運動によって尿漏れの予防と治療は可能なのか?

 22, 2013 18:46
最近は、テレビCMなどで尿漏れの治療薬などをよく目にすると思われますが、尿漏れ・尿失禁に対して深刻な悩みとして日常生活が著しく低下している方もおられます。

尿漏れ、つまり尿失禁にはいろいろな種類があり、その対処方法も異なります。

高齢者で多いのは・・・
・機能性尿失禁
・切迫性尿失禁
・溢流性尿失禁
・腹圧性尿失禁


機能的尿失禁は、病気やけが、加齢により体が動きにくくなった場合に生じるもので、その対処方法としては、脱ぎやすい服を着る。あるいは、トイレまでの廊下に手すりをつけるなどです。

切迫性尿失禁や、溢流性尿失禁に対しては、薬物療法や手術療法が行われます。

そして、腹圧性尿失禁は、くしゃみや咳、荷物を持ち上げた時などの動作によって不意に腹圧がかかった時に、弱くなった骨盤底筋群が耐えられず、尿が漏れてしまうものです。

正常な骨盤底筋群は膀胱を十分に支え、尿道を締める働きを持っています。ただ、骨盤底筋群が弱くなると膀胱が垂れ下がってしまい、尿道を閉める力が落ちてしまい、尿が漏れやすくなってしまいます。

特に、女性は妊娠や経腟分娩の原因によって骨盤底筋群が弱くなります。

腹圧性尿失禁の予防および治療法としては、運動療法が有効とされています。

報告によると、腹圧性尿失禁患者に1回20分の骨盤底筋群のトレーニングを1日3回毎日施行した結果、腟内圧が上昇し、6~8週間で84%の患者に尿失禁の改善が見られたとのことです。

通常、骨盤底筋群は横隔膜や腹筋群と協調して働くため、腹圧性尿失禁の方に対しては、深部筋を働かせるようなエクササイズを提案していきます。

尿失禁に対しては、それ自体が生命の危機に関わることはないので、治療は後回しにされがちですが、時には本人の自尊心を奪い、生活の質(QOL)を低下させる原因となり、リハビリに対するモチベーションの低下につながるため、臨床の現場では適切な対応をとることが望ましいと考えられます。

(市橋則明、小田伸午:ヒトの動き百話―スポーツの視点からリハビリテーションの視点まで;2011)

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