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糖尿病(DM)に対する理学療法の考え方

 14, 2015 22:32
糖尿病はここ近年の食生活の変化や、ライフスタイルの乱れにより、患者数が急増していると言われています。

臨床においても、糖尿病を患っている方は多く、それに伴い合併症が出現し、ADLが低下している患者さんは多く見られます。

われわれ理学療法士は「糖尿病」に対してどのような方針で、患者さんにどう説明し、どういったアプローチをしていけば良いのでしょうか?

まず、糖尿病には大きく1型糖尿病2型糖尿病がありますね。

○1型糖尿病に対する理学療法の考え方

1型糖尿病は、インスリンを合成・分泌する膵臓のランゲルハンス島のβ細胞によって、血液中のインスリンが不足し、絶対的な欠乏状態になる事です。これに対して、高血糖となり糖尿病性ケトアシドーシスにならないように患者さんの保護のため、インスリン注射が必要になります。

こういった方に理学療法では運動療法を行いますが、運動療法によって筋量の維持・増大を図り、インスリンの利きを良くするとともに、心肺持久性も向上させ、ADLが快適に行えるという効果があります。

「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」においても、1型糖尿病患者における運動療法は、「進行合併症が無く血糖コントロールが良好な場合、インスリン療法や捕食でいかなる運動も可能であり、長期的血糖コントロールは不明だが、心血管系疾患の危険因子を低下させ、生活の質を改善させる」として強く勧められています。

○2型糖尿病に対する理学療法の考え方

対して2型糖尿病は、生活習慣の乱れや環境因子などが影響する事により発症します。現代人に多いのはこちらで、日本の糖尿病の全体の9割を占めるともいわれています。

インスリンの分泌の低下インスリンの感受性低下が原因となります。

こういった場合の理学療法は、糖尿病発症前の耐糖能障害(IGT)の場合は、糖尿病の発症予防として、また、発症してしまった場合は合併症予防として適切な運動療法を実施します。

合併症を発症してしまった場合には、病態に合わせて運動療法、物理療法、補装具療法やADL指導が行われます。最終的には症状の進行を遅らせ、運動機能を十分に維持させていくことを目的とします。血糖コントロールに関してのみ理学療法介入するのではなく、日常生活全般に治療介入していく必要があります。

「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」においても、2型糖尿病患者における運動療法について、「運動により心肺機能、血糖コントロール、脂質代謝の改善、低血圧やインスリン感受性の増加が認められ、食事療法と組み合わせるとさらに高い効果が期待できる」と強く推奨されています。

以上がそれぞれの理学療法の考え方となります。

では、実際に予防として、どのような運動療法が良いのでしょうか?

運動の要素としては、心肺持久力を向上させる有酸素運動、筋力・筋持久力を向上させるレジスタンストレーニング、柔軟性を改善させる体操やストレッチングなどの3つの要素をバランスよく組み合わせて、個別にその比率を調節しながら実施していくことが望ましいとされています。

運動前後には3分以上の準備運動と整理運動を行います。

運動の内容は、患者さんが「いつでも・どこでも・一人でも」できる運動を選択し、実施しやすいものを指導します。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準」(2013)においては、「運動」や「生活活動」の活動量として3METS以上の活動を行う事が推奨されています。

以下の表は糖尿病のコントロールの基準ですが、この基準を参考に運動プログラムの立案や、継続の判断に反映させていきます。こういった指標により運動療法を考えていきます。

糖尿病のコントロール基準と運動の効果 ブログ用

(南條 輝志男、大平 雅美、野村 卓生、石黒 友康:糖尿病の理学療法:メジカルビュー社:2015)

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