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なぜ片麻痺患者さんは典型的な「ウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位」になるのか?

 20, 2016 11:27
ウェルニッケマン肢位

臨床において、脳卒中後の片麻痺患者さんは典型的な「ウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位」となる事が非常に多いです。なぜなのでしょうか?

「ウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位」となってしまう原因も諸説ありますが、皮質-網様体脊髄路の活動が関与しているとされています。

そもそもウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位とは、病変対側の上肢が屈曲位、下肢が伸展位となる状態の事を言います。脳幹より上の外側皮質脊髄路の損傷で痙性麻痺が強いほどこの肢位が誘発されます。

脳卒中発症直後は、外側皮質脊髄路の損傷によって下行路の支配が消失すると、運動細胞の興奮も低下します。この急性期の状態は弛緩性麻痺の状態です。

そして徐々に慢性期に移行するにあたり、運動細胞の興奮性が上昇してくると痙性麻痺が出現してきます。この時に、上肢では屈曲運動細胞群に、下肢は伸筋細胞群に興奮が顕著となりやすい傾向にあります。これにより、「上肢屈曲パターン、下肢伸展パターン」が誘発されやすくなってしまうのです。

ただ、この「ウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位」を自ら保っているのではなく、「情動や感情が高揚する時や、随意運動を開始する際に”先行”してこの肢位が誘発されている」という事なのです。前者の場合は大脳辺縁系・視床下部から網様体への投射、そして後者では皮質-網様体投射が寄与すると考えられています。

これらの投射系によって網様体脊髄路系が賦活されると、興奮性が亢進している麻痺側の上肢屈筋運動細胞と下肢伸筋運動細胞は、非麻痺側の運動細胞よりもより強く活動するため、麻痺側の上肢屈曲位と下肢伸展位が誘発されます。

つまり、先行性姿勢制御を誘発する皮質-網様体脊髄路の活動が、運動麻痺におけるウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位の発現に関与すると考えられるのです。

(鈴木 恒彦:脳卒中の臨床神経リハビリテーション―理論と実践:市村出版:2016)


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