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関節可動域制限の原因

 28, 2015 23:19
体幹 回旋 ブログ用

臨床では、関節可動域制限が生活活動の主な阻害因子になりえたりします。われわれ理学療法士は関節可動域制限に対してアプローチしていくことも大切ですが、なぜ可動域制限を生じたのかを考える必要もあります。それを踏まえて可動域制限が生じないように考えていく必要もあります。

今回は、どのような影響によって関節可動域制限が生じるのかについて考えていきます。

○年齢の影響

臨床においては高齢になるほど、関節可動域制限が多く発生している事を経験します。加齢によってどのような器質的な変化があるのかというと、関節周囲の結合組織の中の主要構成成分であるコラーゲンが変化する事が、主な原因と考えられています。

また、結合組織だけでなく、加齢により筋量そのものが減少したり、筋力発揮をつかさどる運動単位数が減少する事により筋力低下が生じ、この事が関節の不動状態を作り出し、二次的要因として可動域制限をつくりだします。

○罹患期間の影響

脳血管疾患の患者さんで、急性期と回復期において、急性期では4割の方が関節可動域制限が認められたのに対し、回復期では9割の方に関節可動域制限が認められ、この事から罹患期間が長いほど関節可動域制限が生じる事が認められています。

これは脳血管疾患の場合、痙性や痛みによる筋スパズムによって関節の不動が惹起される事に加え、健康な状態よりも身体活動が低下し、関節の不動化が長期化する事によって可動域制限が生じるものと考えられます。

○日常生活活動能力の影響

先行研究において、日常生活活動能力が低いほど関節可動域制限の発生やその程度が著しくなる事が示されています。

○麻痺ならびに痙縮の影響

Shimadaらの調査結果において、痙縮の存在が関節可動域制限の発生に関連する事が示されており、痙縮の発生してそれが継続する事により、関節の不動状態が長期化し、関節可動域制限を生じさせる事が考えられています。

○痛みの影響

急性痛にしても慢性痛にしても、脊髄後角は感作状態にあり、この影響で運動神経が刺激され、筋スパズムという状態をつくってしまいます。この状況が持続すると関節の不動状態となり、関節可動域制限の発生や進行を招いてしまいます。

痛みの増強によってさらなる可動域制限を生じる事もあるでしょう。

○浮腫の影響

関節可動域制限の発生に関しては、浮腫の影響があります。

外傷後の炎症期においては、末梢血管の透過性の亢進により、損害部周囲は組織液が貯留して、同時に好中球やマクロファージ、線維芽細胞などの細胞湿潤も見られこれらにより結合組織の増生が惹起されます。このような状態が継続すると、その周囲の軟部組織は低栄養、低酸素状態に強いられ、壊死を生じこれを貪食する目的で細胞湿潤も活発となります。特に、筋線維はこの影響を受けやすく、再生が困難な場合には消化された筋線維を置換するように結合組織の増生が見られます。つまり、浮腫の発生によって関節可動域の制限につながります。

また、炎症期にはほぼ必ず痛みを伴いますが、マクロファージなどから産生される炎症性サイトカインは痛みの増強を生みます。浮腫のみにより関節の不動を生むというよりも、痛みと併存する事で関節の不動状態が生じ、それが関節可動域制限につながります。

(沖田 実:関節可動域制限―病態の理解と治療の考え方:三輪書店:2013)



以上の影響を踏まえ、関節運動の制限因子は何かを詳しく考察していきます。

○関節内因子

・関節面の変化(軟骨損傷、退行性変性、関節破壊など)
・骨片や軟部組織(半月板、滑膜ひだなど)の嵌頓
・関節線維症
・関節血腫や水腫による内圧亢進
・関節包や関節嚢、脂肪体、靱帯の癒着・短縮

○関節外因子

・皮膚、脂肪体、筋、靱帯、腱などの癒着・短縮
・異所性骨化
・骨の変形(アライメント異常)

○力学的因子

・痙性、固縮、筋スパズムなど

○その他

・疼痛、精神的影響など

(奈良 勲:骨関節理学療法学 (標準理学療法学 専門分野):医学書院:2013)


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