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脳卒中後の合併症~肩関節の亜脱臼

 11, 2014 23:49
麻痺側の肩関節の亜脱臼の患者は30~50%に生じます。

臨床において脳卒中片麻痺患者に生じる亜脱臼は非外傷性で、座位や立位などで上半身を直立で保持することによって、上肢の重みに耐え切れず、上腕骨頭が重力の影響で下方に亜脱臼します。さらに大胸筋の筋緊張が高い場合は、その影響で骨頭は前方に移動した状態を人によっては確認できます。

なぜ、肩関節の亜脱臼が生じるのかという原因に関しては、

①肩関節周囲筋(三角筋や棘上筋)の弛緩性麻痺
②麻痺側上肢にかかる重力による下垂
③肩関節包や靭帯の伸張(緩み)

これらが原因になります。

重度の弛緩性麻痺でBrunnstrom stageⅡ以下の場合や、肩周囲の筋緊張の低下の場合は危険因子となります。

ですが、臨床上では肩関節亜脱臼があっても疼痛が必ず生じるわけではありません。

脳卒中の方だけでなく、一般の高齢者においても、肩関節の軟部組織が退行変性で脆弱化していて、亜脱臼した状態(アライメント不良の状態)のまま運動することによって肩関節の軟部組織に過度な伸張や、肩峰下インピンジメントなどの力学的なストレスが生じ、微細損傷を引き起こし、肩関節痛を生じてしまう危険性があります。

では、肩関節亜脱臼に対しての対策はどうすればよいかということについてですが、関節包や靭帯がいったん伸張されてしまうと、その改善は困難となるので、そうならないように予防が大切になります。

肩関節周囲の重度な運動麻痺の方は座位・立位をとる際に上肢が下垂しないように三角巾アームスリングを装着し、上肢の下垂を制限します。また、車椅子座位や、椅子座位の時などは肘受けなどを用いて良肢位保持をしていく必要があります。

リハビリとしては、肩関節の周囲筋の麻痺に対して、外転や屈曲の自動運動や自動介助運動を積極的に行うことが大切です。現在は、TENSなどの電気刺激を利用した運動の有効性も報告されています。

運動療法を行ううえでの注意点としては、不良アライメントでの運動によって生じる軟部組織の損傷を予防するために、肩関節の運動時には、

①過度な運動を避けて、疼痛のない範囲での運動にとどめます。
②運動時には上腕骨頭部を保持し、関節窩との位置関係を保ちながら行います。

以上のような点に注意し、マイルドにかつ積極的なリハビリを行っていきます。

(細田多穂:中枢神経障害理学療法学テキスト (シンプル理学療法学シリーズ):2014)

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