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座位保持に必要な要素とは?

 09, 2016 00:14
椅子座位

臨床においては、端座位が取れずにバランスを崩してしまう患者さんを見る事があると思います。

なぜ端座位で保持できないのでしょうか?患者さんが座れない理由を説明できますか?

座位保持に必要な要素は以下の項目になります。

①身体各部位の適切なアライメント形成

まずはアライメントですよね。アライメントが崩れている状態では、健常者でも座位保持は困難となります。

「安定した座位アライメント」とは、ランドマークで示された身体各部位が適切な位置にある事と定義されています。

立位時の姿勢アライメントと同じです。(骨盤は少し違いますが)

矢状面:耳孔・肩峰・大転子が直線上に位置する。
前額面:両側の耳孔、両側の肩峰、両側のASIS、両側の膝蓋骨、両側の外果を結んだ線がそれぞれ平行になる。
骨盤は中間位:ASISとPSISが水平


安定した座位姿勢が取れるために、まずこのようなアライメントとなっているかを確認する必要があります。

②安定した座位バランス能力

われわれは重力に対して、頭部・体幹・骨盤・下肢の適切な位置を知覚して、姿勢を制御する事により最適な座位を保っています。

また、安定した座位では、視覚フィードバックによる周辺の空間と自己の位置を相対的に制御する空間における身体定位能力と、閉眼時でも重力位を知覚して、適切な位置に座位を保持する体性感覚機能の両面によって維持されています。

③表在・深部感覚による感覚フィードバック

適切な姿勢での座位保持を行う為に、われわれは平衡反応に加えて、座面や両足底から入力される表在・深部感覚のフィードバックを統合させています。足底や殿部のからの入力により、不良姿勢を感知します。

④左右差のない筋力と体幹を支える高い筋持久力

安定した座位であれば、両側の体幹・下肢などに著明な左右差は無く、頭部・体幹・骨盤・下肢が適切な位置にあります。

当たり前の事ではありますが、これがどちらか片側の肩甲帯が下がっていたり、骨盤が下制していたりするとそれを修正するために他の部位が過剰努力になったりと、筋活動の左右の不均衡が生じます。

こういった状態では座位安定性は失われてしまう為、安定した座位を保つためには均衡の取れた筋活動と、筋持久力が必要となります。

腹横筋・大腰筋などのインナーマッスルと、腹直筋・脊柱起立筋などのアウターマッスルの強化が座位保持の鍵となります。

⑤腹腔内圧の補助的な支持機能

腹腔とは上下部を横隔膜と骨盤、前後部を腹直筋、腹横筋、内外腹斜筋及び脊柱で囲まれた縦長の楕円状の空間の事です。

腹部に力を入れると、腹腔内圧は上下方向と前後方向に均一に伝わります。こういった加圧効果を効果的に高めるための筋群としては、腹直筋・腹横筋・内外腹斜筋です。

これらの腹壁となる筋群が同時に活動する事により、前方に膨らもうとする圧を抑え込むような働きで、上下方向に圧を拡張させます。それによって、体幹の支持性が高まるのです。

⑥作業活動における注意の持続力

①~⑤は身体機能面でしたが、適切な座位を保ち続けるには、高次脳機能の中の「注意」の維持が非常に重要になってきます。臨床においてもこの注意の持続が難しくて座位が保てない患者さんも多いのです。

以上6つの要素を満たす事で座位保持が可能となります。

(淺井 仁、奈良 勲:姿勢制御と理学療法の実際:文光堂:2016)


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