高次脳機能障害のある方の住環境整備上の配慮

 09, 2014 21:20
交通事故や、スポーツでの事故、転落事故、脳卒中などの後遺症によって生じる高次脳機能障害は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害を呈し、日常生活でさまざまな支障が生じます。

臨床の現場でも非常に多く、動作レベルで改善できても、高次脳機能障害により生活に介助を要する場面がかなりあると思います。

高次脳機能障害の症状は、発症原因、障害部位、重症度によって個別差は大きいですが、リハビリテーションの訓練によって落ち着いてくることが一般的です。

リハビリテーションにおいては、症状の改善のための訓練を行い、それでも日常生活で問題が生じる部分に、住環境整備の必要性があります。

高齢者や障害者に共通する住環境整備以外で、高次脳機能障害の方に限定した具体的な配慮としては・・・

①室内の凹凸や床の段差を解消する
高次脳機能障害の方は床面の段差を認知しにくい場合が多いです。床面の段差に気付くのが遅れたり、気づかずに衝突したり、転倒したりする危険性があります。特に、リハビリテーションの訓練中はもちろん、病棟内で気づきが浅い方は極力床面の段差解消を行った方がよいと考えられます。

②室内空間はシンプルな雰囲気で統一する
室内空間は落ち着いた雰囲気にすることで、高次脳機能障害の方は精神的に落ち着いた状態を維持できると言われています。例えば、市松模様の柄や、大柄の模様の壁紙などは気になって落ち着かない事があります。室内の装飾品も少なめにしておいた方がよいとされています。
色彩は活気を与える様な暖色系よりも、どちらかというと静かで落ち着いている雰囲気の寒色系が好ましいです。
音も同様で、外部からの騒音が聞こえないように壁の遮音性能を高め、窓にも二重サッシを採用すると遮音効果が高まります。

③柔らかな照明
室内は一定の照度が必要ですが、柔らかな雰囲気がよいことから間接照明が好ましいとされています。

④収納への配慮
室内が雑然としていると、高次脳機能障害の方は落ち着かず、混乱しやすくなるため、室内は常に片づけて机の上などもきれいにしておく習慣をつけておきます。物を置く位置も常に同じ場所になるようにすると良いと言われています。

⑤家具類の位置を変えない

(野村 歡,橋本 美芽:OT・PTのための住環境整備論:2012)


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