脳卒中後の合併症~反張膝

 12, 2014 03:22
脳卒中片麻痺の患者さんで、麻痺側の立脚期に膝関節が過伸展となる現象を臨床ではしばしば目にすると思われます。

そもそも反張膝はなぜ起こるのでしょうか?原因としては、

①足関節の底屈位拘縮や下腿三頭筋の短縮が著しい場合(足底接地に伴い下腿の後方への傾斜が生じるため)に起こる
②膝関節の安定性が不十分な場合(膝過伸展により安定性を確保しようとするため)
③膝伸筋群の活動が過剰な場合

以上の原因によって反張膝は出現します。

反張膝は不適切な歩行の結果として生じる誤用症候群です。

なぜ、反張膝は良くないのか、なぜ反張膝を改善させていかなければならないのか?という問題に関しては、まず、荷重時に膝関節が反張してそれにより、膝関節部痛が出現することで歩行能力が低下するためです。

また、強い反張膝が出現している患者さんの場合は、知覚障害を伴っている場合があり、この場合は痛みの訴えが少なくそのため膝関節伸展可動域が過大となることで立脚期において膝関節が不安定となり、歩行能力が低下するといった側面もあります。

では、反張膝に対してはどのようにアプローチすればよいかというと、

①反張膝の予防のために、歩行時の麻痺側股関節や膝関節の安定性を高めるための訓練を行います。例としては立位で膝関節軽度屈曲位での保持や荷重訓練です。

②患者さん自身に膝関節が歩行時に過伸展になっていることを認識してもらい、リハビリの場面だけでなく、日常生活においても意識的に予防する努力が重要なことを指導していきます。

③軽度の反張膝に対しては、足関節の底屈制限をつけた短下肢装具(AFO)を使用することで改善が期待されます。

※ただ、装具を処方する場合は、作成時点の患者さんの状態に合わせるだけでなく、将来の状態を予測して装具の種類を検討する必要があります。

(細田多穂:中枢神経障害理学療法学テキスト (シンプル理学療法学シリーズ):2014)

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