触っただけでも痛い「アロディニア」と、軽い痛み刺激でも痛い「痛覚過敏」

 08, 2015 00:41
臨床では術後の炎症や、神経の損傷により痛みが長引き、通常よりも痛みの訴えがかなり強くなっている患者さんを目にすることがあると思われます。

「痛い!痛い!なにすんねん!!」「そんなに痛いですか?触ってるだけですけど?」

こういった痛みには大きく2つに分けられ、普通に触っただけでも痛い「アロディニア」と、軽い痛み刺激でもものすごく痛みを感じる「痛覚過敏」があります。

こういった強い痛みの訴えは、臨床においてリハビリテーションの進行の妨げとなり、難治性の疼痛となる場合があります。今回はこの痛みのメカニズムにクローズアップしていきます。

○アロディニア

アロディニアとは正常なレベルの触刺激、圧刺激あるいは温冷刺激においても「痛い!!」と感じてしまう状態の事であり、時には自分の着ている服や、布団やクッションが当たるだけでも痛く、風が当たっただけでも痛いと感じてしまう事もあります。こういった痛みは日常生活に大きな支障をもたらすことになります。

アロディニアのメカニズム ブログ用

アロディニアがなぜ発生するかというメカニズムについては2つあります。

・侵害受容器の閾値低下(末梢性感作)
・WDRニューロンの閾値低下(中枢性感作)

このいずれか、あるいはどちらもが生じる事によって、通常痛みとならないはずの刺激が痛みとして生じます。

○痛覚過敏

痛覚過敏は、軽い侵害刺激を非常に強い痛みとして感じる状態です。痛覚過敏はアロディニアとともに生じる事が多く、刺激と反応の様式はアロディニアと同一です。

痛覚過敏には一次痛覚過敏二次痛覚過敏があります。

一次痛覚過敏障害の局所(障害部位)で生じます。⇒侵害受容器の過敏化(末梢性感作)

二次痛覚過敏障害部位の周囲⇒脊髄後角の侵害受容ニューロンの過敏化(中枢性感作)

以上のメカニズムで痛みが生じています。

痛みを軽減させるアプローチは様々あると思います。痛みの原因に対しての治療(薬剤など)なのか、鎮痛系の賦活(運動療法、電気刺激、心理的アプローチ、生活環境整備など)なのか、目的をはっきりさせてアプローチしていく必要があります。

セラピストはこういったメカニズムを認識し、どのようにする事で痛みが増強したり、痛みが軽減したりするのかを個別的に把握していく必要があります。

(松原 貴子、沖田 実、森岡 周:ペインリハビリテーション:三輪書店:2011)


(伊藤 和憲:図解入門よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book):秀和システム:2011)


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