良い運動が行えるようにしていきます。外在的フィードバックは徐々に減らしていきます。内在的フィードバックも視覚から少しずつ固有感覚へと移行していきます。また、この段階から異なる環境下においても、自分で調整・修正を加えて、課題を解決する能力を習得していきます。

③自動化段階
この段階の外在的フィードバックは、明らかに間違えているような時に行い、原則的にはフィードバックは与えません。課題は、さまざまな環境や課題のバリエーションを試みていきます。動作課題の速度、距離、複雑さを加えて難易度を上げていきます。課題は患者さんが関心度が高いものが良いとされます。この段階は、患者さんの自己管理能力はかなり進歩している様な状態です。患者さんに自分でどんどん動いてもらうようにしていくのが良いでしょう。

(柳澤 健:運動療法学 改訂第2版:2011)


(中山 孝:理学療法基礎治療学〈1〉運動療法―コアカリ準拠 (ビジュアルレクチャー):2012)


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