しゃがみ込み動作が困難なケース

 14, 2014 12:56
しゃがみ込み動作 ブログ用

しゃがみこみ動作が困難となっている方は、高齢者をはじめ脳卒中の方や様々な方で困難となっている場合が、臨床では非常に多いです。

しゃがみ込み動作は日常生活でも行う頻度が多く、床の物を取る時や、庭の草取り、一番下のタンスの引き出しを開ける時など、自宅での生活を行う上で重要な動作となってきます。病棟内でも、しゃがみ込み動作をした瞬間に転倒した事例も人によってはあると思います。

立ち上がり・着座の動作は十分にできても、しゃがみ込み動作はできない事は多々ありますので、動作チェックは必要となってきます。

しゃがみこみ動作ができない原因は多くあり、原因が混在している場合もあるので、十分に評価していくことが大切です。今回のしゃがみ込み動作は、床に踵がつく状態の動作となります。

○しゃがみ込み動作ができない原因

①股関節屈曲可動域制限
②膝関節屈曲可動域制限
③足関節背屈可動域制限
④骨盤前傾の動きの不足(骨盤後傾位)
⑤脊柱の屈曲可動域の低下
⑥腸腰筋の短縮位での機能不全
⑦体幹屈曲筋力低下
⑧前脛骨筋の最大背屈位での筋力低下

ここから病態別にアプローチ方法を記していきます。

①股関節屈曲可動域制限
②膝関節屈曲可動域制限
③足関節背屈可動域制限
⑤脊柱の屈曲可動域の低下
 この場合、関節包なのか、筋なのか制限因子を評価し、原因に対して適切な可動域訓練を行っていきます。股関節屈曲時に、大腿直筋や縫工筋の緊張が高い場合には、セラピストが指で圧迫しながら、抑制をかけて屈曲していくと良いと思われます。
 膝の深屈曲では脛骨の内旋が必要となるので、脛骨内旋を引き出すようにしていくとよいかと思われます。

④骨盤前傾の動きの不足(骨盤後傾位)
 患者さんでは、股関節の屈曲可動域が正常でも、上手に骨盤前傾ができない方もおられます。そういった方は座位で骨盤前傾トレーニングを行い、骨盤前傾位で保持していく練習をしていきます。

骨盤前傾トレーニング ブログ用

⑥腸腰筋の短縮位での機能不全
 骨盤前傾のトレーニングを行った後に、座位で骨盤前傾位のまま股関節屈曲していきます。(腸腰筋が短縮位で力を発揮できるようにするため)activeでできてきたら、軽く抵抗運動でもできるようになるとよいかと思われます。

⑧前脛骨筋の最大背屈位での筋力低下
 しゃがみ込み位で保持するためには、最大背屈位でキープするための前脛骨筋の筋力が必要となります。MMTにて最大背屈位での前脛骨筋の筋力を評価し、弱い場合は最大背屈位での筋力トレーニングを行います。

足関節最大背屈位でのトレーニング ブログ用

⇒しゃがみこみ動作トレーニングへ

しゃがみこみ保持トレーニング ブログ用

 個別のトレーニングを行ったら、しゃがみ込み動作を行います。難しければ、踵を足底板などで補高し、重心を前方にさせることでしゃがみ込みやすくなります。1~2分保持できるようになれば、徐々に補高の高さを低くしていき、最後には足底板がとれるところまで継続していきます。

(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際;2009)


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