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関節可動域の制限因子

 17, 2016 17:40
理学療法を実施する上で、関節可動域訓練は動作障害、ADLの低下に対してのアプローチに必要になります。

我々は関節可動域制限の制限因子を考察し、それに対してアプローチしていかなければいけません。

関節可動域制限 ブログ用

関節可動域の制限因子

≪理学療法による介入が可能な制限因子≫
○皮膚の癒着・瘢痕

皮膚による制限の場合、主に手術の術創部周囲、外傷での傷、熱傷などの後では、皮膚に瘢痕が形成されて肥厚して硬くなったり、筋膜などの周辺組織とくっつきやすくなり、癒着が生じやすくなります。

こういった制限の場合、ROM最終域では皮膚の表面が突っ張ったような感触を感じ取ることができ、患者さんも「皮膚が突っ張って痛いです」というような痛みの訴えが多いです。皮膚が見た目にもぱつんと張っています。評価の際には感染による危険性に注意しなければなりません。

○関節包や靱帯の癒着・短縮

関節周辺部の手術後や、外傷、また、関節を長期間動かさなかった事(不動)による原因が多いです。患部の固定や臥床による不動によって関節包や靱帯が癒着したり、短縮したりします。

この場合のエンドフィールは最終域にて非常に硬いエンドフィールで、可動域全般では抵抗を感じず、最終域にて急に抵抗感を感じます。患者さんは最終可動域で、痛みを感じる事は少ないです。

○筋・腱の短縮

術後の安静や外傷、患部の固定や長期臥床などによる不動によって生じる組織学的な変化であり、骨格筋内のコラーゲン線維の形態や性質、リモデリングが影響すると考えられます。

最終域に関節が向かうほど患者さんは徐々に伸張感を感じ、弾力のある軟部組織伸張性のエンドフィールとなります。患者さんは最終域において比較的痛みの訴えは強くありません。

臨床において、関節可動域制限の制限因子の中で、最も割合が高いとされています。

○筋緊張の亢進

中枢神経系の問題による痙縮や固縮など、末梢神経性の制御機構の問題、筋スパズムなどの持続的な筋緊張の亢進状態がある事によって、ROM制限となります。

筋スパズムとは?こちら⇒筋スパズム(spasm)とは?

こういった制限の場合は、コラーゲン線維架橋などの構造的な短縮は無いとされています。可動域全般で何らかの抵抗感が生じる事が多く、筋スパズム性の場合であれば、可動域初期から患者さんは伸張痛などの強い痛みを訴える事が多いです。

○腫脹や浮腫などによる制限

関節内外の炎症や手術侵襲によって、生じる浮腫や腫脹によってROM制限が生じます。浮腫や腫脹が強い状態では、最終域において弾力のある軟部組織性の制限となります。

浮腫などの浸出液は、線維素が多量に含まれる事で、周辺組織の線維化を促進し、拘縮を発生させやすくなってしまいます。二次的な可動域制限を予防していくためにも、浮腫の軽減を目的に介入する必要があります。(寒冷療法、弾性包帯による圧迫、ハドマー、患部の挙上、筋ポンプ作用を促すための運動など)

炎症による浮腫や腫脹である場合、関節を動かす際には痛みを生じる場合が多く、動かす際は痛みによる防御性収縮が生じて可動域制限の増悪にならないように注意して動かさなければなりません。

○関節包内運動の障害

関節内外の様々な因子によって、関節内の構成運動や関節の遊び運動(joint play)が障害される事によるROM制限です。最終域では患者さんの痛みの訴えは少ないです。エンドフィールの抵抗性は様々です。

≪理学療法による介入が不可能な制限因子≫
○骨性の制限・骨の衝突

関節取り巻く構成体の変形(リウマチによる骨変形など)や、関節面の適合が不整な場合、骨棘の形成などに見られます。最終域まで他動的に動かすと、コツっと突然ぶつかったようにロッキングを起こします。

こういった場合には、関節可動域訓練は禁忌となります。理学療法の対象外となるため、治療方針として代償動作の獲得とADL指導が中心となります。

レントゲンなどを併用しながら確認していくと良いでしょう。

○関節内の損傷(半月板・関節内遊離体など)による制限

膝の半月板損傷、野球肘などによる関節内遊離体(関節鼠)などの場合においては、他動的に最終域まで動かすと、跳ね返るような抵抗感を感じます。

こういった場合も、可動域を徒手的に改善する事はできません。無理に行うと痛みや炎症を引き起こし、逆効果となってしまいます。Dr.と相談の上、外科的な処置が必要な場合があります。理学療法の対象外です。

○炎症症状による痛み

(中山 孝:理学療法基礎治療学I 運動療法 (ビジュアルレクチャー):医歯薬出版:2012)


(市橋 則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際:文光堂:2014)


(解良 武士:運動療法学 (15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト):中山書店:2014)


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