座位で後方への安定性が低いケース

 16, 2014 21:58
脳卒中後の患者さんで端座位exを行う際に、前方への恐怖心が強い場合や、体幹・下肢の緊張が強く、反りかえる傾向が認められることが臨床でよくあります。

原因としては

①股関節屈曲可動域の減少により、座位で骨盤後傾位となり後方へ倒れやすくなる
②脊柱可動域の減少
③腹筋群あるいは股関節屈筋群の活動性低下
④pusher現象により、非麻痺側下肢で床面を蹴ることで後方に倒れやすくなる
⑤前方への恐怖心が強く体幹前傾ができない

以上が主な原因となります。原因は一つとは限らず混在している場合もありますので、十分に評価していきます。

①が原因の場合
股関節屈曲の可動域訓練を行い、最低80°以上の可動域を確保します。座位で骨盤が後傾しないレベルが目標です。

②が原因の場合
脊柱の分節的な動きをエクササイズまたは、徒手的に出していくと良いでしょう。

③が原因の場合
・体幹を後傾させた所から直立位に戻す運動を繰り返していき、腹部の活動性を高め、後方への制動を高めます。
・座位で前方のテーブルの上に上肢をのせ、その上でリーチ動作を行い、股関節屈筋によって体幹前傾を促していくとともに骨盤の前後傾の動きも出していく。

④が原因の場合
pusher現象が原因の場合、座面上を高くして足底を床に接地させないようにして座位を行う。

⑤が原因の場合
・セラピストが患者の前方で介助を行うか、前方に台やテーブルを置き上肢が支持できるようにすると安心感が高まり、後方へ倒れにくくなります。
・また、座位で大腿部上に大きめのボールをのせ、寄りかかるようにして体幹前傾を促していく方法もあります。

以上の項目以外にも、座位でハムストリングスの短縮によって骨盤後傾位となっている事もあるため、座位で両足部を後方に引くことで、ハムストリングスが緩み骨盤前傾が可能となり、体幹伸展することから、重心が前方に移動できるようになることもあります。

(武富由雄、市橋則明:理学療法プログラムデザイン―ケース別アプローチのポイントと実際;2009)

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