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腓骨神経麻痺に対する理学療法

 10, 2016 22:10
腓骨神経麻痺は良く知られた言葉ですが、足関節の感覚障害に加え、足関節背屈障害・足趾伸展障害によって、つま先が上がらない「下垂足」の症状を呈する末梢神経障害です。

発生原因としては、手術に伴う損傷、ギプスや装具の適合不良あるいは、不良肢位による腓骨頭への圧迫、骨盤骨折、大腿骨骨折などの外傷が挙げられます。色んな事で生じてしまいますね。

長時間足を組んだ姿勢で座っていても腓骨神経が圧迫され、つま先が上がらなくなるという症状が出たりすると言われます。

まず、手術に伴う損傷は手術中に傷ついてしまう事が原因ですが、人工関節置換術や癒着の激しい方の手術操作の場合は困難を極める事がありますので、腓骨神経に損傷が起こる事も少ない事ではありません。

そして、原因としては最も多いと思われますが、総腓骨神経が直接的に圧迫を受けてしまう事で麻痺になってしまう事があります。これはベッド上背臥位で、股関節外旋位を長時間とる事によって腓骨頭近傍が常に圧迫され、腓骨神経麻痺が誘発されてしまいます。これはギプスや装具の適合不良による圧迫においても生じます。

下の図の部分です。

腓骨神経麻痺

また、支配筋についておさらいです。

深腓骨神経:前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、短趾伸筋、短母趾伸筋、第三腓骨筋
浅腓骨神経:長腓骨筋、短腓骨筋

つまり腓骨神経麻痺が生じる事によって、動きとしては足関節の背屈、回外、足趾の伸展、回内位での足関節底屈が障害されます。

そのほかに骨盤骨折や、大腿骨骨折などでも腓骨神経麻痺が生じますが、これは総腓骨神経の上の坐骨神経が骨折によって損傷を受ける事で、麻痺の影響を受けてしまうものです。

腓骨神経麻痺に対する理学療法ですが、まず、なぜ腓骨神経麻痺になったのか原因を確認して合併症の予防と、麻痺の回復に合わせた運動機能向上が目的となります。

○ベッド上臥位のポジショニングに注意する

原因としては一番多い腓骨神経の直接的な圧迫を避ける必要があるため、臥位においては股関節内外旋が中間位になるようにクッションなどでポジショニングします。これにより直接的な圧迫を避けておきます。

また常に股関節が外旋位になっていないかチェックし、足関節背屈・足趾伸展の動きがあるかどうか日頃からチェックします。

○尖足変形を予防する

前脛骨筋が麻痺してしまうと、拮抗筋である下腿三頭筋が優位になるため、足関節は底屈位をとります。(下垂足)

下垂足を放置してしまうと、底屈筋群が短縮してしまい尖足変形を生じてしまうため、十分な足関節背屈ROMエクササイズが必要となります。

また、深腓骨神経の麻痺によって長趾伸筋や長母趾伸筋も動きが障害されている場合は、足趾屈筋優位となるため足趾伸展のROMエクササイズも重要となります。

○筋力訓練を考慮する

麻痺筋は易疲労性があるので、強すぎる負荷では逆に筋力の低下につながってしまいます。筋力訓練は段階的に麻痺の回復に合わせて負荷量を調節していかなければいけません。

筋力が次第に回復してきたら、不安定版の活用によって荷重位で足関節の内返し、外返し、底背屈を促通し、感覚入力を増やす事で筋協調性の改善につながる事が期待できます。

神経回復の可能性が低い時は、麻痺の回復に固執せずどのようにしたらADL獲得につながるか、環境設定なども考慮しながら進めていきます。

筋力増強プログラム

○装具を処方する

歩行が不安定な時や、足関節の拘縮予防が必要な時は装具の適応となります。

下垂足の症状が軽度であれば弾性包帯や弾性バンドで対応ができるかと思われます。強い固定が必要な場合はプラスチックの短下肢装具を検討します。装具装着時は腓骨頭の圧迫がないか等確認して、足趾屈曲が歩行に影響する場合は足趾までカバーできる装具を検討します。

(國安 勝司、渡邉 進、椿原 彰夫:PT・OTのための 臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 PT版:診断と治療社:2016)


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