SLRが困難なケース

 24, 2014 21:44
臨床では、SLRを行う際に股関節に十分な可動域と筋力があるのにも関わらず、SLRができない方がおられます。

SLRを行うのに必要な要素としては、下肢挙上によって支持基底面の変化と重心移動と、外乱に対する骨盤・体幹の安定性、股関節屈筋群の協調性が重要となります。

SLRなどの四肢の運動を行う際には、運動の主動作筋に先行して体幹の安定筋(内腹斜筋・腹横筋など)が活動します。SLRの動きができない患者さんの病態としては、腹横筋などの固定筋の収縮のタイミングが遅延するという報告があり、エクササイズでもこの筋収縮順序を考慮していく必要があるという事です。

つまり、体幹がしっかり固定されていないと、四肢がしっかり動かせないという事ですね。

評価としてはまず、SLR時の動作観察を行います。動きはじめに骨盤が前傾したり、後傾したり、体幹の収縮がどのように行われているか確認します。その際に、支持基底面と重心移動の変化がどのようになっているか確認します。

観察するポイントとしては以下の図の通りです。

SLRが困難なケース ブログ用

体幹筋の収縮が不十分と感じた場合は、手で筋を軽く圧迫して、どの筋を圧迫し固定した状態で安定性が改善するのかを評価します。

それによって動作改善がみられる場合、その筋のエクササイズの必要性があると考え、理学療法の治療の実際として、体幹筋エクササイズを行います。機能低下している筋に対して収縮練習を行います。

その後、股関節屈筋と体幹筋が同時に収縮することが大切になるため、股関節屈筋群と体幹筋群の協調性エクササイズを行います。(下図)

股関節屈筋群と体幹筋群の協調性エクササイズ ブログ用

支持基底面の変化と重心移動が上手く行えていない場合は、ボールの上に足をのせ、軽くボールを転がすように動かし、頭部・体幹・反対側下肢での支持面の形成を学習してもらいます。(下図)

SLRに伴う支持基底面の変化と重心移動の練習 ブログ用

(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際;2009)

COMMENT 0

WHAT'S NEW?