scapular planeって何?

 14, 2016 01:36
scapular plane ブログ用

肩関節の運動療法を考慮していく上で、「scapular plane(肩甲骨面:スキャプラプレーン)」という概念が存在します。一体これは何なのでしょうか?

scapular planeの概念を最初に提唱したのは、恐らくFick(1911)だと言われています。

現在の常識として、Steindler(1970)により「scapular planeは前額面寄り30°ほど前方に偏移した面、言いかえると前額面と肩甲骨面とが30°の角をなす面」とされています。上図の状態です。

臨床において、肩甲上腕関節の関節可動域制限を確認した際には、関節包・靱帯の制限である場合が多いですが、関節包の緊張の度合いを評価するためにscapular planeの考え方が必要です。

関節包は前・後・上・下の線維に分類できますが、scapular plane上で約45°外転した肢位では、関節包全体の緊張が最も均一になります。

よって、このscapular plane45°の肢位を基準とし、関節包の前・後・上・下それぞれの方向にストレスをかける事によって、線維の硬い部位を知ることができます。

評価する際の注意点としては、肩甲骨が偏移している方の場合、肩甲骨面が前額面から必ず30°の位置になっているとは限りませんし、上腕骨を動かした際に同時に肩甲骨が動いてしまい、scapular plane45°になっていない可能性があるので、肩甲骨と上腕骨の位置を確認しながら評価していく必要があります。

以下は肢位の違いにより、関節包・靱帯の伸張される部位をまとめたものです。

○前上方関節包・上関節上腕靱帯・烏口上腕靱帯
⇒1stポジションによる外旋45°まで達しない場合はこれらの制限の可能性があります。

○前方関節包・中関節上腕靱帯
⇒45°外転位による外旋70°まで達しない場合はこれらの制限の可能性があります。

○前下方関節包・前下関節上腕靱帯
⇒2ndポジションによる外旋50°まで達しない場合はこれらの制限の可能性があります。

○後上方関節包
⇒1stポジションによる内旋90°まで達しない場合はこれらの制限の可能性があります。

○後方関節包
⇒scapular plane45°による内旋45°まで達しない場合はこれらの制限の可能性があります。

○後下方関節包・後下関節上腕靱帯
⇒3rdポジションによる内旋50°まで達しない場合はこれらの制限の可能性があります。

各肢位における関節包の硬さの評価に関しては以上の通りですが、評価する際には筋の短縮やスパズムの影響を取り除いてから行う必要があります。これらが制限因子となっている場合は、関節包の評価が十分に行えません。

(石井 慎一郎:動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践:メジカルビュー社:2013)


(信原 克哉:肩 第4版: その機能と臨床:医学書院:2012)


(赤羽根 良和、林 典雄:肩関節拘縮の評価と運動療法 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ):運動と医学の出版社:2013)


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