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糖尿病患者に対する運動は「週2~3回、20分以上の有酸素運動」がなぜ勧められているのか?

 13, 2016 17:07
有酸素運動 女性

糖尿病診療ガイドラインにて有酸素運動は週2~3回以上、20~60分行う事が一般的に勧められています。なぜこのような設定になっているのでしょうか?

そもそも「有酸素運動」とは、エネルギー産生に酸素を利用する運動の事を指し、無酸素性作業閾値(AT)以下の中等度までの強度で行い、糖や脂肪を燃やしながら行う運動の事を言います。

根拠となる効果としては、有酸素運動を20分以上行う事によって急性効果により血糖値を下げ、週2~3回以上実施して運動しない日をあまり開けすぎないようにする事で、インスリン感受性、血糖コントロール、脂質代謝改善などの慢性効果を持続させるためという理由があります。

以下に作用機序を生理学的に述べていきます。

まず、インスリンが作用するには、細胞膜のインスリン受容体に結合し、細胞内のIRS、PI3キナーゼ、Aktなどの伝達分子を活性化させる必要があります。伝達分子が活性化すると、細胞内の糖輸送担体(GLUT4)が細胞膜表面に移動し、糖を骨格筋内に取り込みます。運動はインスリン受容体や伝達分子を増加・活性化させ、インスリン感受性を亢進させる効果があります。また、GLUT4を優位に増加させるという報告があり、糖を取り込みやすくし血糖コントロールに寄与します。細胞内のミトコンドリア数も増加するため脂肪酸酸化能力も改善されます。

運動によりこういった効果が期待できるのです。

これらの慢性効果は、運動を中止しても24時間(1日)~72時間(3日)その効果が継続されるという報告があります。そのため、週2~3回以上の有酸素運動を行う事でその効果を保つことができます。

下記の図の通り、運動しない日を開けすぎると1週間で効果は消失してしまいますので、日を開けすぎないように注意は必要です。

インスリン抵抗性の改善効果

また、20分以上の有酸素運動を実施する事で、運動しない場合より血糖上昇の程度が小さくなると言われています。米糖尿病学会では糖尿病患者に対して運動は週に150分以上実施するよう推奨しています。毎日運動するとしたら日割にして1日20分程度となりますし、週3~5回の頻度であれば一日当たり30分~50分の運動時間が必要となる計算になります。また、糖質・脂質の効率良い燃焼のためには20分以上持続する事が望ましいとされます。

推奨される有酸素運動の種類は、全身の大きな筋を使った運動でウォーキング、ジョギング、サイクリングが代表的です。

運動強度に関しては、心拍数自覚症状を目安に設定します。

心拍数の目標値はKarvonen法を用い、予測最大心拍数の40~60%で設定した数値を使用します。

自覚症状の目標は、自覚的運動強度(RPE)Borg指数を使用します。RPEでは10~12の範囲、Borgスケールでは11~13の範囲が望ましいとされます。

(石黒 友康、田村 好史:理学療法士のためのわかったつもり?!の糖尿病知識Q&A:医歯薬出版:2016)


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