転倒における内的因子と外的因子

 29, 2016 16:52
転倒における内的因子と外的因子

転倒の危険因子には、対象者自身の特性である内的因子(intrinsic factors)と、環境や課題などの外的因子(extrinsic factors)があります。

○内的因子

身体的な物
・平衡機能(バランス能力)
・協調性
・筋力
・持久力
・柔軟性
・姿勢
・疾患
・感覚(視覚、体性感覚、前庭感覚など)

認知・心理・行動的な物
・注意
・意識状態
・高次脳機能(失認、失行、失語など)
・身体イメージ
・興奮状態
・抑うつ状態
・転倒恐怖感
・運動習慣
・性格

○外的因子

環境的な物
・床や路面の状態
・障害物
・段差や階段
・照明
・靴
・歩行自助具
・衣類
・薬物(精神安定剤、鎮痛薬、降圧剤)

課題や動作による物
・バランス能力の必要な課題(平均台など)
・大きな筋力の必要な課題(重量物の運搬など)
・スピードの必要な課題(急な呼び出しなど)
・二重課題(お盆を持って歩くなど)
・不慣れな動作(後ろ歩きなど)
・不意な外乱(電車の急停車など)
・感覚遮断(閉眼での作業など)

以上の因子が1つでも問題があれば転倒の危険性が生じ、危険因子が増えれば増えるほど転倒のリスクは上がります。

理学療法士が患者さんに対してできる事は、転倒の危険因子がどの程度あって、パフォーマンスや身体機能または精神機能への関わり、あるいは環境や動作課題の設定など個人に合ったアプローチをしていくことが大切だと思われます。

理学療法 第27巻第5号:メディカルプラス:2010)



または、こういう事も言われています。

○内的因子

基本的属性:年齢(80歳以上)、女性

身体機能:筋力低下、バランス機能低下、歩行能力の障害、視力障害、排尿・排便障害

医学的問題:脳卒中後遺症、パーキンソン症候群、関節疾患、起立性低血圧、高血圧、不整脈

認知・心理機能:認知障害、抑うつや不安、転倒恐怖

薬剤:睡眠薬、鎮痛薬、抗不安薬、抗うつ薬、降圧薬、薬剤の数、薬剤感受性の変化

○外的因子

段差:敷居、戸口の踏み台

床の状況:カーペットの端・めくれ・ほころび・ずべりやすい床、床面の凸凹

照明:暗い照明、急速な照明変化

履物・衣類:不適切な履物(スリッパ・サンダルなど)、足が引っ掛かりやすい衣服

障害物:電気のコード、通り道の障害物

ベッドルーム:ベッドの不適切な高さ、ベッド周囲の家具の不適切な配置

(市橋 則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際:文光堂:2014)


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