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側臥位から端座位までの起き上がりの要素とその機能

 20, 2014 22:47
起き上がり

どんな人においても、病気などの特別な理由がない限り、日常生活において毎日この動作を繰り返しています。

ただ、起き上がりのしかたについては、決まった典型的なパターンはなく、いろんな方略を用いてその人個人のやり方で起き上がっています。

場合によっては目覚まし時計にびっくりして急に起き上がったり、両手をつきながらゆっくり起き上がったり、人によっては足をいったん持ち上げてからその反動で起き上がったり、ベッド柵につかまりながら体を起こしていったりと様々です。

ただ、様々な起き上がりができるのは健常者だからなのです。脳卒中後の方や、廃用の進んだ高齢者など起き上がりが困難な方は健常者に比べて起き上がりの動作を遂行するための機能が制御できない傾向にあります。その要素とは加速度や、慣性力や、床反力などです。

つまり、起き上がりの動作分析においてはどのような要素が必要であるのか?とか、どのような機能獲得にむかっていく必要があるのかを考えていかないといけないと思われます。

今回は、ベッド上の側臥位から端座位までの動作について神経学的視点から考えていきます。

○起き上がりの各相
 今回は起き上がりを4つの相に分けて考えていきます。

①第一相:開始肢位(側臥位)

 まず、側臥位の状態をパッと見たときに、体幹と骨盤の位置がねじれていたり、肩甲帯が落ち込んでいたり、頭頚部が必要以上に屈曲していたり、肩関節が不安定な状態であった場合、この状態から手を伸ばしたり、体を起こしたりしていくのには必要以上の筋活動を必要とします。このような状態での起き上がりは過剰な努力を要し、効率的な動作が行えません。このような動作遂行では支持基底面であるBOSを感じることは難しく、身体が接地面を介しての固有受容覚的な相互作用を関係づける事がでずに、身体アライメントを調節しにくい状態となってしまいます。
 そもそも、側臥位は背臥位と同様に自分の身体を視覚で確認しづらく、なかなかイメージすることができにくい肢位でもあります。BOSを感じながら身体アライメントを調整することは、他の動作より難しくなってくることを念頭に置く必要があります。つまり、身体図式(ボディースキーマ)として取り込んでいくことも難しくなっています。

以上のことをふまえて、安定した側臥位とはどういうものなのか?、起き上がりにつなげていくための側臥位とはどういうものなのか?を構成要素でまとめると、

・頭頚部、胸郭、骨盤がねじれた位置ではなく、一直線上にある。
・両側肩甲帯が動的に安定している。
・全身の姿勢緊張のバランスがとれている(過剰努力なく、どちらの方向にも動ける状態)
・身体図式(ボディスキーマ)を通して安定性限界を患者が自覚している。
・身体(下側の肩甲帯・体側・骨盤・下肢の外側)とBOSが機能的に接地しており、固有受容感覚でのやり取りができている。

②第二相:運動の開始

 側臥位の状態から、過剰固定を強めることなく、全身の姿勢緊張がニュートラルな状態から運動を開始していきます。効率的な運動を遂行していくには、先行随伴性姿勢調節(APA)を駆動させる運動方略が必要です。ベッド柵を引っ張ったり、下肢の重みを主体に使って起きたりなどの過剰な運動開始方略ではAPAが駆動しにくい状態なのです。
 APAを働かせるためには、BOS上に身体分節をのせていくとよいです。

③第三相:運動の過程

 起き上がりの動作過程では、橋網様体脊髄路を介した、コアスタビリティ(コア筋群)の活性化が重要です。
 コアスタビリティは過剰に活動したり、固定を強めるものではなく、最小限の動きによって動的安定性を生み出し、四肢の自由度を高めるという役割もあります。スムーズな起き上がりの動きの獲得には、適度なコアスタビリティの働きが大切です。

・まず、動作的にはBOSの上に身体分節をのせて、上部体幹の回旋からスタートする場合、上部体幹の前方回旋に伴い、頭部が挙上しながら重心が支持肩から上腕に移動していきます。この時に神経学的障害を持つ方は、上部体幹を前方へ移動することが難しいことが多いです。

・ベッド柵を引っ張りながら体幹、頸部を起こしていく方の場合、全身を過剰に屈曲固定にして起き上がります。この運動パターンではAPAが駆動するよりも先に、赤核脊髄路間室核脊髄路といった経路が働いてしまいます。

・下肢の重みを使って起き上がるパターンを示す方の場合、BOSの変化に関連して運動が遂行されているのではありません。こういった方は延髄網様体路系を介したシステムを利用しています。コアスタビリティの活性化にはつながりにくいです。

④第四相:到達肢位

 到達肢位である端座位ですが、支持面は足底、大腿後面、殿部となり、骨盤・体幹・頭頚部は重力線上にのり、座位姿勢保持のための筋活動は最小限になります。これによって、次の動作への効率的に移れたり、上肢の自由度が高くなります。こういった要素が必要になってきます。

(山岸 茂則:臨床実践 動きのとらえかた  何をみるのか その思考と試行:2012)

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