半側空間無視の予後

 21, 2016 09:15
半側空間無視

脳卒中患者さんで、半側空間無視が出現している方のリハビリテーションを行う際、この症状はどのくらい良くなって、いつまで回復が続くのか答えられますか?

半側空間無視に関しては、現時点では明確な発現メカニズムは解明されておらず、責任病巣も多様であり、プロトタイプな運動療法というのはなかなか設定できない状態かと思われます。

運動療法においてはそれぞれの患者さんにあったアプローチを設定されていると思われますが、予後は現在までにどのように言われているのでしょうか?

○半側空間無視の予後

・脳卒中発症後最初の数ヶ月で部分的な回復を示す。

・脳卒中発症後3.4週で29%が消失し、平均13.7週間の入院期間中に87%が消失する。

・半側空間無視が4週間以上続くと、障害として残りやすく様々なADL阻害因子となるとされる。

・被殻出血において、血腫量が20mlを超えると半側空間無視の出現リスクが増大し、40ml以上では残存する事が多いとされる。

・脳卒中の自然回復は発症後2~3カ月までに起こるものであるが、その時点でも視空間無視は患者の約1/3に残存し、慢性状態に陥る。

・視空間無視の回復曲線は12~14週でフラットになり、無視の神経学的自然回復は変化しなくなるとの報告がある。

・無視の回復に影響を与える因子としては、一般的に病巣の大きさと病巣と病巣周辺の血流量のほか年齢、病前知的能力(教育歴)などが報告されているが、症例差が大きいために予測が困難である。

以上となりますが、臨床的にみる半側空間無視の患者さんの状態に合っている様な気がします。

患者さんによって半側空間無視の回復を阻害する因子もいろいろあるのではないかと思いますが、大まかにこれくらいを目途にという予測を持ちながら、運動療法を進めていくことが重要になってくるのではないかと思われます。

(阿部 浩明:高次脳機能障害に対する理学療法:文光堂:2016)


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