発熱患者に対するリハビリテーション介入

 11, 2015 22:04
臨床の現場において、発熱の症状を呈する患者さんは良く見かけます。セラピストはそういった症状を前にどういった事を考え、どういった対処を考えていかなければならないのでょうか?

熱 画像

発熱は頻繁に生じる合併症ですが、原因として多いものは感染症です。

実際はかぜ(急性上気道炎)などのような自然に軽快するものが多いですが、一部には敗血症髄膜炎などのように対応が遅れると致死的なものもありますので、気をつけていかなければいけません。

以下に「頻度が高いもの」、「緊急性があるもの」、「その他の原因のもの」を記しています。

発熱のリスク管理 ブログ用

発熱後、リハビリテーションを行うかどうかは、虚弱高齢者の場合、脱水や衰弱によって二次的な問題を生じる事があるため、バイタルサインに留意しながら進めていく必要があります。

重篤な疾患でない場合にリハビリテーションを実施するかは、発熱の程度バイタルサイン重症感に応じて判断します。

「リハ安全ガイドライン」では、安静時体温が38.0℃以上では積極的なリハを行わないようにしています。

以下に疾患の概要を記します。

●敗血症

敗血症は全身性の細菌感染により、全身状態の悪化を生じます。敗血症が重篤化してしまうと、肺・肝臓・腎臓などのさまざまな臓器が機能不全を起こしてしまい、予備能力の低い高齢者は死に至る事があります。

敗血症のリスクが高い方は、高齢者、がん患者、免疫不全症例、カテーテル留置症例で発生が多くなります。こういった患者さんでは注意して評価していかなければいけません。

・敗血症を疑わせる所見
1)高熱:38℃以上、低体温:36℃以下
2)頻脈:90回/分以上
3)頻呼吸:20回/分以上
4)白血球数:12000/μl以上、または4000/μl
5)尿量減少
6)意識障害、せん妄
※これらが複数みられた場合は敗血症の可能性があります。

●髄膜炎・髄膜脳炎

髄膜や髄腔に細菌やウィルスが感染して炎症を起こしている状態です。こういった状態が重篤化すると後遺症が残ったり、死に至る事もあります。

症状としては発熱以外に、頭痛、嘔吐、髄膜刺激症状、意識障害などを生じます。

髄膜刺激症状では項部硬直が生じやすくなり、評価も可能です。

●肺炎

肺炎が重症化し死に至るケースは、高齢者を中心に見られる事が多いです。

肺炎の症状としては、発熱、痰、呼吸困難があり、臨床所見としてはSpO2低下、肺雑音などが挙げられます。

●尿路感染

臨床の現場において、尿路感染による発熱は非常に多く見られます。リハ対象となる高齢者や脊髄障害の患者さんに多いです。

尿路感染の原因の一つとして、バルーンカテーテルからの逆行性感染が多く見られます。バルーンカテーテルはこれらの感染以外にも膀胱結石や尿路潰瘍の原因となるため、早期の抜去が必要です。

●手術部位の感染

手術部位に感染を生じる事があります。手術部位の自発痛、圧痛、熱感、腫脹には注意が必要です。痛みや炎症所見が時間の経過に伴い、軽減するどころか増悪する場合は感染を疑います。

整形外科の手術後など、体内にプレートや髄内釘などの内固定材料がある場合は、難治化する場合があります。

(亀田メディカルセンターリハビリテーション:リハビリテーションリスク管理ハンドブック 改訂第二版:メジカルビュー社:2012)


※関連記事
関連:臨床実習が始まるまでに読んでおきたい・揃えておきたいオススメ参考書

COMMENT 0

WHAT'S NEW?