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病棟内歩行自立をどう判断していますか?

 03, 2017 16:51



「この患者さんは明日から病棟内は杖歩行自立で歩いていただきます。」

こういった判断は担当の理学療法士が行いますが、何を持って自立と判断しますか?

いつまで見守りが必要なのですか?

なんとなく?

〜だからまだ自立は難しいとか、〜だからもう自立で大丈夫等と説明がきちんとできるといいですね。

回復期リハビリテーション病棟では、車椅子自立レベルの方が歩行器歩行自立レベルへ、歩行器歩行自立レベルの方が杖歩行自立レベルへとADLの段階を上げていく時期にある方が多いと思われますが、その具体的な自立のタイミングの判断は個々のセラピストの経験知に委ねられる部分が大きいと思われます。

新人のセラピストは、先輩に相談しながら進めていくことであると思います。

「そろそろ自立できそうかな?」など感覚的なものではなく、これができているから歩行自立で大丈夫と自信を持って言えるかどうかが大切かと思われますが、その歩行自立の基準が明確に説明できるといいですね。

まず、一番の問題はリハビリ中の「できるADL」と病棟内での「しているADL」に乖離が生じている患者さんがいるという事ですね。

リハビリ中の歩行練習の時にはしっかり歩いていた患者さんが、看護師さんと病棟内を歩くとやけにフラフラして倒れそうな時があると言う事はよく聞きます。

なので「しているADL」を見ることのできる看護師さんに協力していただき、簡便な項目で評価できたら起こるべき転倒を未然に防げるのでは無いかと考えられます。

今回は、実際に東京厚生年金病院で実施されている評価を参考にさせて頂きます。

評価項目は以下の通りです。

◉病棟内歩行自立判定テスト(東京厚生年金病院リハビリテーション室)

①ベッドのカーテンの開閉ができる。

⇨これは意外と立位バランスが良くないと難しい動きです。自分でやってみるとよく分かりますが、フワフワしているカーテンをリーチして掴んで、左から右へ(または右から左へ)動かす動きはかなり下肢の支持性と重心制御のスキルが求められます。

これは、ベッドサイドでもリハビリ時にやっておくといいですね。結構、見落とされる動きです。

②後ろ歩きが3歩できる。

⇨高齢者の患者さんを始めとして、脳血管障害や運動器疾患の方以外にも後方不安定性が非常に多い中、後ろ歩きの評価は必須であると思います。

実用的にも3歩できれば十分かなという感じですね。普段そんなに5歩も10歩も後ろ歩きはしないですよね。

③立位で床に落ちた杖を拾うことができる。

⇨床に落ちたものを拾おうとして転倒したという事例は非常に多いです。まさに転倒あるあるです。

床のどこに落ちたかという問題もありますが、とりあえず床に落ちたものを拾う事ができるかどうかも必須項目かと思います。

④その場まわり(180度)が右回り・左回り共に行える。

⇨方向転換時にバランスを崩しやすいという問題です。方向転換の動きはリハビリ室で確認されていると思いますが、個人的には特に着座する際の方向転換で特にふらつきやすい印象があります。

もうすぐ座れるという安心感からか、崩れるように着座される方が多くいます。要チェックです。

⑤目標の場所まで到達できる。

⇨自室・食堂・トイレ・浴室・洗面台などそれぞれの目的の場所まで実際に行けるかどうかです。必要な移動距離が運動機能的な問題でリハビリの時にできてて、病棟内でできないという事はそんなに多いことでは無いかとは思いますが、重要な事であると思います。

これは、高次脳の問題などが含まれるかもしれません。

⑥机の前の椅子を引いて座り、立ち上がって歩き出す。

⇨立位バランスの悪い方は、椅子を後ろに引いた時にバランスを崩してしまうケースがあります。テーブルにはつかまるところが何も無いので、近くに人がいても転倒を生じてしまう事があります。

また、歩き出しの2、3歩は特にふらつきやすくなるため、立ち上がって歩き出した4、5歩くらいまで安定して歩けるのかどうか評価していけば良いかと思います。

⑦病棟の廊下を大回り1周できる。

⇨病棟内歩行自立にするという事は、患者さんに病棟内を自由に歩いてもらうという事であり、最低限の動線に加え病棟内を散歩することもあるかもしれません。

歩行時の持久力が低下している患者さんであれば、歩いているうちにだんだんフラフラしてきたり、だんだん小刻み歩行で前のめりの姿勢になってきたり、足をつまづかせたりなんて事があるかもしれません。

大きく1周は歩いて歩行に変化がないことだけは確認しておいた方が良いでしょう。

⑧病棟内の歩行自立が可能だと思う。

⇨これは、評価する看護師の経験的な予測や直感によるものです。高次脳機能や認知機能の問題も含んでいると思いますが、これが結構現場では重要だったりします。ベテランの看護師さんが「この人転びそう」という感覚はかなり当たっている事が多いです。

以上の①〜⑦までは実際の患者さんの動きを見て看護師が記入し、⑧は経験知に基づき判断してもらうものです。

現場では、①〜⑧項目が看護師により3日連続でクリアし、最後に担当医が自立の可否を決定するというものです。

それぞれの患者さんにより転倒要因は違うかもしれませんが、こういった側面で評価していくことも良いのではないかと思います。

(上内 哲男:回復期リハビリテーション病棟における歩行自立判定テストと自立後の転倒者率:2012)

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