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高齢者の運動療法に対するエビデンス

 02, 2014 12:34
◎筋力トレーニングにより、高齢者の筋力は向上するのか?

筋力トレーニングによる高齢者の筋力向上は、3059名のメタアナリシスによって有意な効果が確証されている。

筋力向上に対する効果を検討した研究は多数存在します。中でも、2009年に発表されたLiuらによる高齢者に対する筋力トレーニングの効果に対するシステマティックレビューが有名です。高齢者に対し、下肢筋力トレーニングを実施した群と実施しなかった群を比較すると、筋力トレーニングによって筋力向上が中等度以上は期待できる事が明らかとなりました。今さらですが、言うまでもなく、高齢者のリハビリテーションにおいて筋力トレーニングは欠かせない項目の一つと言えるでしょう。


◎高負荷と低負荷筋力トレーニングでは効果は違うのか?

高負荷と低負荷筋力トレーニングを比較すると、高負荷トレーニングの方が優位に高い効果を上げることが可能である。

高負荷トレーニング(54研究、2026名)でも、低強度から中等度トレーニング(19研究、1033名)のともに筋力強化に有効であると示されていますが、高負荷トレーニングと低負荷トレーニングを比較した研究(9研究、219名)では高負荷トレーニングの方が優位に高い効果を認めています。
ただ、臨床においては、高負荷トレーニングを実施する際に、その方の心疾患の程度や、血圧の変動、モチベーション有無などに注意しながら高負荷トレーニングを選択していくことが重要なのではないかと思われます。


◎対象者、トレーニング期間、運動項目の違いで、効果に差は生じるのか?

機能低下のない高齢者は、機能低下のある高齢者と比較して、筋力トレーニングの効果が高く得られた。また、筋力向上には有酸素運動よりも筋力トレーニングが有効である。

まず、機能低下のある高齢者よりも、機能低下のない高齢者の方が高い効果が得られていますが、これは機能障害を有する方のトレーニング強度は低強度から中等度の負荷であったために、負荷量の違いが効果量に影響していると思われます。
トレーニング期間に関しては、12週以上と12週未満の群で検討する研究があるが、有意差は認められていません。
トレーニング種目による効果の差に関しては、筋力トレーニングの実施者と、有酸素運動の実施者の効果を比較した研究(10研究、487名)では、筋力トレーニングの方が有意に高い効果が認められています。


◎筋力トレーニングによって痛みは軽減するのか?

変形性関節症をもつ限定した集団では、痛みが軽減する効果が認められた。

変形性関節症をもつ対象集団に、特異的な痛み評価を実施した研究(6研究、503名)のメタアナリシスにおいては有意なトレーニングの効果が示されています。


◎歩行、バランス、協調、機能的トレーニングでバランス機能は向上するのか?

歩行、バランス、協調、機能的トレーニングによって、対照群と比較し、介入直後にバランス機能の有意な向上が認められたが、追跡調査ではその効果は消失した。

歩行、バランス、協調、機能的トレーニングによる効果として、介入直後に開眼の片脚立位時間の延長が見られました。(4研究、164名)また、Berg balance scaleの得点向上も介入直後に見られました。(3研究、126名)ただ、介入終了後の追跡調査では、得られた効果の有意性は失われています。バランス機能の維持のためには、やはり継続的なリハビリテーションの介入が必要だと考えられます。


◎高齢者の持久力トレーニングによる体力向上の効果は?

高齢者に対する歩行練習などの持久力トレーニングは、有酸素能力を向上させる効果がある。

高齢者に対する持久力トレーニングに関しては、Huangらのシステマティックレビュー(41研究、2102名)では、介入後に有意に、有酸素能力を向上させる効果を有する効果が明らかになっています。実施した運動項目は約80%の研究で歩行練習を行い、そのほかにジョギング、サイクリング、階段昇降、ダンス、太極拳、屋外活動、ゲームが含まれています。


◎持久力トレーニングによって認知機能は向上するのか?

高齢者における持久力トレーニングの実施は、認知機能(認知速度、視覚的注意、聴覚的注意、運動機能)を向上させる効果をもちます。

認知症および、認知機能の低下した高齢者を対象として運動の効果を検討したメタアナリシスにおいても、運動機能、行動、認知機能が運動によって向上可能であることが示されています。

(市橋 則明:高齢者の機能障害に対する運動療法―運動療法学各論:2010)


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